日本代表における左利き選手、そして重要性とは?

先日、FC東京の久保建英(たけふさ)選手がトップチームに昇格するというニュースがありました。FCバルセロナのカンテラ(下部組織)でプレーしていたものの、FIFAからの制裁により余儀なく日本へ帰国していましたが、中学生にしてユースチームからトップチームにまで上がってきました。4年後に控えた東京オリンピックに向けて日本中が期待を向けるなか、期待と不安を交えて応援しています。
そんな久保選手は「日本のメッシ」という異名もつけられていますが、メッシ選手と同じく左利きであるという点もこのような呼ばれ方の一因となっているでしょう。今回は自身が左利きであり(利き手は左、利き足は右と中途半端ですが)、左利きの選手が好きな筆者が、「左利きの、左利きによる、左利きのための記事」を投稿したいと思います。


by Qlioplus

左利きの脳科学

人類は左右対称であるのに、ほとんどの人々は右利きです。右利きになるか左利きになるかの確率は50%になるはずなのにと思ったことがある方もいるかもしれません。(物理学ではこのことを「対称性の破れ」なんて表現します。)これは利き手が同じことで道具などを使うときに便利になるから利き手が同じになるようです。
では左利きの人はどれくらいの割合で存在するのでしょうか。およそ1割です。よく言われているのは右利きだと左脳、左利きだと右脳を使うので、左利きには特徴的な(変わった?)人が多いということです。特に左利きは理系脳であるとか、空間認知能力が高いという話もありますね。左利きの有名人といえば、芸術家のピカソや科学者のアインシュタインなどがいます。(そうです。『しくじり偉人伝』は左利きの人が多いんです!)
厳密には利き手と利き足は違うのですが、サッカー選手も左利きは芸術家と呼ばれるテクニックに優れた選手が多いですよね。空間認知能力はサッカーにおいて非常に重要なものです。
サッカー王国ブラジルには「同じ質の選手がいたら左利きの方を選べ」という格言があるそうですが、貴重な左利きという存在は大切にしてほしいです。


by tv asahi

筆者が思う左利きの適正ポジション

当然ながらそれぞれの選手の特徴によって適正ポジションは変わってくると思いますが、それでも絶対に左利きがやるべきだと筆者が思うポジションが1つあります。それは左サイドバックです。これまでのサイドバック像はサイドハーフ(ウイング)の選手をオーバーラップしてクロスという形で、この場合絶対に左利きであった方が精度の高いクロスを期待できます。当然現在では、より内側にポジショニングを取る偽サイドバック戦術(アラバロールともいう)ができたことで、様々な役割を求められるようになりましたが、左利きが有利なポジションに変わりありません。
次に適正のあるポジションはサイドハーフです。左サイドに左利きであれば縦への突破、右サイドに左利きであれば中央に切り込む形が求められます。チームの戦術やバランス、またその選手の特徴にもよりますが、攻撃にアクセントを加える上で左利きの存在は大きいでしょう。
そして最後に挙げるポジションは、左センターバックもしくは左センターハーフ(ボランチ)です。センターバックやセンターハーフはビルドアップの役割を担うことになりますが(カウンター型のチームにはあまり関係ないですが)、その中に1人左利きの選手がいるとボールの持ち出し方などで違いを作ることができます。
左利きの選手が2、3人と多くいればボールを保持している時にそれだけ違いを作れることになるはずです。

天才選手が多い?サッカーにおける左利きの謎について

ハリルホジッチ監督も説く左利きの重要性

現在の日本代表で左利きの選手といえば、本田圭佑選手(ACミラン)、柏木陽介選手(浦和レッズ)、丸山祐市選手(FC東京)、太田宏介選手(フィテッセ)、藤春廣輝選手(ガンバ大阪)などが挙げられます。ハリルホジッチ監督はメンバー発表の際いつもプレゼンテーションをしますが、よく左利きであるという点を強調しています。


by URAWA RED DIAMONDS

ディフェンスラインから参加して、そして左利き。フィジカル的にモンスターというわけではないんですけども、デュエルにもしっかり行ってくれますし。特に後ろからの組み立てですね。そこの能力があります。そして運動量、ゲームビジョン、パス、そして左利き。他の人たちは右利きなので。特に攻撃面に関してしっかりバランスを取ってくれる選手。中盤に左利きの選手がいるというのはおもしろいこと。それはフリーキックとかにも影響しますし。彼のことはものすごく期待しています。 我々のビルドアップのところでもっともっとテクニックをもたらしてほしい。そして特に中盤の低いところから中盤の高いところ、そしてFWへと繋げていってほしいなと思っています。 浦和ではですね、彼はかなり引いてもらいにくるんですけども、我々はそうではない。できるだけ高い位置でボールを受けなさいという話もしています。ミッドフィールダーのオフェンス、フォワードに近付きなさいという話もしています。そして彼のゲームビジョンはおもしろいですし、背負ってもワンフリックで背後にボールを送れます。 そういった選手は数少ない。彼みたいな能力はほとんど見られない。ボールを受ける前にすでにたくさんのアイディアを持っています。背後、そして前にしっかり連携を持てる選手だと思います。
by Qoly

丸山選手に関しても左利きであるという点も踏まえて期待しているようです。太田選手と藤春選手は個人的に昔から期待していますが、藤春選手はオリンピックで評価を落としてしまったかもしれません。

リオオリンピックに出場した手倉森ジャパンでは左利きの選手が少なかったですが、その下の世代になるともっと左利きの選手が揃っている印象です。これまで左利きの選手といえば名波浩氏や中村俊輔選手、本田圭佑選手と出てきましたが、今後はどのような選手が現れるのでしょうか。

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