バロンドール2016を予想する

10月24日にバロンドール2016の候補者30名が、11月4日にFIFAベスト・メンズプレイヤー2016発表されました。FIFAは2010年に「FIFA最優秀選手賞」とフランス・フットボール誌が選定する「バロンドール」を統合し、「FIFAバロンドール」として6年間発表してきましたが、先日、両者の契約延長交渉が決裂。FIFAは新たにベスト・メンズプレイヤー2016として再スタートを切ることとなりました。
バロンドールは、1956年にフランスのサッカー専門誌「フランス・フットボール」が創設したヨーロッパの年間最優秀選手に贈られる賞です。フランス語で「黄金の球」という意味で、受賞者には金色のサッカーボールを模したトロフィーが贈られてきました。一方のFIFA最優秀選手賞は、国際サッカー連盟が1991年に創設したサッカーの世界年間最優秀選手に贈られる賞で、FIFA加盟各国の代表チームの監督と主将による投票で決定されてきました。

バロンドール2016候補者+FIFAベスト・メンズプレイヤー2016候補者


https://twitter.com/FIFAcom/status/794527731069358080

GK

ウーゴ・ロリス(トッテナム、フランス代表、29歳、左利き)※
マヌエル・ノイアー(バイエルン、ドイツ代表、30歳)
ジャンルイージ・ブッフォン(ユヴェントス、イタリア代表、38歳)
ルイ・パトリシオ(スポルティング・リスボン、ポルトガル代表、28歳、左利き)※

DF

セルヒオ・ラモス(レアル・マドリー、スペイン代表、30歳)
ペペ(レアル・マドリー、ポルトガル代表、33歳)※
ディエゴ・ゴディン(アトレティコ・マドリー、ウルグアイ代表、30歳)※

MF

アンドレス・イニエスタ(バルセロナ、スペイン代表、32歳)
トーニ・クロース(レアル・マドリー、ドイツ代表、26歳)
ルカ・モドリッチ(レアル・マドリー、クロアチア代表、31歳)
コケ(アトレティコ・マドリー、スペイン代表、24歳)※
エンゴロ・カンテ(チェルシー、フランス代表、25歳)※※
ケヴィン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ、ベルギー代表、25歳)
ポール・ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド、フランス代表、23歳)
ディミトリ・パイェット(ウェストハム、フランス代表、29歳)
メスト・エジル(アーセナル、ドイツ代表、28歳、左利き)※※
アルトゥロ・ビダル(バイエルン、チリ代表、29歳)※

FW

リオネル・メッシ(バルセロナ、アルゼンチン代表、29歳、左利き)
ルイス・スアレス(バルセロナ、ウルグアイ代表、29歳)
ネイマール(バルセロナ、ブラジル代表、24歳)
ギャレス・ベイル(レアル・マドリー、ウェールズ代表、27歳、左利き)
クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリー、ポルトガル代表、31歳)
アントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリー、フランス代表、25歳、左利き)
リヤド・マフレズ(レスター、アルジェリア代表、25歳、左利き)
ジェイミー・ヴァーディ(レスター、イングランド代表、29歳)
セルヒオ・アグエロ(マンチェスター・シティ、アルゼンチン代表、28歳)
ズラタン・イブラヒモヴィッチ(マンチェスター・ユナイテッド、スウェーデン代表、35歳)
アレクシス・サンチェス(アーセナル、チリ代表、27歳)※※
ロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン、ポーランド代表、28歳)
トーマス・ミュラー(バイエルン、ドイツ代表、27歳)※
ピエール・オーバメヤング(ドルトムント、ガボン代表、27歳)※
ゴンサロ・イグアイン(ユヴェントス、アルゼンチン代表、28歳)※
パオロ・ディバラ(ユヴェントス、アルゼンチン、22歳、左利き)※

※はバロンドール2016のみにノミネートされ、FIFAベスト・メンズプレイヤー2016にはノミネートされていない選手、反対に※※はFIFAベスト・メンズプレイヤー2016のみにノミネートされ、バロンドール2016にはノミネートされていない選手です。

