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オーストラリア戦で日本代表に確かな手応え 歴代最強メンバーでアルジェリア旋風の再現を

岩崎 充

2017/09/01 11:45

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埼玉スタジアムで行われた日本代表VSオーストラリア代表の一戦。勝ったほうがワールドカップ進出が決まる大一番は見事日本が2−0で勝利。
この結果、最終節を待たずに6大会連続でのワールドカップ出場と同時にB組1位での突破も確定させた。

意表をついた乾と浅野の両サイド先発起用

守備ラインはイラク戦から変更なし。負傷から戻ってきた長谷部や香川がいる中盤は、長谷部・山口・井出口とボランチタイプを3人配置。そして前線はこれまで起用してきた原口、本田、久保らを外し左サイドに乾、そして右サイドに浅野を抜擢し勝負に出た。

支配率34%ながら冷静な試合運びと伏兵の2ゴール

序盤は日本が前からのプレスで積極的に動くとすぐさまCKを獲得。井出口のパスに対する酒井のヘッドは枠の外だが早くも日本がシュートを放つ展開。

しかし徐々にオーストラリアがボールを保持するキープが長くなる。
対する日本は無理にボールを奪いに行かず、しっかりとブロックを敷いてオーストラリアの攻撃に対応する時間帯が続く。37分にはペナルティエリア手前からレッキーのミドルシュート。吉田にあたりコースが変ったシュートはポストを直撃し難を逃れる。

なかなか決定機を作れないでいた日本だが40分、井出口からボールを受けた長友が右足でクロス。絶妙なタイミングで裏に抜け出た浅野が左足で合わせて日本に待望の先制点。

後半、オーストラリアはショートパスから日本の両SBの裏を攻略しクロスを上げてくるが日本も集中した守備で崩れず。逆にカウンターで大迫のポストプレーから乾がドリブルで仕掛けるなど、日本もサイドからオーストラリアの3バックのスペースを付いていく。

25分、長友の裏を突かれてグラウンダーのクロスを許してしまうが酒井の懸命な守備によりここもシュート打たせない。
ユリッチ、ケーヒルと攻撃の選手を投入したオーストラリアに対して日本は29分に乾を下げて原口を投入。
31分に原口の突破から井出口がシュート、その5分後には浅野の仕掛けから大迫がミドルを放つなど日本が攻勢を強めていく。

そして36分、敵陣でのパスミスをカットした原口からボールを受けた井手口が左サイドから中央へ流れながら右足で強烈なシュート。これが鮮やかに決まり日本に追加点。

日本はその後岡崎、久保を投入しつつ危なげない試合運びでオーストラリアを完封。

相手に支配されながらも来年のW杯に期待が持てる大きな一勝でW杯の切符を手に入れた。

個人採点&寸評

川島永嗣 6
安定した守備を披露。イラク戦を彷彿とさせる後半3分のシーンも今回はファンブルせず。

長友佑都 6.5
大一番で先制アシスト。後方に下がるドリブルが結果的に相手DFラインを上げ、浅野が走りこむスペースが生まれた。

吉田麻也 6.5
後半3分の危険なシーンは判断に疑問が残るが昌子とともに集中し相手にシュートを打たせず。

昌子源 6.5 
吉田とのコンビも安定感を増してきた。このまま成熟すれば歴代最強CBコンビになれるはず。

酒井宏樹 7
フランスでの充実ぶりがうかがえる存在感。守備でもこの日は貢献度が高かった。

長谷部誠 6
自身も認めたようにこの日はややパスミスが目立つもCB前のエリアをうまくカバー。

山口螢 5.5
献身的な動きでスペースを埋める働きはしたがセレッソで見せる存在感に比べると貢献度は低かった。

井出口陽介 7.5
前線からの守備、ロングフィード、セットプレー、そしてゴールと文句ないプレーぶり、MVPにふさわしい。

乾貴士 6
攻守に献身的なプレーで見せ場もつくったがその実力を考えると攻撃面は物足りない。

浅野拓磨 6.5
サイドでは効果的なプレーは少ないものの、左足の一撃で大仕事をやってのけた。

大迫勇也 7
オーストラリアDF相手にも確実なポストプレーを披露した影のMVP。足りないのはゴールだけだった。

原口元気 6.5
途中交代ながら左サイドを活性化させ2点目にも貢献。崩れかけた左サイドの守備の安定にも一役買った。

岡崎慎司 -
大迫に代わり投入、前線で守備に一定の貢献。
  
久保裕也 - 
少ない時間ながら右サイドから仕掛けシュートまで持ち込む。

ロシアで旋風を起こす一筋の光

最終予選でも毎試合スタメンが異なり、その試合内容もあまり褒められた内容ではなかったハリルジャパン。そんな中でもFW大迫、MF長谷部、DF吉田と各ポジションに軸となるプレイヤーが現在の日本にはいる。そこに、この数試合で既に主力級となった井手口のような選手も加わった。

個人的に、彼は最も日本代表で期待していた選手だけに今回の活躍は素直に嬉しい。

ここにFW久保、武藤、MF柴崎、DF三浦、GK中村らが今後スタメン争いに加わってくる日本代表は歴代最強となれる可能性を十分秘めている。

歴代最強メンバーを従えて、2014年W杯でアルジェリアが見せた旋風を来年再現する姿を今は少しだけ期待が持てる。そんな光が見せたこの日の試合内容だった。

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