ドイツが誇るスーパースターのルーカス・ポドルスキ本格加入から早や2ヶ月。加入直後からマスコミの熱狂ぶりは激しく、Jリーグもシーズン中盤ながら大きな盛り上がりを見せた。
しかし、そんな華々しいニュースがありながらもこの2ヶ月の間、ヴィッセル神戸は非常に苦しんでいた。
昨年2016シーズン2ndステージ2位、年間7位とチーム発足以来最高の成績を残した勢いそのままに、2017年はシーズン開幕から4連勝。格上クラブにも全く臆さない闘いで、今季のJの台風の目になる可能性があった中、8月は特に苦しんでいた印象がある。
今回の記事では、改めてこの2ヶ月のヴィッセルの足取りを見ていきたい。
ポドルスキを活かしにくいチームの試合運び
公式戦デビューとなった第19節の大宮戦は完璧であった。確かな実力に裏付けられた2ゴールという結果を受けて、チームは確かな手応えを感じたであろう。
そこから8月末まで公式戦は柏、鹿島、FC東京、横浜FM、磐田とリーグ上位との試合が続いた。ここでの結果は以下の通り。
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【リーグ公式戦】
第20節 柏vs神戸(●3-1)
第21節 神戸vs鹿島(●1-2)
第22節 FC東京vs神戸(●1-0)※ネルシーニョ前監督解任
第23節 神戸vs横浜FM(△0-0)※吉田孝行暫定監督就任
第24節 磐田vs神戸(●2-1)
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これらの試合で見えたヴィッセル不調の特徴は、下記の点で無いかと考えた。
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【チーム不調の分析】
①攻撃力がある上位チームを相手にした場合、ヴィッセルはより守備に重点を置かざるを得なくなり、全体的なラインは下がり気味となり攻めあぐねている印象。
②それに伴って、パスを受けたいポドルスキのラインもズルズルと下がってしまい最前線でパスを受けて点を決めるポドルスキの長所が埋もれてしまう。
③ポドルスキと渡邉が前線でタメを張れる選手なのだが、フォワードとして動かすのか、トップ下もしくはサイドでゲームを作らせるのかが名確に定まっていない。
④ポドルスキ、渡邉、小川のアタッカー陣がパサー不在なため攻撃に専念できない状況。これまではニウトンが中盤の底から多くの起点を生んでいたが、この1ヶ月は不調からスタメンから外れる機会も増え中盤にメリハリが無くなっている。
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光が見えたガンバ大阪3連戦
その中で大きな転換が見えたのが、8月末より始まったガンバ大阪との3連戦である。ルヴァンカップと公式戦の日程の関係で8/30(水)、9/3(日)、9/9(土)という短期間で同チームとの3連戦が組まれる事態となった。
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【ガンバ大阪3連戦 結果】
8/30(水)ルヴァンカップ準々決勝 第1戦(△0-0)
9/3(日) ルヴァンカップ準々決勝 第2戦(●2-0)
9/9(土) J1リーグ第25節 (◯1-2)
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8/16付でネルシーニョ前監督が解任となり、ヘッドコーチであった吉田孝行氏が暫定監督として指揮を取ってから、5戦目でようやく初勝利を飾ることとなった。
ルヴァンカップでは8月の不振をまだ引きずっている印象があったが、アウェイに乗り込んだJ公式戦ではこれまでと同じチームとは思えないくらいの強さがあった。
まず、圧倒的にポドルスキの運動量が増えていたことである。
場面によって、最前線のストライカー・中盤の司令塔・両サイドハーフと全てにおいてハードワークを行い八面六臂の活躍。
そしてポドルスキが相手をひきつけて離れたエリアに、渡邉、小川、大森が入り込むことでゴールに近づく。
この試合で、神戸が誇るJ屈指の攻撃陣の最良の形が見れたと感じた。
シーズン終盤に向けて
改めて攻撃陣のパワーはJ屈指であることは確認できた。助っ人であるポドルスキも欧州シーズンの終了明けに加入した関係もあり、Jリーグ順応に時間がかかったがようやくフィットしてきた印象もある。
タイトルは天皇杯、来季に向けてはACL進出の可能性が残っている。
代表選手不在だが実力者揃いのこのチームにおいて約束事がしっかりと決まれば攻撃に不安はない。守備においても藤田直之、高橋秀人、岩波拓也の怪我による不在は大きかったが彼らもしっかりと復調している。
シーズン終盤は来季に向けた精度を高めていけるように、吉田体制のヴィッセル神戸に期待をしたいと思う。
今日のホーム札幌戦は #田中順也 選手、#渡部博文 選手のゴールで2-0で勝利してリーグ戦連勝!雨の中での試合でしたが今日も最後まで熱い応援を本当にありがとうございました!https://t.co/8VJgnWXClV #vissel #神戸vs札幌 #神戸勝利 #Jリーグ pic.twitter.com/Gyen4ragWd
— ヴィッセル神戸 (@vissel_kobe) 2017年9月16日