インド、フィリピン、ラオスなどでプレー
アルバニアを離れた後、中村選手は、インド、フィリピン、ラオスなどでプレーされました。これらの中で印象に残っている国、ここの国はすごかったなという国はありますか?
そうですね。全部がすごい印象はありますね。インドは生活とか文化的に衝撃を受けましたし、アメリカに行ったときにはフィジカルサッカーに衝撃を受けました。サッカー発展途上国だったフィリピンでも学ぶことはありましたし、ラオスも発展しているチームの中に入ったことで、(ラオスサッカーが)成長していく過程を見られたことが面白かったなと思います。ラオスはチーム自体も発展していて、スタジアムも僕が行ったときに建築されていました。(新設されたスタジアムの)こけら落としでブラジル代表と試合をしました。(相手が)引退した選手と現役選手半分くらいだったんですけど、すごい衝撃を受けましたね。
元名古屋グランパスのエリベウトンや元FC東京のケリー、元チェルシーのミネイロらがいました。
みんな半歩、一歩の体重の乗せかたとか、細かい部分を見ている選手達だったので、ちょっと身体を動かすだけで裏を取られてしまいました。ほんの少し体重を乗せるだけでスッと抜かれちゃうので、すごい勉強にさせてもらった試合でしたね。「個の能力」の違いやボールの持ち方であったりとね。11人対11人の試合なんですけど、個々の勝負といったものはレベルが高かったですね。一人一人の技術はすごく高かったですし、学ぶ点はありましたね。その試合は勝ったんですけど、終わった後の変な達成感や勝って嬉しいというよりかは、サッカーが楽しくて嬉しかったという感じですね。個々のクォリティの高さを感じられて勉強できたことが嬉しくて、終わったあとは勝った嬉しさよりも、学べた嬉しさのほうが強かったですね。
ラオス時代、ブラジル代表との親善試合
インド、フィリピン、ラオスなど、国によってサッカーのスタイルや違いはあったのでしょうか?
そうですね。インドは全額給料未払いなどで日本に帰国していたので、詳しく伝えるのは難しいですがどちらかといえば、フィリピンよりのサッカーですね。その3つで言うと、インドは大雑把なサッカーをやっている部分も強かったです。ロングボールが多かったり、ちょっとしたプレッシャーで前へぼーんと蹴ってしまったり。フィリピンもまだ(サッカーが)発展していない分、そういった部分はありました、ラオスは細かいプレーやショートパスで繋ぐみたいなプレーは周りの国に比べて断然ありましたね。細かいテクニックの部分でいえば、その二つ(インド、フィリピン)より質が高くて、ラオスはすごくタイよりだと思います。ラオス代表もタイ代表よりは弱いですけど、サッカーが発展しているところなので、今後タイと同じように発展していくんじゃないかなと思いますね。
フィリピンはフィリピンで、色んな国へ(フィリピン人)流れているんです。それで、現地の人と結婚するケースが多くてハーフがすごく多いんですよ。日本にもフィリピンとのハーフは多いですが、日本人とのハーフである佐藤(大介)君(現在ルーマニア1部CSMSヤシ所属)という子がフィリピン代表にいましたね。あと、(シュテファン)シュレックのような元ドイツU-21代表だった選手がフィリピンA代表を選んだりしています。フィリピンはそういったハーフの選手がほとんどで、イギリスなどでプレーしていた選手がたくさんいます。正直レベルは身体も強く、良い技術を持っていて、代表はラオスやインドよりも強いんですよ。今その(ハーフの)人たちがフィリピンに帰ってきてプレーして、ローカルの人たちもレベルを上げてきている段階だと思います。今後もっと伸びていくと思いますね。
フィリピン時代の中村選手
後編ではマラウイのサッカー、中村選手のピッチ内外での活動について伺いました。
インタビュー後編
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