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激戦必至!W杯アジア最終予選突破の鍵を握る日本代表メンバーとスタメン考察

岩崎 充

2017/03/15 08:55

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NEWS

by JFA

今月23日から、ロシアW杯アジア最終予選の後半戦がついに始まります。
グループBに属する日本代表は現在2位につけているものの、初戦UAE相手に黒星、3戦目のイラクには薄氷の勝利(ロスタイムに劇的弾)など決して良いスタートではありませんでした。
また上位4チームが勝点1差の中にひしめく状態にあり、今回のアジア最終予選は最終節までもつれ込む激戦となることが予想されます。

グループB順位表:
1. サウジアラビア 勝点10 得失点差+4
2. 日本 勝点10 得失点差+3
3. オーストラリア 勝点9 得失点差+3
4. UAE 勝点9 得失点差+1
5. イラク 勝点3 得失点差-2
6. タイ 勝点1 得失点差-9
※上位2チームが本大会出場権獲得、3位はプレーオフへ

アジア最終予選日程:
3月23日 VS UAE(アウェイ)
3月28日 VS タイ(ホーム)
6月13日 VS イラク(アウェイ)
8月31日 VS オーストラリア(ホーム)
9月5日  VS サウジアラビア(アウェイ)

今週16日にはUAE戦及びタイ戦のメンバー発表を控えているハリルジャパン。
長年日本代表の主軸として活躍してきた本田・香川・長友らがクラブチームで出場機会が激減しているという状況もあり、今まで以上にハリルホジッチ監督のメンバー選考に注目が集まっています。

今回はそんな彼らに取って代わり、活躍を期待したい選手をポジション別にピックアップしました。

【GK】ビッグセーブ連発の大型GKに期待

by Jleague

川島が出場機会を失って以降、現在GKは手薄なポジションの1つであり弱点とも言えます。

現在正GKは浦和の西川が務めており、おそらく現時点でも監督のファーストチョイス。
西川の最大の武器はその精度の高いキックにあり、昨シーズンはJリーグで2試合連続アシストを記録するなど攻撃の起点として機能します。

しかし熾烈な最終予選では毎試合、おそらく1~2回は必ず決定的ピンチが訪れると想定され、これをいかに対処できるかがポイントになると思われます。
西川も浦和の守護神として安定したパフォーマンスを見せているものの、筆者としては西川を超える守護神の登場を期待したいと思います。

Jリーグで印象的なパフォーマンスを見せた選手としてG大阪の東口、そしてFC東京の林を挙げたいと思います。
しかし東口は直近の試合で好セーブの代償に頬骨を骨折、残念ながら離脱が決定しました。
一方、林は1節、2節ともに重要な場面でピンチを防ぐビッグセーブを見せ、3節は3失点を喫したものの林自身はこの日も好プレーを見せました。
また、代表でCBの一角を務める森重が同じFC東京のチームメイトということもありバックラインの連携にも不安なし。
身長195cmという大型GKの奮起にも期待したいところです。

【DF】4選手が揃ってクラブで好調を維持

by Daily Express

DFラインの中心となる吉田は、所属するサウサンプトンでスタメンを確保するとチームをEFLカップ決勝へ導く活躍。一気に評価を高めました。
吉田の次に実績のある森重もFC東京で安定した守備を披露しており、現時点ではCBはこの2名で固定されそうです。
ここに割って入る存在としては、今シーズン清水からG大阪へ移籍した三浦弦太選手にも期待します。
まだ22歳ながらスピード、空中戦、そしてフィード能力も長けており、3バックへシステム変更したG大阪で素晴らしいパフォーマンスを見せています。

SBは今シーズンからフランスのマルセイユへ移籍した酒井宏樹が右SBとしてチームに欠かせぬ存在となり、同じ右SBの酒井高徳は残留争いをするハンブルガーSVでキャプテンとして奮闘。
右SBのほかボランチでもプレーしており、彼がキャプテン就任後チームは上向くなどこちらもクラブで好調を維持。
現時点では右に酒井宏樹、逆サイドもこなす酒井高徳が左SBという配置が現実的ではないでしょうか。

【MF】主力のコンディションに懸念

by Jleague

長らくキャプテンとしてチームを牽引する長谷部は、33歳にして所属するフランクフルトでボランチ以外に3バックの中央でリベロとして覚醒。ドイツで”皇帝”の称号を得るなど今も代表の軸として不動の存在。
しかし先日の試合で左すねを負傷し途中交代、23日の試合に間に合うか微妙な状況に。
他にも同じボランチでプレーメーカーとしてプレーする浦和の柏木も負傷明け、さらに攻撃の中心として期待される清武も怪我により出遅れておりコンディションは万全とは言えない状態。
一方、香川は前節久しぶりにフル出場。アシストも記録し好評価を得たものの、こちらも23日・28日の2連戦をこなせるかは未だ懸念材料です。

中盤の相次ぐ離脱に巷では川崎の中村憲剛、東京の高萩といったプレーメーカーの名前が浮上しておりますが、筆者はMFにはもう一人のベテラン、G大阪の遠藤選手を挙げたいと思います。

