「その人がいるだけで雰囲気がガラッと変化する」ことはよくある。
みなさんも既に身近な仲間内や会社内においてご経験の通りだと思う。
その人の存在が突如大きな原動力を生み出した結果、目の前に立ちはだかった壁を突破する機会になり、そのプロセスが今後の活動における一助になり得ることだって往々にしてあるだろう。
組織を作るのも人であれば、組織を動かすのも人である。
そんな言葉に相応しい今シーズンのチームの切り札になっているプレイヤーを2人ご紹介したい。
【ニューカッスル】ミゲル・アルミロン
ベニテス監督の下、再びプレミアリーグの地に足を踏み入れたニューカッスル。
昨シーズンはリーグ10位で終了し、今シーズンさらなる飛躍が期待されていた。
しかしチームは開幕から停滞傾向にあり、特に攻撃陣のチョイスに頭を悩ませていた。
今夏に武藤嘉紀やロンドンの補強と昨シーズン大活躍だったケネディの再ローン契約に成功したが、コンスタントに結果を出せているのはロンドンのみ。
しかも相棒になるペレスとの連携がかき消される試合では、次なる攻め手を講じることができないまま順調に勝ち点を獲得できずにいた。
そんな中、今冬新たな新参者が白黒ストライプのユニフォームに袖を通すことを決断した。
MIGUEL THE MAGPIE: Just in case you missed it, here’s the full story on Miguel Almirón’s arrival on Tyneside.
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— Newcastle United FC (@NUFC) January 31, 2019
ミゲル・アルミロン。MLSのアトランタユナイテッド所属25歳の若手プレーヤーだ。
2018年シーズンではリーグ2位、そしてその後のプレーオフで勝ち抜きMLS優勝に大きく貢献した人物で、13ゴール・11アシストという本人自身シーズンベストの成績を収めた。
そんな「Nextディマリア」とも言われるアルミロンをニューカッスルきっての攻撃オプションになり得ると確信し白羽の矢を立てた。
アルミロンの加入後、ニューカッスルは新たな攻めてを手に入れチーム全体に勢いをつける結果となった。
どうやら従来の「ロンドン+セカンドトップ気味にペレス」という戦術から、「右ペレス+中央ロンドン+左アルミロン」という布陣でどこからでも攻撃起点を作れるフォーメーションに移行したように推察する。
アルミロン加入前にレギュラーとして出場したケネディやアツを差し置いて、攻撃にアクセントを加えることができたことはシュート数やパス成功数、球際の強さが証明している。
また平均出場時間も77分とベニテスからの信頼も厚く、被ファール数がペレスさえも上回っているのは相手にとって脅威と見なされていることだろう。
MLS終了後、すぐにニューカッスルへ加入したため万全なコンディションではないものの、休息を挟んだ来シーズン以降は今シーズンよりもより大きくチームに貢献できると密かに楽しみにしている。
【バーンリー】トム・ヒートン
チームの切り札になるのは必ずしも補強によって成立することではない。
今回のケースにそれが当てはまっている。
今シーズン、バーンリーは前半戦大きく苦しんだ。
昨シーズンはリーグ戦7位で着地し、昨シーズンは驚異的な躍進を遂げる大きなシーズンとなった。
しかし今シーズンは思わしくない試合が続いた。
W杯疲れや7月末から始まったヨーロッパリーグプレーオフが影響したのか、クリスマスまで得た勝ち点はたった12。
昨シーズンのクリスマス時点の勝ち点が32だったことを考えてもチームに陰りが見えたという意見は否めない。
そんな状況の中、チームは大きな決断を下した。
Tom Heaton skippers the Clarets today pic.twitter.com/xzyFv1ATq0
— Burnley FC (@BurnleyOfficial) December 30, 2018
正GKをハートからヒートンへ変更。さらにはキャプテン待遇で迎え入れたのだ。
怪我の影響で’16-’17シーズン以降長らく離脱をしていたヒートンに突然回ってきたバトン。
彼はそれを見事にチャンスに変え、再びバーンリーの守護神として君臨した。
ヒートンがスタメンに名を連ねた12/30以降チームは安定した守備力を再び手にし、現時点で勝ち点39と降格圏に瀕していた状況から脱出しつつある。
ハートが正GKだったときに比べ1試合辺りの平均失点数は格段に落ち、クリーンシートも既に4試合で並んでいる。
この守備力の安定化こそバーンリーの特徴の1つであり、プレミアリーグの常連になっている所以だろう。
こうして長らく試合から遠ざかっていたGKがチームの切り札に変貌を遂げ、チームを危機的状況から救うことに成功した。