それでは12月に発表される最終3名のノミネートと、さらにその中から賞レースを勝ち取る選手を予想したいと思います。

次ページ:まずはやはりあの選手か

リオネル・メッシ

2大スター選手の1人。今年も最終3名にノミネートされることは間違いないでしょう。しかし気がかりなのは昨年に引き続きコパ・アメリカで優勝できなかった点です。ともあれここ10年近くサッカー界を引っ張っている存在です。
そんな若くしてバルセロナの絶対的な存在となり、数々の賞レースを制してきたメッシですが、初めてバロンドールの最終審査まで進んだのは2007年(3位)です。この次の年からクリスティアーノ・ロナウドとメッシによる一騎打ちの形となるのですが、この時のメッシはなんと20歳です。今年バロンドールにノミネートされている選手たちの平均年齢が28.2歳(GK:31.3歳、DF:31.0歳、MF:27.2歳、FW:27.6歳)であることからも際立っているでしょう。最年少のディバラでさえも22歳で、3名に選ばれる可能性は限りなく低いと言わざるを得ません。もちろん彼の技術が素晴らしいことは言うまでもありませんが、今回は外部的要因について簡単に触れておきましょう。

FCバルセロナのブランド力

当然ながらサッカーはチームスポーツであり、チームの成績や相性から個人のプレーを切り離して評価することは非常に困難であります。では彼が所属するバルセロナというチームはどうでしょうか。サッカーを知らない人でさえほとんどが知っている世界のビッグクラブでありますが、昔から常に世界のトップクラスを維持していたわけではありません。

フェラン・ソリアーノ(2003〜2008年FCバルセロナ最高責任者)著の『ゴールは偶然の産物ではない FCバルセロナ流 世界最強マネジメント』によると、彼が2003年に最高責任者に就任した際には、巨額負債を抱え、チームの成績も思わしくありませんでした。しかし「全世界におけるクラブ以上の存在」という理念を抱え、オランダ人のライカールトを監督に迎え、さらにロナウジーニョが加入すると、興奮を与え巧みな試合運びで勝利するチームへと生まれ変わりました。

筆者は小学校に入学した年に2002年日韓ワールドカップが開催されたのですが、そこで活躍しブラジル代表の優勝に貢献したロナウジーニョのプレーに感化され、その後バルサのファンへとなりました。筆者と同様の経験をした方も多くいらっしゃるでしょう。その後ライカールト監督時代は全てを勝ち取った後に低迷し、監督交代へと繋がるのですが、これがサッカー界に多大なる影響を与えることになりました。

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グアルディオラやトゥヘルが信奉するポジションプレーとは何か

ライカールト解任後にバルセロナの監督に就任したのはペップ・グアルディオラ(現マンチェスター・シティ監督)でした。ヨハン・クライフが監督を務めたバルセロナの“ドリームチーム”で“4番”のポジション(ピボーテ、つまりアンカーのポジション)に抜擢された、バルセロナのDNAを受け継いでいる人物。そんなペップが導入した戦術が、とにかくボールを保持すること、ポジショニングで優位性を得ること、ボールを失ったらすぐに奪い返すことです。そしてさらにメッシのための戦術を編み出しました。“偽9番”、すなわち中盤の選手とともにゲームメイクをしつつ、ライン間(DFラインとMFラインの間)をメッシが支配するというものです。
グアルディオラとメッシの出会いを抜きにここ10年のサッカーを語ることはできないですし、あれだけ早くメッシが世界最高のプレーヤーとなれたのはバルサのブランドとともに語られるべきです。

【こぼれ話】カルロス・レシャックとリオネル・メッシ、、、と遠藤保仁

知っている方もいるかと思いますが、メッシがバルセロナに入団した時のエピソードは有名です。人生の転機となったのは、13歳の時に受験し合格したバルセロナの入団テスト。当時の監督カルロス・レシャックは彼のプレーを一目見ただけでその小さな身体に驚くべき才能と将来性が宿っていることを悟り、すぐさま合格を決めたそうです。FCバルセロナは家族揃ってのバルセロナへの移住を条件に治療費を全額負担することを約束し、家族もこれを快諾しました。その時レシャックは、『彼は天才だ。紙ナプキンでも、なんでもいいからサインさせろ』と言ったというエピソードがあります。
そんなレシャックですが、横浜フリューゲルスの監督を務めていた際に、ルーキーの遠藤保仁選手の才能を見出しました。このことは彼の自伝の『自然体』などで読むことができます。

