今月11日に再開したリーガ・エスパニョーラ(ラ・リーガ)。レアル・マドリードは14日に行われる第28節で、乾貴士が所属するエイバルをホームに迎え撃つ。
ただ“ホーム”と言っても、普段とは会場が異なる。試合が行われるのは、レアル・マドリード・カスティージャ(Bチーム)がホームゲームで使用する「エスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ」。新型コロナウイルスの影響でリーグ戦が中断されたことを受け、サンティアゴ・ベルナベウの改修工事を前倒しで行った結果、残りの試合はトレーニング施設内にある同スタジアムで開催されることになった。
では、レアル・マドリードの“新本拠地”はどんなスタジアムなのだろうか。スペイン紙『マルカ』や『アス』がいくつかのトリビアを紹介している。
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— MARCA (@marca) May 14, 2020
1.史上100番目のスタジアム
あまりにも出来すぎた話かもしれないが、『アス』によると、ラ・リーガのゲームが開催される史上100番目のスタジアムになるという。創設以来91年を数えるラ・リーガでは、少なくとも1試合以上開催されたスタジアムが「99」あった。今回のエイバル戦で記念すべき“100番目”を達成する。なおレバンテも本拠地を改修中のため、3部に在籍するラ・ヌシアの本拠地「カミーロ・カノ」を仮のホームとするが、彼らのホームゲームは翌節(第29節)に行われる。
2.スタジアム名の由来
スタジアム名はレアル史上最高の選手の一人とされるアルフレド・ディ・ステファノ(1953年から1964年まで在籍)に由来。同氏は現役引退後に監督としてレアルを2度率い、2000年から2014年に亡くなるまではクラブの名誉会長も務めた。スタジアムの入り口には「ブロンドの矢」の愛称で親しまれた同氏の銅像も設置されている。
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— EL MUNDO (@elmundoes) June 8, 2020
3.ピッチの広さや芝生はベルナベウと同じ
収容人数は6000人。サンティアゴ・ベルナベウ(収容8万1044人)の10分の1以下と、かなりコンパクトな作りになっている。ただラ・リーガはしばらく無観客で開催されることが決まっているため、規模の違いはさほど問題にならないだろう。ピッチの広さ(105m×68m)はサンティアゴ・ベルナベウと変わらず、芝生も同じタイプのものが使用されているため、選手たちは違和感なくプレーできるはずだ。
4.初の得点者はS・ラモス
こけら落としとなるゲームが行われたのは2006年5月9日。スタッド・ランスを招いて親善試合が行われた。記念すべき初ゴールを奪ったのは、セルヒオ・ラモス。当時20歳のDFは左足で先制点を奪った。またこの試合は、同年夏に現役を退いたジネディーヌ・ジダンのレアルでの“ラストマッチ”としても知られている。スタメンには豪華メンバーが名を連ね、イケル・カシージャス、ロベルト・カルロス、グティ、デイヴィッド・ベッカム、ラウール・ゴンサレスらがピッチに立った。
5.150試合以上のプレー歴あり
もちろん、下部組織出身の選手たちにとってもお馴染みのスタジアムだ。ナチョ、ルーカス・バスケス、ダニエル・カルバハル、マリアーノ・ディアス、カゼミーロ、フェデリコ・バルベルデは、Bチーム時代に計150以上の公式戦をここで経験。ヴィニシス・ジュニオールとロドリゴの若手ブラジル人コンビも、レアル加入直後にBチームの選手として「エスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ」のピッチに立った。ジダン監督もトップチームの指揮官に抜擢されるまでBチームを率いていたため、勝手知ったるグラウンドだと言える。
6.最多得点選手は?
『マルカ』によると、上記選手たちのうち、「エスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ」で最も多くのゴールを決めているのはマリアーノだという。Bチーム在籍時に公式戦22ゴールをマーク。これはアルバロ・モラタ(現アトレティコ・マドリード)の27ゴール、ホセル(現アラベス)の24ゴールに次いで、歴代3位の記録になるそうだ。再開後は相性の良さを発揮して、ゴール量産となるか。
7.エイバルにとっても縁起の良いスタジアム
実はエイバルにとっても、縁起の良いスタジアムとして知られている。ラ・リーガ2部に在籍していた2013-14シーズンの終盤に、レアル・マドリード・カステージャと対戦。「エスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ」で行われたゲームを1-0で制し、その後クラブ史上初の1部昇格を成し遂げた。乾をはじめ、今のチームに当時の試合を経験したメンバーはいないが、同スタジアムでの戦績は1戦1勝と勝率100%を誇る。サンティアゴ・ベルナベウでは過去6戦して1分け5敗と勝ち星に恵まれていないだけに、レアルとのアウェイ戦初白星へ期待はふくらむ。