クラブW杯で来日!南米王者アトレティコ・ナシオナルってどんなクラブ?後編

早いもので日本開催のクラブワールドカップが目前に迫ってきました。今回の記事でも、以前取り上げた南米王者クラブ・アトレティコ・ナシオナル(コロンビア)について、コパ・リベルタドーレスの勝ち上がりと主な注目選手を紹介していきたいと思います。

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南米を制した堅守と圧倒的攻撃力

アトレティコ・ナシオナルは、今シーズンの南米最強クラブ決定戦コパ・リベルタドーレスにおいて、内容、結果ともにベストチームだったと思います。特に選手層の厚さと駒の豊富さがレイナウド・ルエダ監督の戦術的な選択肢を広げてくれていたことは間違いありません。

このメデジンのクラブは、ウラカン(アルゼンチン)、ペニャロール(ウルグアイ)、スポルティング・クリスタル(ペルー)と同居したグループリーグを5勝1分けの12得点無失点で堂々のトップ通過を果たし、これが全体でもトップの成績だったためにシード順位でも1位を獲得しました。しかし決勝トーナメント以降はギリギリの試合展開を強いられることも多くなり、ウラカンとの再戦となった決勝トーナメント1回戦では、敵地での1stレグをスコアレスドローで切り抜けるとホームに帰ってきたリターンマッチでは一転して撃ち合いを演じて4-2で勝利しました。

続いて同じくアルゼンチンの名門であるロサリオ・セントラルと対戦した準々決勝が結果的に最大の山場となりました。コロンビアのチームは敵地ロサリオに乗り込んでの1stレグを、開始早々の失点を取り返すことができずに落としてしまい、今大会初黒星を喫してしまいました。メデジンでの再戦でもやや不運な判定からPKで先制点を奪われてしまい、アウェーゴールの関係もあって残り時間で3点が必要な崖っぷちまで追い込まれてしまいます。しかしこの追い込まれた場面から驚異的な粘りを見せ、前半のアディショナルタイムにコロンビア代表にも選ばれているマクネリー・トーレス選手がゴールを決めて1点を返すと後半開始早々にはベネズエラ代表のアレハンドロ・ゲーラ選手のゴールで2試合合計スコアをタイに戻しました。このままだと敗退となるため、ルエダ監督は攻撃的な選手を次々に投入してさらに攻勢を強めたものの、なかなか勝ち越しゴールを奪えないまま時間だけが過ぎていきました。しかし後半アディショナルタイムに左サイドからのクロスの流れからオルランド・ベリオ選手が右足で合わせて土壇場で勝ち越しに成功。この後に乱闘が起こり両軍合わせて退場者が4人も出るという事態もありながら、なんとか逆転勝利を収めました。

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準々決勝で劇的な勝利を見せたアトレティコ・ナシオナルは、準決勝でブラジルの名門サンパウロに2連勝すると決勝では1stレグこそ敵地で引き分けたものの、ホームではスコアこそ1-0ながら相手のインデペンディエンテ・デル・バジェ(エクアドル)にほとんどチャンスを作らせない完勝で27年ぶりの南米王者に輝きました。

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注目選手

このコロンビアの名門で特に注目すべき選手は3人!少し長くなってしまいますが、ここからは注目すべき3人について簡単に紹介したいと思います。

FWミゲル・アンヘル・ボルハ

まず紹介するのは準決勝、決勝の4試合で5ゴールを奪ったFWミゲル・アンヘル・ボルハ選手です。

ボルハ選手は、今夏のリオデジャネイロ五輪のコロンビア代表に名を連ねていて、日本代表との試合でもスターティングメンバーとしてピッチに立っています。彼の最大の売りはもちろん、そのシュート決定力でしょう。彼がメデジンにやってきたのは今シーズンのコパ・リベルタドーレス準決勝サンパウロ戦の直前の中断期間でしたが、瞬く間にチームにフィット。準決勝でブラジルのクラブを2戦合計4-1で下した試合において全4ゴールを1人で叩き出しました。

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MFマクネリー・トーレス

続いて紹介するのが、コロンビア代表としても活躍するMFマクネリー・トーレス選手です。トーレス選手は現在クラブで背番号10を背負い、中盤で司令塔として活躍しています。日本代表とも対戦した2014年のブラジルワールドカップの代表には招集されませんでしたが、今年に入ってからも2018年ロシアワールドカップに向けた南米予選のメンバーに名を連ねています。正確無比なキックが武器で、ベテランらしい落ち着き払ったプレーで攻撃に彩りを加えています。

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FWオルランド・ベリオ

そして最後に紹介するのは、重要な局面でゴールを奪い南米制覇に大きく貢献したFWオルランド・ベリオ選手です。

ベリオ選手は、ウイングや2列目で起用されることが多く、ドリブル突破や強烈なミドルシュートなどで攻撃の幅を広げています。また、準々決勝では終了間際の劇的な逆転ゴールを奪い、決勝でも先制ゴールを奪うなど、得点が必要な場面でしっかり得点を奪う勝負強さも魅力です。クラブワールドカップでもその勝負強さをいかんなく発揮してくれることに期待です。

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ここで紹介した3選手以外にも、リオ五輪のコロンビア代表で守護神を任されたGKクリスティアン・ボニージャ選手や同じくリオ五輪コロンビア代表のDFフェリペ・アギラール選手、今夏のコパ・アメリカ・センテナリオ2016のベネズエラ代表MFアレハンドロ・ゲーラ選手など、紹介したい選手はたくさんいるのですが、長くなりすぎてしまうので泣く泣く割愛させていただきます。

コパ・リベルタドーレスを制したメンバーからも既にMFセバスティアン・ペレス(ボカ・ジュニオルス/アルゼンチン)選手、DFダヴィンソン・サンチェス(アヤックス/オランダ)選手、FWマルロス・モレノ(マンチェスター・シティ/イングランド→2016/17シーズンはデポルティーボ・ラ・コルーニャ/スペインにレンタル移籍)選手など複数の選手が引き抜かれたものの、その後も穴を埋める選手が続々と台頭してきており、現在行われているコパ・スダメリカーナの決勝にも駒を進めるなど、充実の一途をたどるアトレティコ・ナシオナル。日本でのクラブワールドカップでもその実力を発揮して大暴れしてくれることに期待しましょう。

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