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日本にストリートサッカーを根付かせたい 1on1初の全国大会 発起人 雨宮 太也さん インタビュー

大沢正義

2018/03/09 12:18

2018/03/10 02:01

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NEWS

来たる4月1日、国内では初となる1on1によるストリートサッカー全国大会が開催される。大会の発起人で、主催者として活動する雨宮 太也さん(あめみや たいや)に話を聞いた。

「子どもが心から楽しむ姿を。」島っ子が目指す、球蹴りの原点

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——ストリートサッカーとはどんな競技ですか?

日本で主流なのはフットサルコートくらいの大きさで行う3on3です。
私たちが専門でやっているのは1on1です。完全な個人戦です。
1on1で一番いいのは丸方のコートなんですが、8角形のコートで普段はやっています。
1辺が2mくらいの板をつなぎ合わせています。

——ボールも専用ですか?

そうです。デニム素材なんです。始めた時から、これが世界共通のボールなんです。
サッカー元オランダ代表のダービッツが考えたボールで「monta(モンタ)」といいます。
最初すごいダサいと思った。デザインがドラゴンですよ。でも使いやすいです。
デニムのいいところは、引っ掛かりやすくてグリップが効くところ。
プリントがあることで、滑ったり、光ったりする。すごくいいです。

——1on1のルール、規定はどのようなものですか?

年齢制限、服装の決まりはありません。
女性も一緒にプレーします。

基本は1on1の3分間。手を使うのはNGです。フィジカルの接触もなし。

股抜きのことを「PANNA(パナ)」と言います。ゴール数に関係なく、股を抜かれたら1発でKOです。ただ、狙ったプレー、意識したパナでないといけません。たまたまはいけないんです。観ていれば分かります。もちろん審判もいます。パナがない場合は得点が多い方が勝ちです。同点の場合はだいたいサドンデスです。

——3on3も同じですか?

前回の世界大会では、パナした場合、抜いてからもう一度ボールを触らないといけないというものでした。「パナコントロール」と言うんですが、抜いて終わったら認められない。いきっぱなしはいけないんです。

——世界ではどの国が強いんですか?

プレイヤー一人ひとりはやっぱりベルギーです。あと盛んなのはデンマークですね。デンマークは全体的にうまいです。どちらかと言うとスタイルが我々と似てるかもしれないです。ただ技術は向こうの方が全然上です。残念ながら。

——1on1と3on3は全く違いますか?

全く違います。3on3はどちらかというと1対1ができるだけではダメです。ある程度フットサルとか経験があると、そのほうが強いです。サッカーとはちょっと違いますね。サッカーは距離が離れすぎている。フットサルがもう少し近い。ストリートサッカーの1on1になるともっと距離は近いです。全く違います。めちゃくちゃ近い距離です。その分、フィジカルは求められないんです。ほんとに上手くなりますよ。サッカーをやっていて、フットサルに行くと戸惑いますよね。逆にストリートサッカーをやってフットサルに行くと全然楽です。さらにサッカーにいくともっと楽です。実際私もサッカーやってると楽だな、暇だなと思いました。これが距離感の問題です。余裕ができるのでボールを持てちゃうんです。

——距離感が大事なんですね?

経験しないとわからないかもしれないですが、自分の後ろのスペースのボールコントロールが凄まじく上手くなるんです。逆の流れをたどっているので。つまり世界的には、街中でボールを蹴り始めて、フットサル、サッカーといく。僕を含め多くの日本の選手は逆。サッカーからフットサル、ストリートサッカーとなっている。サッカーの試合中では視野も当然ひろくなる、ボールが持てるようになる分。色々といいことずくめです。

——試合を見ていると、選手はパスを出さないですね?

そうなんです。逆にパスを出さなくていいと言っている。
好きにやらせることと、それにボールを持たないと巧くならない。
パスを出していると巧くならないんですよ。

必要とされた、生来のリーダーシップ

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——Panna Home Japanについてもお聞きしたいんですが?

チームにしてから3~4年です。日本代表というものではないですが、ストリートサッカーの世界大会に招待されてチームとして参加しました。国内でもやっとポツポツとチームが増えてきました。僕たちが3~4年かけて全国を周っているので、そこで活動することで魅力に取りつかれたプレーヤーが多いです。

——世界大会に行くとしたらPanna Home Japanさんが行くんですか?

現状はそれしかないんです。人が少ないというよりも巧い子がいないんです。出る権利がないというか、戦えないんです。ルールを知らないですし。どこでやっていようとストリートサッカーですからその中の「パナ系」を我々がやると言う感じです。ストリートサッカー自体は昔からやってる人がいるんです。グランドムーブといわれるダンスみたいな。映像見たことありますか。ああいうのがうまい子ぽつぽつ来ます。

——では、今回初めて大会を開くことになったきっかけは?

