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カタールW杯のエースFW候補!南野拓実は代表戦でゴール量産の予感

編集部I

2018/10/30 08:00

2018/10/28 19:38

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ロシアW杯を終え、心機一転を図るサッカー日本代表が強い。「試合を観てワクワクする」という方も少なくないだろう。

理由の一つは、前線で起用される堂安律(20)、南野拓実(23)、中島翔哉(24)の3人。彼らが織りなす攻撃はアグレッシブかつ魅力的だ。10月16日のウルグアイ戦でも、3人は4-3の勝利に大きく貢献した。今回は、南野に注目したい。

日本代表で存在感 香川真司を彷彿とさせる反転力

FWおよび中盤高めの位置でプレイする南野は、2012年からセレッソ大阪でプレイし、2015年1月にオーストリア一部リーグ ティピコ・ブンデスリーガのFCレッドブル・ザルツブルクに加入。以来、同チームでプレイし続け、出場記録は100試合以上となった。

今秋からは日本代表に招集され、9月11日のコスタリカ戦を皮切りに、パナマ戦、ウルグアイ戦に出場。3試合で4得点を上げる活躍を見せている。

南野は両足でゴールを決められる器用さ(利き足は右)、チャンスと見るや、長い距離をドリブルできる縦への推進力もある。身長は174センチ。選手として身長はさほど高くないものの、海外で揉まれていることもあり、フィジカルは弱くない。

目を引くプレイの一つが、前線エリエでの反転。後方から来たパスをトラップして前を向けるから、チャンスが広がる。確かなトラップ技術と素早く前を向くアジリティがあるからこそなせる業だ。

同プレイの良さを象徴するシーンが、ウルグアイ戦の1点目。中島からの縦パスを、敵DFを背負いながら受け、巧みにボールをコントールして反転。右足付近にわずかなスペースを作り出し、GKの足に当てながらもシュートを決めた。ドルトムントで優勝した時に大車輪の活躍を見せた香川真司(29)のプレイを彷彿とさせる。

精神的な面も見逃せない。前線を走って守備に奔走したり味方を生かす献身性、ゴールを狙うガツガツした性格をほどよく兼ね備えている。セレッソ大阪在籍時には、南アフリカW杯で活躍したディエゴ・フォルランにパスを渡さなかったという、負けん気の強さも報道されている。

オーストリアの常勝軍団で経験値アップ

国内では、日本代表に入ってから、より高い評価を得ている印象が強い南野。これまで過小評価されていたのは、南野が所属するチームが「オーストリアのリーグだから」という点も影響しているだろう。「レベルの低いリーグで活躍しても……」という下馬評がチラホラ聞こえる。

オーストリアのティピコ・ブンデスリーガは、四大リーグと称されるイギリス(プレミアリーグ)・イタリア(セリエA)・スペイン(リーガ・エスパニョーラ)・ドイツ(ブンデスリーガ)よりレベルが落ちることは否めない。UEFAが今年5月に発表した欧州リーグの格付けランキング(2017/18シーズン)では、ロシア(ロシア・プレミアリーグ)やウクライナ(ウクライナ・プレミアリーグ)、ベルギー(ジュピラー・プロ・リーグ)、トルコ(シュペル・リグ)より下の11位だ。欧州での評価も高くない。

しかし南野の所属するレッドブル・ザルツブルクは、2005年にFCバイエルン・ミュンヘンと提携して以来、バイエルンで活躍した選手やスタッフが流入。同年、飲料メーカー・レッドブルからの出資も受けており、姉妹チームであるドイツのRBライプツィヒとの結びつきも強い。それ以来、急激に力を増し、毎年優勝争いを演じるようになった。2013/14シーズンからは、2017/18シーズンまで5年連続優勝を飾る常勝軍団に変貌した。2018/19シーズンも、すでに1位の座をキープしている。

UEFAチャンピオンズリーグの予選、UEFAヨーロッパリーグにも頻繁に進出するため、各国リーグのチームともよく対戦。2017/18シーズンは、ヨーロッパリーグでレアル・ソシエダ、ボルシア・ドルトムント、ラツィオ、マルセイユとの対戦も果たしており、レッドブル・ザルツブルク自体は豊かな経験が得られる環境下にある。南野が日本代表であれだけ堂々とプレイできるのは、確かな経験に裏付けられたものだろう。

レッドブル・ザルツブルクと21年夏まで契約延長

これだけザッと見ると、良い選手であり、良い環境でサッカーに取り組んでいることが分かる。代表での活躍もあり、にわかに次の移籍先が気になるところだ。

現状は、今冬にレッドブル・ザルツブルクと2021年夏まで契約を延長。クラブとの相思相愛が続いており、当面はチームに残留する見込みだ。

ただし、ケガやスランプもなく順調に活躍すれば、日本代表の主力として名を連ねることは間違いない。2019年1月のアジア杯でも、ゴール量産が期待される。

国際的な注目が集まれば、上位リーグへの移籍話は遅かれ早かれ起きるはずだ。カタールW杯が行われる2022年には、別のチームに所属している可能性が高い。その時は日本代表のエースストライカーとして君臨し、堂安、中島とともに、今以上にエキサイティングな試合を披露してくれるだろう。

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