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海外からJへ復帰する選手のキャリア状況を改めて知ろう

Dr.Wildcat

2017/08/15 16:32

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近年のJリーグの傾向として、海外から日本代表クラスもしくはそれに準ずる選手が国内復帰する機会をよく見る。
サッカー選手として晩年を迎えて残りのキャリアを日本で終えたいと語る選手もいれば、20代のバリバリの時期に出場機会を求めて帰国する選手もいる。

今回の記事ではこれまでのこうした国内復帰のケースを取りまとめて分析を行う。

直近10年間で欧州5大リーグでプレーした選手し帰還した選手

2007年から今年2017年までの10年間で欧州5大リーグ(スペイン、イタリア、ドイツ、イングランド、フランス)の1部でプレイし、その後日本に復帰した選手を対象として考える。

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【リーガ・エスパニョーラ(スペイン)】
 中村俊輔 – RCDエスパニョール(2009-2010)
 家長昭博 – RCDマヨルカ(2011-2012)
 ハーフナー・マイク – コルドバCF(2014-2015)
 清武弘嗣 – セビージャFC(2016-2017)

【プレミアリーグ(イングランド)】
 李忠成 – サウサンプトン (2012-2013)

【セリエA(イタリア)】
 小笠原満男 – メッシーナ (2006-2007)
 大黒将志 – トリノ (2006-2008)
 森本貴幸 – カターニア (2006-2011, 2012-2013), ノヴァーラ (2011-2012)

【ブンデスリーガ(ドイツ)】
高原直泰 – アイントラハト・フランクフルト(2006-2008)
大久保嘉人 – VfLヴォルフスブルク (2008-2009)
小野伸二 – VfLボーフム (2007-2010)
矢野貴章 – SCフライブルク (2010-2012)
槙野智章 – 1.FCケルン (2011-2012)
大津祐樹 – ボルシア・メンヒェングラートバッハ (2011-2012)
宇佐美貴史 – バイエルン・ミュンヘン (2011-2012),
TSG1899ホッフェンハイム (2012-2013)
大前元紀 – フォルトゥナ・デュッセルドルフ (2012-2013)
丸岡満 – ボルシア・ドルトムント (2014-2015)
細貝萌 – バイエル・レバークーゼン (2011-2013) ※2011-2012はFCアウクスブルクにレンタル,
ヘルタ・ベルリン (2013-2015)

【リーグ・アン(フランス)】
 松井大輔 – ル・マンUC (2004-2008), ASサンテティエンヌ (2008-2009), グルノーブル・フット38 (2009-2011),ディジョンFCO (2011-2012)
 伊藤翔 – グルノーブル・フット38 (2007-2010)
 稲本潤一 – スタッド・レンヌ (2009-2010)

備考1:対象5カ国での2部もしくはその他欧州リーグでの在籍歴は省略。
備考2:対象5カ国の中で複数国でプレーした経験のある選手は、最後に在籍したリーグにカテゴライズ。
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年齢面で見るケース分析

①キャリア晩年で帰国したケース
シドニー五輪世代の代表格である、中村俊輔・小野伸二・稲本潤一は31〜32歳の年齢でJリーグに復帰している。彼らが復帰したのは揃って2010年初頭。意図としては3人とも出場の可能性があったFIFAワールドカップ南アフリカ大会を控えての決断であると考えられる。

その中でも中村俊輔の国内復帰後の活躍はめざましく、海外でも抜群の威力を発揮した伝家の宝刀フリーキックを武器に横浜F・マリノスの司令塔として君臨した。チームの枠を超えて国内サッカーファンの人気は依然として高く、2017年シーズンから移籍しているジュビロ磐田でも実力をいかんなく発揮しトップクラスの人気を誇る。

小野伸二は地元・清水エスパルスに復帰し、2011年からは主将としても活躍。2012年はオーストラリア1部 Aリーグのウェスタン・シドニー・ワンダラーズへ移籍し再び海外へ舞台を移した後、コンサドーレ札幌でJリーグ再々々復帰を果たし稲本潤一とチームメイトとなっている。

直近では、ヴィッセル神戸の大補強でハーフナー・マイク、ドイツで安定的な活躍を見せてきた細貝萌が柏レイソルで国内復帰するなどのケースがあり今後の活躍が期待されている。

②キャリア中盤で帰国したケース
サッカー選手として脂が乗っている時期ともいえる20代半ば。
そこで国内復帰したケースは比較的多かった。

直近では清武弘嗣、山口蛍がその例として記憶に新しい。
2人が加入したセレッソ大阪は今季のJリーグで首位に立つなど飛躍が目覚ましい。山口はここまで全試合にフル出場し中盤でその能力をコンスタントに発揮しているが、清武は怪我が目立ち本調子とは言えない状況にある。

この2人については多くのサポーターが複雑な気持ちを抱いたかと思う。山口はハノーファーで適応に苦しみ、わずか半年で帰国。メディアからのバッシングは凄まじいものがあった。
清武はブンデスリーガで確かな結果を残し、日本人の鬼門と言われるリーガ・エスパニョーラへ移籍。強豪であるセビージャFCの一員となり、活躍が期待されたが徐々に出場機会が減少。
ハリルジャパンでも司令塔として活躍している中、出場機会の減少は致命的なマイナス状況であり、本人も出場機会を求めて国内復帰を決断したと考えられる。

その他にも、ロンドン五輪でエース級の活躍をした大津祐樹や大前元紀なども若くして欧州を離れている。

帰国後の活躍具合の差

今回の対象選手を見ると復帰後には比較的活躍をしている選手が多いのではないだろうかと考えている。そこはさすが欧州からオファーをもらい、トップレベルで揉まれた経験をしっかりと活かしてチームに適応しているからであろう。

ただ、Jリーグも世界の例に漏れず新陳代謝は激しい。前述した中村俊輔や宇佐美貴史のように復帰後すぐに大活躍したケースは稀で、その他の選手は改めてじっくりとチームに適応し、時には複数の移籍も経験している場合もある。ズバ抜けた技術や若さが無いと、国内復帰後すぐに活躍できないのもまた事実である。

いち日本サッカーのファンとしては、長く海外で活躍してほしいとは思う。ただ、サッカー選手のキャリアは非常に短いことも知っている。今後の国内復帰のニュースが決して悲しいものにならないことを心から願っている。

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