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RBライプツィヒ 0-2 ナポリ ビルドアップにおける列の移動

ぱこぱこ・へめす

2018/02/28 08:45

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NEWS

ファーストレグをホームで1-3で敗れたナポリは、実質的に3点差以上で勝利する必要がある。ヨーロッパリーグにまわってしまった以上、首位を走るセリエAを制することに注力することは無理もないだろう。この試合は、クリバリやジョルジーニョ、カジェホンらがベンチに控えているが、ファーストレグよりはメンバーも充実している。

ホームに陣取ったライプツィヒは、十分にあるリードを生かして試合を殺せばよい。得意とするトランジションで激しさを見せる必要はなく、リスクを回避すればよい。

試合の基本的な構造はファーストレグとほとんど同じだったので、以下のリンクで確認してもらいたい。

(参照:ナポリ 1-3 RBライプツィヒ トランジションで試合が決まる)

スターティングメンバー


by @11tegen11

ペーテル・グラーチ
コンラッド・ライマー、イブライマ・コナテ、ダヨ・ウパメカノ、ベルナルド
マルセル・ザビツァー、ディエゴ・デンメ、ケビン・カンプル、ブルマ
ユスフ・ポウルセン、ティモ・ヴェルナー


by @11tegen11

ホセ・マヌエル・レイナ
クリスティアン・マッジョ、ラウール・アルビオル、ロレンツォ・トネッリ、マリオ・ルイ
アラン、アマドゥ・ディアワラ、マレク・ハムシーク
ピオトル・ジエリニスキ、ドリース・メルテンス、ロレンツォ・インシーニェ

低い位置のSBを使ったビルドアップ

試合序盤のナポリは、SBがあまり高い位置を取らず、インサイドハーフも近づく(列を降りる)動きが少なかった。ライプツィヒはサイドハーフが内側に絞ってハーフスペースに立ち、センターハーフとフォワードで六角形を形成しているのだが、SBがワイドで低い位置を取りサイドハーフを引き出すことで、サイドハーフとセンターハーフ間にギャップを生むことができる。


by footballtactics

時間に着目すると、CBからパスが出てからボール保持者であるSBに寄せるので、空間と時間に余裕を持てる。この状況での縦パスのコースは、サイドハーフの両脇である。サイドからの外循環では、WGのインシェーニがコースに入るかハムシークがサイドに流れてパスを受ける。またサイドハーフとセンターハーフのギャップが生まれるハーフスペースでは、ハムシークが受けるか内側のハーフスペーススクエアに入ったインシェーニが受け取る。

ビルドアップの出口としては機能していたが、立ち上がりはSBが攻め上がらず近づく動きも少なかったため、ドリブルでライプツィヒの守備ブロックに捕まることが多かった。センターハーフなどのボール奪取だ。試合で最初に決定機を作ったのもライプツィヒで、ヘディングでのシュートブロックがクロスバーに直撃するあわやの場面があった。

ライプツィヒのトランジションの狙いとU字パス

リードしているライプツィヒは、守備ブロックを築いてナポリのボール保持で前進を阻止すれば良かった。前線から激しくプレッシングに行く必要もない。ネガティブトランジションでも、ボール喪失後にカウンタープレッシングをかけることはあまりなく、ミドルサードに撤退して守備ブロックの構築をした。ポジティブトランジションでは前線の4枚を中心にカウンターアタックを仕掛け、ボールサイドのハーフスペースを中心に縦に素早い前進を試みた。SBは攻め上がらず、カウンターアタックが詰まってポゼッション局面となり安定するまでDFラインにとどまった。


by footballtactics

ポジティブトランジションからボール保持局面に移ると、SH⇔SB⇔CB⇔CB⇔SB⇔SHとU字パスを行うか、プレッシングがかかった時はロングフィードを使った。ナポリからすれば、U字パスは面倒くさいボール循環である。守備ブロックの外側を延々とパス交換されるので、ボールを奪うにはアクションを起こさなければならない。ナポリの場合、守備の基準点がボール、味方選手であり、プレッシングを行う際に列を上がる移動、すなわちWGやインサイドハーフ(シチュエーションによる)がCFを時に追い越す形がよく見られる。自分がマークしている相手選手へのパスコースを切りながらボール保持者へ寄せるCurved Runという動き、さらにその論理であるCover Shadow(パスコースを切ることで自分の背後のスペースや相手をカバーリングすること)をナポリは日常としている。

xGプロットでのまとめ

https://twitter.com/NaplesAndNapoli/status/966832110479855617

https://twitter.com/NaplesAndNapoli/status/967070933604331521

https://twitter.com/NaplesAndNapoli/status/967102104786624513

xG(期待点)では0.22-1.64という結果になった。0-2というスコアは妥当である。ライプツィヒはホームで2点差以内に抑えればよいという比較的簡単なタスクをしっかりと遂行できた。一方でライプツィヒ本来の密集でのトランジション指向のゲームを見れなかったことは残念である。ナポリとしては、あとはリーグ戦に集中するのみである。アッレグリのユヴェントスから王座を奪えるのか、恐らく最後まで競い合うことになるだろう。


by @11tegen11


by @11tegen11

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