日本サッカー協会は本日、ハリルホジッチ監督を解任。後任は西野技術委員長となることを発表した。
La JFA anuncia que Akira Nishino es el nuevo seleccionador japonés. #Daihyo #VamosJapón pic.twitter.com/8bktvJ9a59
— Selección Japonesa (@SeleccionJapon) 2018年4月9日
ワールドカップまで2ヶ月となったこのタイミングでの解任劇。この判断は果たして正しいものなのだろうか。
本番に強い監督を本番直前に解任
個人的にはハリルホジッチ体制でワールドカップにチャレンジできなかったのは大変残念であり、4年間を無駄にしてしまったと言わざるを得ない。
2014年、ワールドカップ本番での経験不足を露呈したザッケローニ体制での反省を踏まえ、日本サッカー協会は経験豊富な監督を招聘するという決断をした。
後任のアギーレ氏(八百長問題で2015年に解任)、そしてハリルホジッチ氏ともにこの条件は満たしており、また理想を求めたザッケローニ氏に対してより現実的な戦い方をする両氏は、カウンタースタイルが主流となった2014年大会のトレンドに照らし合わせても問題のない人選だった。
さらにハリルホジッチ氏に関して言えば、アルジェリア監督時代も批判を受けることが多い中、同チームをW杯グループリーグ突破に導き周囲を黙らせた。
本番に強いであろう同氏を本番直前に解任するという決断は、最悪に近いジャッジではないだろうか。
失われた選手との信頼関係
日本サッカー協会は解任の理由について、「様々なことを総合的に判断した決断」と説明。一方で「マリ戦・ウクライナ戦後のコミュニケーションで選手との信頼関係が多少失われてきた」とも話しており、個人的にはこの部分が大きかったのではと推測する。
マリ戦とウクライナ戦後、長谷部の試合後インタビューを覚えているだろうか。発言の合間に何度か微妙な笑みを浮かべていたキャプテンの姿に違和感を覚えたのだが、今思えばあの笑みはキャプテンとして諦めに近い感情から出たものだったのかもしれない。
2010年、不振が続いた日本代表は選手が岡田監督にプラン変更を直訴。本番直前で方向転換を行い見事グループステージ突破を果たした事例がある。その時の当事者、長谷部をもってしても埋まらない溝があったのだろうか。
確かにこのまま溝が埋まらず、内紛状態のまま本番に迎えるという最悪のケースを回避したという見方もできる。
また2010年のように守備的な戦い方に切り替えれば、今からでもグループステージ突破はもしかしたら果たせるかもしれない(8年前よりだいぶ可能性は低いが)。
ただそれで今回ベスト16に残ったところで、日本サッカーが得るものはもはや何もない。
残り2ヶ月、さらに5月30日まで試合の無い日本代表に残された課題はあまりにも大きいが「マイアミの奇跡」の立役者、西野監督が再度奇跡を起こしてくれることを祈るしかない。