日本代表キャップ152を誇る大ベテランは、37歳という年齢もありハリルジャパンにおいて招集は0回。
しかし所属するG大阪でのプレーに衰えは感じられず、得意のロングフィードやセットプレーでのアシストはもちろん、守備での貢献度も決して低くはありません。
相手のプレッシャーをいなすプレーやパス1本でチーム全体を落ち着かせるシーンも多く見られ、精神的な面でもチームに好影響を与えています。
ベテランならでは、そして遠藤ならではのプレーと経験は、厳しい最終予選を勝ち抜く上で大きなプラスになるのではないでしょうか?
唯一懸念は、過密日程のG大阪において出場し続けている点(G大阪の長谷川監督はターンオーバーを敷かないと公言)ですが、重要な局面でのピンポイント起用でも期待に応えてくれるはずです。

by The Japan Times

また清武が万全でない場合に備え切り札としてもう一人、ヘントの久保を推したいと思います。
1月にベルギーリーグへ移籍したばかりですが、出場7試合ですでに5ゴールを決める大活躍。そして先日は中盤からドリブルで4人を抜き去る圧巻のスーパーゴール(!)を決め評価はうなぎ上り。

久保は本来FWの選手、またハリルジャパンでは右サイドで起用されておりますが、ヘントでは主に1.5列目の位置でプレー。
クラブチームでのポジションにより近い位置での起用し、後方からゴールを強襲する形に期待したいところです。

【FW】大迫中心、かつ固め取りをできる布陣を

by WDR

以前こちらの記事で取り上げた日本代表のFW陣。

今もハイパフォーマンスを維持しているのは大迫で、所属するケルンで2月の月間MVPに選出されました。前述の久保のようなゴールラッシュはないものの、チームへの貢献度を考えるとワントップは大迫の起用がベスト。
鹿島で結果を残し続けている鈴木も面白い存在ではあるものの、現時点ではジョーカー的な存在に留まりそうです。

左サイドは最終予選4試合連続ゴール中の原口でほぼ決まりではないでしょうか。
また今シーズン、背番号10としてキャプテンとしてチームを牽引する横浜Fマリノスの斎藤も日本代表の切り札として期待が高まりますが、こちらも現在残念ながら負傷中。

残る右サイドは本田に代わる選手の起用となりますが、これまで監督は久保のほか川崎の小林を起用しています。
筆者はこのポジションには岡崎を推したいと思います。
所属するレスターは一時大不振に陥ったものの、監督解任をきっかけにチームは昨年のプレースタイルが復活。岡崎自身は未だゴールからは遠ざかっているものの、復活したレスターにおいて重要な選手として再度評価されています。

by Jleague

また以前少しだけ触れましたが、個人的には28日のタイ戦でのゴール数が予選突破のカギとなるのではと思っています。
(勝ち点が並んだ場合、得失点差で順位が決定)

この5試合で大量得点が狙えるのはタイ戦ですが、前回の対戦では2−0と2ゴールに留まりました。
黒星スタートの次の試合だったため、勝ったことの安心感からかあまりそこに言及するメディアは少なかったように思いますが、最終的な順位で勝ち点が並ぶ可能性は十分あり、得失点差を考慮するならばホームでのタイ戦は最低でも3点差をノルマとするべきです。
そして身長の低いタイ相手には、空中戦での勝負による固め取りをプランとして取り入れるべきではないでしょうか。
そのタイ戦の切り札候補には鳥栖の豊田。そしてG大阪で評価を上げた長身FW長沢と言った選手が挙げられます。

上記を踏まえ、最後にシステム別に個人的に希望するスタメンを挙げます。

4-2-3-1A

原口、岡崎というゴールだけでなく、運動量豊富な選手を両サイドに起用することで攻守のバランスと相手チームへ脅威を与えることが可能。
清武が万全であれば清武をトップ下、同じセレッソの山口のボランチ起用が現時点では現実的な構成。

4-2-3-1B⇒状況により4-4-2

1.5列目に久保を配置。流れの中で大迫と久保のポジションチェンジや2トップを形成することも可能。
清武が不調の場合はプレーメーカーとして遠藤(保)をボランチ起用、長谷部との名コンビでチームに安定感をもたらす。

ここに状況に応じて、斎藤、鈴木、豊田(長沢)と言った選手の途中投入を希望。

3−4−3(おまけ)

所属クラブ同様に、リベロ長谷部・アンカー遠藤を見たい&6−1で奇跡の大逆転を起こしたバルサにあやかった、完全に筆者の妄想システム。
ただハリルホジッチ監督のこれまでの事例を考えると3バックの導入はおそらくナシ、また同監督とバルサの嗜好するスタイルは大きく違うので実際は非現実ですね・・。

泣いても笑ってもアジア最終予選は残り5試合。
クラブチームで出場し続けているメンバーを中心に苦しい戦いを勝ち抜き、来年のロシア・ワールドカップへ連れて行ってもらいましょう!

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