これまで3on3の大会はあったんです。ただ競技というよりもイベント、お祭りという感じでした。それに比べ僕たちがやっているのは「PANNA K.O」と呼ばれるもの。それが今、ヨーロッパで一番流行っているスタイルというか、スポーツになっています。しかし、もともとあった国内の大会が無くなってしまったんです。それなので子どもたちが目指すものが無くなってしまった。だから競技として1on1を広めていきたいという昔からの想いが、今こうして、やっと頑張ってここまで来たという感じです。

——立ち上げは大変ですよね?

今が一番大変です。

みんな好きにやり始めたんですけど、やっぱり大変です。

——雨宮さん自身の経験は?

自分の世代はサッカーしかなかった。スパイクも黒のみ。

私は東京都出身で、子どもの人数が少ないのでサッカー部はなかった。バレー部と野球部のみ。けれどサッカーが好きで遊んでいました。情報がまるで入らなかったですし、テレビくらいです。

——雨宮さん自身はどんな子でしたか?

私自身はリーダー的な立ち位置が多かったです。キャプテンもしていましたし。

なんでも中心的にやってきたんです。ただこの年になって今は逆にそういうのがちょっとしんどくなってきたんですよ。ストリートサッカーを始めても自由なのは当然大事なんだけども、私自身が、囲むというか、ガチガチと部活みたいなのが苦手で、周りの子も苦手な子が多かった。まとめるという意識より皆で楽しくワイワイやる。実際立ち上げたはいいもののやる人がいないんで、今自分がやろうかなと。自然と持ち上がってきた感じですね。

ちょうど中学の時にJリーグが立ち上がった世代です。
それでサッカーをはじめたのがきっかけです。
高校もそれなりに強いところに入ってプレーしていました。
ただ当時はフットサルすら無かったと思います。

13~14年前くらい、20代半ばでフットサルに出会って、その時にとてもうまい仲間がいて毎日ボールを蹴っていました。20代で、週7です。土日はダブル、トリプル試合。競技として取り組んでいったんです。もちろん楽しかった。

けれどやりすぎて、だんだん飽きるというか。もちろん怪我もあったんですが。

ちょうどその時、ストリートサッカーのDVDで「アッカ」という技術を観たんです。
そうしたら、もう驚いてしまって、、、なんだこれは、と。
相手の外側を通してコントロールする技です。(インタビュー前に、記者もやられました)

あれを観た時に、これは面白いと思ってしまって。30歳くらいだったと思います。
けれど当時まわりの仲間にストリートサッカーをやっている者がだれもいなかった。

それでいろいろ調べ始めて、自分でやり始めたら、ひとりでやるぶんサッカーと違ってボールを持つ時間が長いんです。だから一番巧くなったのは30代になってからです。今が一番巧いんです。だから今が一番楽しい。30代に入ってからの伸びがすごいんです。

ほんとずっとボールを持っているので、巧くなりますよね。巧くなると楽しくなる、楽しとまた巧くなる。なんで今までやらなかったんだろうと思いました。

その経験から、これは絶対に日本に必要だと思いました。もちろん楽しいのが一番です。ハマるのが一番なんですけど、これを子どもたちにひろめた時に、とんでもなくうまくなるなと感じました。けれど日本はサッカーがあって、フットサルがあって、その下がないんです。ぼくらは、その、下の部分をつくりたいなと。

いま見ていると、楽しくボールを蹴っている子って少ないじゃないですか。聞いていると、そう感じる。子どもたちと蹴ると、なんかつまらなそうなんです。

だから、こういうものがあるんだよ、と示してあげて、また巧くなってもらいたい。好きになってもらいたい。そういう想いでずっと続けてきました。

ボールを触っている時間て、日本で僕らが一番なんじゃないかな。世界で一番ボール触っているかもしれないです。毎日、毎日。それもただ触るのではなくて、意識して。楽しく。意識しないと巧くならないんです。

開催、そして、その先へ

——今回の大会を通じて、今後どうなっていければと思いますか?

こういう競技、スポーツがあるんだよっていうのを伝えたいのが1番です。ストリートサッカーが好きな子はたくさんいるんですよ。そういう子たちが目指せる場所、そういう場を競技としてまずは作りたいっていうのが1番です。そうしたら子供たちに目標ができるんで、それに向かって頑張れるんです。そしたらもっと裾野が広がる、レベルが上がりますから、僕らも楽しい、結果的にそうなればいいなと思います。

——どんな人に大会に来てほしいですか?

やっぱりストリートサッカーが好きな人は当たり前なんですけど、こういう競技をやることで巧くなるので、小さい子たちにやり始めてほしい。
子どもが一番大事なんです。

——最後にメッセージをお願いします。

本当に感謝しかないです。プレーしている人たちに感謝。そういうプレイヤーがいて初めて大会ができますし、ほんとに感謝です。

©️Shooty

クラウドファンディングで募集が始まっているので、是非とも下記よりご覧いただきたい。
【Ready for】
子供達の目指す場所を!1ON1ストリートサッカー全国大会開催
https://readyfor.jp/projects/pannahome

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