ラ・リーガ1部のシーズンがクライマックスを迎えるなか、2部ではカディスが来季の昇格を決めた。12日に香川真司所属の3位サラゴサ(勝ち点62)がオビエドにホームで敗れたことで、自動昇格の条件である2位以内が確定。2005-06シーズン以来となる1部復帰を確定させた。
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スペイン南部、アンダルシア州に拠点を置くクラブにとっては、実に14年ぶりのトップリーグ復帰となる。2010-11シーズンからの6年間は3部で過ごしていたこともあり、会長をはじめとする関係者の喜びはひとしおだろう。もちろん選手たちも歓喜の雄叫びをあげたわけだが、34歳の元アルゼンチン代表MFが成し遂げたある偉業が大きな話題となっている。
アルゼンチンのスポーツ紙『オレ』が注目したのは、カディスの“25番”アウグスト・フェルナンデス。2018年1月までアトレティコ・マドリードに在籍したボランチは今年の6月25日にカディスと契約を結ぶと、その17日後に昇格を味わうこととなったのだ。その間に出場したのはわずか2試合。いずれも途中出場で、ピッチに立った時間は1時間にも満たなかった(出場時間は55分)。
一体なぜ、そのようなことが可能なのか? 実は、スペイン独自の補強ルールが今回の偉業をアシストした。スペインでは「選手が病気や負傷で5カ月以上の活動不能になる場合は、代わりの者を選手登録できる」という独自ルールがある。“代役”はスペイン国内でプレーする選手か、所属先のない選手に限られ、今年2月にはバルセロナがウスマン・デンベレの代役としてレガネスのFWマルティン・ブライスを獲得したことで日本でも話題になった。
そのローカルルールをカディスも活用。同クラブでは、6月中旬にDFルイスミ・ケサダが膝に重症を負い、その補填として新たな選手登録が認められた。そこで白羽の矢が立ったのが、昨年末に中国の北京人和を退団して以降フリーだったA・フェルナンデスだったというわけだ。
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— Augusto12Fernández (@augusto12f) June 25, 2020
なお今季終了までの短期契約を結んで加入したが、昇格決定時には1年の延長オプションが行使される。これでA・フェルナンデスも、来季は3シーズンぶりにラ・リーガ1部の舞台に立つことになる。“棚からぼたもち”とはまさにこのことを言うのだろう。
「この先、僕らに待ち受ける大きな挑戦をチームメイトと共に受け入れ、苦しみながらも楽しみたい」。今後の抱負をそう語ったベテランMFは来季どんなパフォーマンスを見せてくれるのか。昇格組カディスの戦いぶりにも注目したい。