by theguadian
先日3月1日に行われたACL(アジアチャンピオンズリーグ)第2節、川崎フロンターレはアウェイで香港のイースタンSC(東方)と対戦。
試合は川崎が2名の退場者を出したこともあり1-1という結果に終わりましたが、この試合はイースタンにとっては歴史的な勝ち点1を獲得した日となりました。
女性監督が率いるクラブチームとしても注目を集めているイースタン。今回は香港リーグ所属のこのクラブチームをご紹介します。
元イングランド代表も所属した歴史あるクラブ
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クラブチームの設立は1932年と長い歴史を誇り、1955-56シーズンにリーグ初優勝。
1982-1983シーズンには、イングランド史上最高のDFと呼ばれ、1966年W杯にキャプテンとしてチームの優勝に貢献したボビー・ムーア氏が監督としてチームに就任。翌シーズンにはアーセナルやイングランド代表で長年活躍し、ムーア氏と同様W杯優勝メンバーでもある名MF、アラン・ボールが選手として加入しました。
また、1992-1993シーズンでは1部リーグのファーストラウンドで怒涛の9連勝、しかも失点ゼロという脅威の記録を叩き出します。
その時のチームは3ゼロ(引分0、負け0、失点0)チームと呼ばれ、その後1993-1994、1994-1995シーズンも優勝を飾り、イースタンは3連覇を成し遂げました。
そして2015-2016シーズン、4勝1分けと首位を走っていたチームですが、突如監督が中国のチームへと移籍してしまいます。
しかしコーチから昇格したチャン・ユェンティン監督の元、チームはその後10試合で8勝1分1敗という成績を残し、最終節を待たずに21年ぶりのリーグ優勝。
監督自身も、男子トップリーグでチームを優勝へ導いた初めての女性監督としてその名を刻み話題となりました。
多国籍軍をまとめるコミュニケーション能力と分析力
チャン・ユェンティン監督は現在28歳。ベッカムに憧れて13歳からサッカーを始めます。
女子のアマチュアクラブや香港代表でもプレー。大学卒業後、ペガサスFCでのデータ分析が彼女の最初の仕事でした。
その後アシスタントコーチを経て2015年の夏にイースタンのコーチに就任すると、前述の通り同年12月には監督へ昇格。
2016年、アジアサッカー連盟により女子最優秀監督賞に選出、さらにBBCによる『世界で影響力のある女性100人』にも選出されました。
自ら「自分の特徴はコミュニケーション」と謳っており、様々な年代・国籍の選手が在籍するチームをまとめる手腕は高く評価されています。
ちなみに川崎戦ではチケット難民となった川崎サポーターに対して、監督が自費でファンクラブ向けのチケットを買い上げ、彼らに無料で配布したことも話題となりました。
チームの軸は多国籍外国人
それでは最後にイースタンSCの主力メンバーを見てみましょう。
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ヤ・フンファイ(26歳)
ポジション:ゴールキーパー
チームのキャプテンだけでなく、香港代表でもキャプテンを務める精神的支柱。
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ロバートジュニア(愛称ベト)(32歳)
ポジション:センターバック、ディフェンシブハーフ
サンパウロ出身、ブラジルと香港の2重国籍を持ち香港代表にも招集。
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ディエゴ・エリ(28歳)
ポジション:セントラルハーフ、ディフェンシブハーフ
イースタン在籍4年目、攻守の要となるブラジル人MF。
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ジェイムス・マッキー(29歳)
ポジション:センターフォワード、ウィング、サイドハーフ
英国出身、2005年に香港にてプロデビューした香港代表FW。
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マヌエル・ブレダ(26歳)
ポジション:センターフォワード
ゴールに必要な素質を全て備える生粋のスペイン人ストライカー。
他にもオーストラリア人DFミッチェル、クロアチアMFサリッチなど、各ポジションの軸に外国人選手がズラリ。年齢も中堅からベテランを揃えています。
ちなみにチームは、今シーズンも香港プレミアリーグで12勝3敗0分(3月6日時点)で首位。昨シーズンの優勝がフロックでなかったことを証明しています。
久しぶりの日本チームの優勝へ期待高まる今シーズンのACLですが、この香港の強豪クラブにも是非注目してみてはいかがでしょうか?