楠神順平選手が海外移籍!新天地ウェスタン・シドニー・ワンダラーズとは?
2016年7月18日、楠神順平選手がオーストラリアAリーグ所属のウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(以降WSW)に入団が決定しました。類い稀なドリブルセンスとアジリティを持ち合わせる彼が、選んだ新天地の話や彼の紹介を踏まえて説明していきます。
楠神順平選手ってどんな選手?
楠神順平選手は野洲高校時代に「セクシーフットボール」旋風を巻き起こした立役者です。「セクシーフットボール」とはなんでしょうか?当時高校サッカー界はフィジカル重視の堅守速攻タイプのサッカーが主流であり、テクニック主体で展開する「セクシーフットボール」は圧巻でした。当時の野洲高校のメンバーは青木孝太(引退)、乾貴士(西1部SDエイバル)、田中雄大(ヴィッセル神戸)らと共に流れるようなパスワークとドリブルで他を圧倒します。その中でも、楠神選手は突出したドリブルテクニックとサッカーセンスで野洲高校の中核として、チームを牽引。第84回全国高等学校サッカー選手権大会で滋賀県勢初の全国優勝を達成しました。
その後、同志社大学に進学しますが、川崎フロンターレのスカウトに誘われて特別指定選手として活躍。翌年に正式入団を果たした彼は、川崎で違いを作るプレーで、チームに定着して行きます。2013年にはセレッソ大阪へ移籍しますが、チーム内でのポジション争いなどで苦しい時を過ごします。2016年に鳥栖に入団するものの、出場機会に恵まれませんでした。そんな時に、WSWからオファーが来たのです。元来、楠神選手は海外移籍に興味を抱いていたので、念願が叶った形となります。
ウェスタン・シドニー・ワンダラーズってどんなクラブ?
同クラブはゴールドコースト・ユナイテッドFCのAリーグ脱退から、オーストラリアサッカー連盟の新クラブ創設プロジェクトの一環で作られました。
初参戦の2012-2013シーズンで、いきなりレギュラーシーズン優勝を達成。翌年度のACLでは、こちらも初参戦ながら決勝トーナメントに進出しました。2014-2015シーズンのACLでは、Jリーグ覇者サンフレッチェ広島、前年度王者の広州恒大、FCソウルを破って決勝進出。サウジアラビアの強豪アル・ヒラルを倒し、オーストラリア勢として初めてACL制覇を達成しました。
現在オーストラリアのクラブで一番勢いがあるクラブの一つです。
今までに沢山の日本人選手が活躍
WSWは今までに小野伸二選手を筆頭に、田中裕介選手、高萩洋次郎選手を獲得、楠神選手は同チーム4人目の日本人選手となります。特に、小野選手は同クラブのレジェンドとして創設間もないチームを牽引。圧倒的なテクニックとゲームメイク能力は、クラブサポーターから神格化されています。
同クラブは攻撃的な日本人選手を獲得する傾向にあり、田中選手は攻撃的なSBとして横浜F・マリノスや川崎フロンターレで長く活躍しました。さらに高萩選手は広島で創造主的なゲームメイクと優れたパスセンスでファンタジスタと賞賛されました。
これらは小野選手の影響が大きいと考えられますし、楠神選手もJ屈指のドリブラーですから、その能力を買われて入団したと考えられます。
新天地で活躍できる公算はあるか?
Aリーグはフィジカルが優れた選手が多く、肉弾戦を主体としているリーグです。ですが、ドリブルやテクニックに長けた選手は少なく、そういった選手は重宝される傾向にあります。では、楠神選手はどうでしょうか。卓越したドリブルセンスとゴール前に飛び出すアジリティを武器にしており、Aリーグでも数少ないタイプの選手であることが分かります。
そして、このようなテクニカルな選手をWSWは、主力として使う傾向があります。以上を踏まえて、楠神選手がオーストラリアで活躍する可能性は高いでしょう。セクシーフットボールで一世風靡をしたように、楠神選手は新天地でセンセーションを巻き起こせるかに注目です。