クリスティアーノ・ロナウド

https://twitter.com/Cristiano/status/793551683360059392

メッシと並び、世界最高の選手と名高いロナウド。UEFAチャンピオンズリーグとEURO2016を制覇したことで、今年の最有力候補と言えるでしょう。当然数多くのゴールを決め、ストイックな性格で練習熱心なところなど、素晴らしい選手であることは間違いありませんが、ルックスに優れ多くの広告塔となっている点も個人賞へ少なからず影響があるでしょう。
もう一度言いますが今年の最大の候補です。

次ページ:3人目は誰か?さらに筆者の考えるベストイレブン

3人目は誰か?

それでは彼ら2人に続くのは誰か。昨年はUEFAチャンピオンズリーグなどを制したバルセロナからネイマールでした。また一昨年はFIFAワールドカップをドイツ代表で制したノイアーでした。候補を何人か挙げていきたいと思います。

MSNのS(スアレス)とN(ネイマール)

https://twitter.com/neymarjr/status/795329816098721792

やはりこの2人は外せません。昨年も3人にノミネートされたネイマールですが、クリスティアーノ・ロナウドをナイキ社の広告塔から引きずり下ろす勢いです。ただしチームの成績が今一つであるので今回は違う人物だと思われます。
スアレスもセンターフォワードとして最高峰のプレーヤーですが、ノミネートは難しいでしょう。

ミラクルレスターからヴァーディー、マフレズ、カンテ

残念ながらカンテはFIFAベスト・メンズプレイヤー2016のみでのノミネートとなっていますが、彼らが最終3名に選ばれる可能性は十分にあると思います。それだけレスターの躍進はサッカー界に強烈なインパクトを残しました。この中で一番可能性が高いのはヴァーディーだと思います。

UEFAチャンピオンズリーグ優勝のレアル・マドリーからベイル、モドリッチ、クロース、ぺぺ

https://twitter.com/realmadridjapan/status/790704435018117120

UCL制覇のレアル・マドリーの選手たちには十分な可能性があると思います。ベイルはEURO2016でウェールズ代表の中心として健闘しましたし、ぺぺはクリスティアーノ・ロナウドと同様にポルトガル代表でEURO2016を優勝しています。また近年MFの選手が選出されていないので、モドリッチとクロースにも期待です。

シメオネ監督のアトレティコ・マドリーからグリーズマン

https://twitter.com/AntoGriezmann/status/791254148750729216

バルセロナやレアル・マドリー、その他のビッグクラブと比較して経営規模が小さいアトレティコが3シーズンで2度UEFAチャンピオンズリーグを準優勝しているのは快挙としか言いようがありません。シメオネ監督を中心によくオーガナイズされた素晴らしいチームですが、グリーズマンは3人目のノミネートとして大本命と言っても過言ではないでしょう。

ベストイレブンを決めてみよう

最後に以上の選手たちからベストイレブンを独断で選出したいと思います。DFが3選手しかおらず、サイドバックの選手が0のため必然的に3バックとなります。またFWの選手が多いので、センターフォワード、セカンドストライカー、両ウイングという形でバランスをとります。また、すでにバロンドールで最終の3人にノミネートされたことのある選手は除いてベストイレブンを組みます。すなわち、ジャンルイージ・ブッフォン(2006:2位)、クリスティアーノ・ロナウド(2008、2013、2014、2007:2位、2009:2位、2011:2位、2012:2位、2015:2位)、リオネル・メッシ(2009、2010、2011、2012、2015、2007:3位、2008:2位、2013:2位、2014:2位)、アンドレス・イニエスタ(2010:2位、2012:3位)、マヌエル・ノイアー(2014:3位)、ネイマール(2015:3位)を除いて考えます。このメンバーを入れてしまうと毎年似たような感じになってしまうので。チャンピオンズリーグ、リーグ戦、EURO 2016の結果を見ながら考えました。皆さんもオリジナルのベストイレブンを考えてみてください。

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エジルではなくてカンテにしておけばもっと守備のバランスが良いのにと画像を作り終えてから若干後悔しています。ただ全体的に個人的な評価が高い選手をバランス良く配置できたと思っています。

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