新型コロナウイルスのパンデミックによって3月中旬から欧州各国ほぼ全てのリーグ戦が中断となっていたが、5月16日にドイツ、ブンデリーガを皮切りに6月3日にはポルトガルリーグが再開されるなど日常にサッカーが戻りつつある。
今後もプレミアリーグ、ラ・リーガ、セリエAと次々と再開を予定している中、フランスのリーグアンは4月30日のLFP(フランス・プロリーグ機構)の理事会でシーズン途中での打ち切りが決定された。
Didier Quillot (LFP), sur l'arrêt du Championnat : « la décision est évidemment la bonne » https://t.co/lK2BioSTsB pic.twitter.com/iyld38eGiF
— L'ÉQUIPE (@lequipe) June 4, 2020
フランス政府が9月までのスポーツイベントの開催禁止を発表したことを受けて、国の政策に従った格好だ。
理事会での議論の結果、消化試合数にばらつきがあったため、1試合平均の勝ち点で順位が決められることとなった。
パリサンジェルマンのリーグ3連覇は順当な結果と言えるが、この決定を納得していないクラブも存在する。
リーグアン7位に終わり、1997/98シーズンから続いていた欧州カップの出場権を逃してしまったリヨン(今シーズンのチャンピオンズリリーグで優勝すれば、来シーズンの出場権を獲得できる)やリーグドゥ(2部)への降格が決まった19位のアミアンと20位のトゥールーズの3チームだ。
裁判所に異議申し立てを行っているこの3チームは、6月4日(木)に国務院(行政最高裁判所)の公聴会に臨み、各クラブがそれぞれの主張を行った。
公聴会後、LFPのジョルジュ・キヨ事務局長は、リーグ戦の打ち切りは正しい判断だったとコメントしたと、『レキップ』紙が報じている。
ジョルジュ・キヨ(LFP事務局長)の声明
「まず、4月28日にエドゥアール・フィリップ首相が、サッカーを敢えて例に出して、プロスポーツの開催を9月まで再開することできないと、明言したことを忘れてはいけない。首相の発言を元に、4月30日のLFPの理事会で、あらゆることを考慮に入れて、リーグ戦を打ち切るという決断を下した。この決断は全会一致で下されたものであること強調したい。そして、40チームの全体の利益についても考える必要がある。異議を唱えている3つのクラブはそれぞれの利益を主張している点について理解できる。しかし、リーグの打ち切り以外の判断を下すことを我々はできなかった。今は、8月に開催を目指す2021/22シーズンに向けて準備をする必要がある」
フランス国内でもリーグ戦の打ち切りの判断が早過ぎたのではないのかと、この決定に疑問を呈する人も多く、意見が割れている。