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浦和レッズレディースに復帰したなでしこのレジェンド安藤梢選手

扇ガ谷 道房

2017/06/11 12:12

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NEWS

なでしこのレジェンドと言っても過言では無い選手がドイツから帰って来ました。ただ帰国しただけでなく、なでしこリーグに戻って来てくれたのです。しかも、元から所属したクラブに。
去る6月1日、浦和レッズレディースが移籍選手の記者会見を開きました。その選手の名前は安藤梢選手(以降、安藤選手と記載)。ご存じ無い方は、是非この記事を読んで知って下さい。


by @kozue_ando

出身は栃木県

  
安藤選手は栃木県宇都宮市の出身。1982年生まれで現在34歳。女子サッカーが一般的ではなかった時代でしたが、お父さんの影響で幼い時からサッカーに慣れ親しみます。
  
小学校6年生の時には、全国少女サッカー大会に出場し、チームは優勝、自身もMVPとなる等、既に女子サッカー選手として頭角を現していました。
  
中学校までは県内のクラブチームに所属してサッカーを続けます。チームには、後になでしこジャパンでもチームメイトとなる鮫島彩選手も所属していました。
  
高校は県下有数の進学校である栃木県立宇都宮女子高校に進学。高校のサッカー部に所属し、高校2年生の時に初めてA代表に選出される実力の持ち主でした。1999年の事です。
  
当時はまだ女子サッカー日本代表には”なでしこジャパン”という愛称は無い時代でした。A代表に初召集された1999年以降2015年までの17年間、安藤選手は連続して日本代表選手として活躍する事になりました。
  
高校卒業後は筑波大学に進学し、サッカー部に所属します。文武両道に優れた女子サッカー選手です。


by なでしこジャパンLOVE!!

浦和レッズレディースで開花

筑波大学生だった2002年、現在の浦和レッズレディースの前身であるさいたまレイナスFCに入団します。当時の女子サッカートップリーグであるLリーグに所属するクラブでした。入団初年度にLリーグの新人王に輝きます。
  
2004年にはクラブとして初のリーグ制覇を経験します。勿論安藤選手の活躍があっての成果で、自身も得点王と最優秀選手に輝きます。
  
2005年に、クラブは浦和レッズの下部組織に編入されて、名称は浦和レッドダイヤモンズレディース(通称浦和レッズレディース)に変わりました。
  
新体制になったクラブで、安藤選手は2006年にプロ契約して、正真正銘の女子プロサッカー選手になりました。
  
この時期の浦和レッズレディースには、安藤選手の他にも、山郷のぞみさん(GK)、柳田美幸さん(MF)、矢野喬子さん(DF)と言う合計4名のA代表選手が在籍していました。
  
正に黄金時代で、2009年には浦和レッズレディースになってから初めてなでしこリーグを制覇します。
  
安藤選手は2004年の優勝に続いて、自身二度目の得点王と最優秀選手に輝きます。クラブも個人も絶頂期と言っても過言ではない時代でした。 
  
筆者も駒場サッカースタジアムで安藤選手のプレイを何度も観戦した事がありますが、俊敏かつパワフルで、ピッチ上でひと際輝いて見えたのを想い出します。


by urawa-reds

日本サッカー協会の制度を活用してドイツへ

なでしこリーグで二度目の制覇を遂げた後、安藤選手はドイツのクラブに移籍し新たなサッカー人生を開始しました。2009年末の事です。
移籍先は女子ブンデスリーガのFCR2001デュースブルクというクラブでした。
「なでしこジャパン海外強化指定制度」という日本サッカー協会の制度を活用しての移籍でした。
  
この制度は、2011年のドイツワールドカップ、2012年のロンドンオリンピックにおいて、メダルや世界の頂点を目指す為に、なでしこジャパンの核となる選手達が世界のトップレベルのリーグに移籍・活動できる様に支援するというものでした。
  
当然だれでも利用できる訳ではなく、一定の力量と経験を必要としているのは言うまでもありません。安藤選手は問題無く選考条件に合致した選手だったのです。この制度は現在でも継続されています。
  

by uefa.com

日本人女子選手として三人目の快挙を経験

2013年に、FFCフランクフルトに移籍します。この移籍によって、安藤選手はプロサッカー選手として掛け替えの無い経験をする事になります。それはUEFA女子チャンピオンズリーグの優勝という快挙でした。
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男子サッカーのUEFAチャンピオンズリーグの女子版ですから、今年で言えばレアル・マドリードの優勝と同じ経験をしたという事になります。
しかも、決勝戦での優勝の瞬間に安藤選手はピッチ上にいたのですから、その感激はひとしおだった事でしょう。
  
日本人女子選手としては、大儀見優季選手、大滝麻未さんに次ぐ3人目の快挙を経験する事になったのです。日本人男子はまだ誰一人として経験した事の無い世界に、女子選手には3人もの経験者がいるのですから、凄い事ですよね!  
  
その後2015年末にSGSエッセンというクラブに移籍。そして、数々の大舞台を経験した安藤選手が、なでしこリーグに帰って来てくれたのです。

なでしこジャパンでの長年に亘る活躍

安藤選手がA代表に初選出されたのは1999年高校2年生の時。以来2015年まで17年間召集され続けて、通算127試合に出場し19得点を記録しています。文字通り大選手なんです。
  
オリンピックに三度出場してロンドンオリンピックでは銀メダルを獲得。FIFA女子ワールドカップにも三度出場し、優勝と準優勝を一度ずつ経験。  
  
引退した澤穂希さんらと共に、女子サッカー界を引っ張って来たレジェンドと言える選手なんです。
  
ドイツから復帰したのは古巣の浦和レッズレディース。ドイツに移籍する前の安藤選手在籍時代に優勝した2009年以降、なでしこリーグの優勝からは遠ざかっている浦和レッズレディースにとって、世界を知る安藤選手の経験力が求められています。
 
今年の夏には35歳になる安藤選手ですが、まだまだなでしこリーグのピッチで、その躍動するプレイを見せてくれる事でしょう。
  

安藤選手の事を知らなかった皆さん、安藤選手のプレイを観戦したくなりましたか?
是非なでしこリーグの実際のピッチで、世界を知る安藤選手の活躍する姿を観に行かれてみて下さい!
筆者としては、なでしこリーグのキングカズになって欲しいと願っています。

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