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【イラクVS日本】勝利を目指すなら3枚目の交代カードは高徳ではない

岩崎 充

2017/06/14 23:05

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NEWS

by jfa_samuraiblue

イラクに勝利し次のオーストラリアとの決戦に優位な状況で挑みたかった日本代表。

負傷者が多い中盤をどのような構成にするかが焦点となったが、ハリルホジッチ監督は意外な組み合わせを選択した。

奇策の中盤構成

遠藤と井手口という初のダブルボランチの組み合わせ。また本田はトップ下での起用かと思われたが、蓋を開けてみれば今までと変わらず右サイド。
そして久保が左サイドへ回り、原口がトップ下で起用された。

試合は序盤からWボランチが攻撃の芽を摘み、原口も積極的なプレスで守備に参加。しっかりと守備から入りたいという監督の意図が見て取れた。

一方、攻撃では縦に急がずゆっくりとしたペースでボールを回す日本。
実は選手側から事前に猛暑の環境を考慮し、縦に速いサッカーではなくボールを回すサッカーをするべきという意見が監督に出されたという。

想定外の負傷と痛恨のミス

by cbc

前半、リズムよくボールをつなぐ日本は8分に本田のCKから大迫の技ありヘッドで理想的な時間帯に先制点を奪う。

その後も試合はスローペースで進む。27分には大迫がマーカーと入れ替わり突破に成功、DFに背後から倒されPKかと思われたがまさかのノーファールの判定。

イラクはサイドチェンジから左サイド(日本の右サイド)で数的有利を作り、何度かクロスを上げチャンスを作る。
日本は左サイドの久保がきちんと守備に戻る一方、逆サイドの本田は戻りがやや遅く何度か数的不利に陥る状況が見られた。

後半、再び攻勢に出た日本だが、11分には相手のスリップもありフリーで駆け上がった長友からマイナスのクロスに原口が反応するもシュートが打てず。
さらにハードワークで守備に貢献していた井手口が頭を強打し交代するアクシデント、日本に嫌な雰囲気が漂いだす。

その後何度かイラクに侵入を許した日本だが、CBの吉田と昌子が空中戦・地上戦ともに冷静に対処しチャンスを作らせない。

この試合が勝利に終わっていれば、勝因として吉田と昌子のCBコンビを挙げたいと思っていたが、後半27分にその思いは断ち切れた。

ペナルティエリアに侵入したイラクに対し吉田が相手をブロックし川島にルーズボールの処理を委ねるが、吉田のブロックが甘かったこともあり相手にボールに触られてしまい川島がファンブル。これを難なく決められてしまい試合は振り出しに。

反撃に出たい日本だが、失点直前に原口に代えて倉田を投入、さらに酒井宏樹が負傷により同じSBの酒井高徳を投入、乾や岡崎といった攻撃の重要なピースは使わずに終わる。さらに久保も足を痛めさらに手駒が減る展開。

終盤、本田に2度シュートシーンが訪れるが猛暑による疲労もありシュートは精度を欠きゴールは奪えず、試合はそのまま終了した。

ハリルホジッチ監督の采配への疑問

by indianexpress

井手口、酒井宏樹の負傷交代や完全なPK(せめてFK)が取ってもらえなかったなど、この日の日本に運がなかったのは確か。
また、遠藤と井手口の急造Wボランチも山口や今野がベストコンディションでない状況での苦肉の策なのも事実。

しかし苦しい台所事情にも関わらず招集された加藤はベンチ外。また過去に招集済みの高萩や、W杯経験もあり今なお浦和を牽引する阿部といった人材がいるにも関わらず招集せず、この結果では不運という言葉だけでは片付けられない。

選手交代の采配に関しては、原口の交代に関しては疲労を交代理由を挙げたハリルホジッチ監督だが、原口自身がまだやれたと語っていた。

また、酒井宏樹の負傷により切った最後のカードは同じ右SBの酒井高徳。本当に勝利を目指すならば乾や岡崎を起用し、他の選手をスライドさせる方法もあったはずだ。

今野を右SB、アンカーに遠藤、インサイドハーフに倉田と本田、前線に乾、大迫と並べればもう少し攻撃に厚みが出たかもしれない。

さらに懸念の左SBの長友も、かつてのように1対1で勝負しクロスをあげるシーンはゼロ、この日全く良いプレーはなかった。

多くの疑問を残しドローに終わったイラク戦。しかし井手口が代表でも十分戦力になることを証明し、吉田と昌子のCBに安定感が出てきたことは収穫だ。

8月31日、オーストラリアとの決戦はギャンブル采配はなしに、これまでの集大成を見せて欲しい。

ワールドカップ出場を決めてから、ハリルホジッチの進退を再検討しても遅くはない(JFA的には解任は難しいだろうが)。

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