なでしこジャパンに浦和レッズレディースの猶本光選手が召集されていないのは何故?

2011年女子ワールドカップで優勝を果たした事で一躍脚光を浴びたサッカー女子日本代表のなでしこジャパン。ワールドカップの優勝は、彼女たちの存在をシンデレラの様に一躍時の人としてしまいました。

あれから6年の歳月が経過し、世界の女子サッカー界の勢力図は少しずつ変化を遂げています。最も変化を感じるのは当のなでしこジャパンです。
監督が交代し、澤穂希さん以下の中心メンバーの新陳代謝が図られて、今なでしこジャパンは次世代への継承の最中です。

毎年この時期はポルトガルでアルガルベカップが行われて、各国女子代表が集結し、現状位置の確認と体制作りの為に実戦を戦います。
数年前、次世代を担う代表選手として注目された浦和レッズレディースの猶本 光(以降、猶本選手と記載)の名前はそのメンバーにはありませんでした。
逸材と呼ばれた猶本選手は何故代表に召集されていないのでしょうか?

 
by 猶本光選手インタビュー(YouTube)

福岡県出身のサッカー女子

  
猶本選手は福岡県小郡市出身の23歳。雛祭りという女性らしい日に誕生しました。お兄さんの影響を受けて、小学校1年生の時から地元の女子サッカークラブでサッカーを始めます。
  
所属していたクラブは福岡J・アンクラスというチームで、一時期はなでしこリーグに昇格しましたが、現在は日本女子サッカーリーグに属しています。
  
猶本選手は2007年なでしこリーグ2部の時代にトップチームに昇格し、クラブは2009年になでしこリーグに昇格。筑波大学に進学するまでの5シーズンをこのクラブに所属していました。
  
筑波大学進学と同時に、浦和レッズレディースに移籍し、現在に至るまで主力選手として活躍をしています。
2014年AFC女子アジアカップで初めて女子日本代表に選出されますが、2016年以降は代表へ召集されていないのはとても残念な事です。
爽やかなルックスと共に、代表での活躍を望まれているファンの多い女子サッカー選手と言えるでしょう。   


by 浦和レッズHP

ポテンシャルを認められながら試行錯誤の過程

  
猶本選手のポジションはMF。2011年女子ワールドカップに優勝をしたメンバーでは、レジェンド澤穂希さんや、宮間あや選手という司令塔でありゲームメイクできる選手が中盤にいましたが、現在のなでしこにはその役目を果たせている選手がみつかっていません。
  
猶本選手には是非なでしこの司令塔に育って欲しいと願うのは、決して筆者だけではないと考えます。その資質が猶本選手にはあります。しかし、本領を発揮できているとは言い難い事が、現在も代表に召集されていない最も大きなポイントだと思います。
  
その為には、先ずは所属クラブである浦和レッズレディースにおいて、その地位と役割を確立する必要があるのではないでしょうか。
浦和レッズレディースは2009年になでしこリーグを制覇しています。2010年は同勝ち点ながら、得失点差で日テレベレーザに連覇を阻まれてしまいました。2014年には変則シーズンでエキサイティングリーグで優勝するも、2010年以降リーグ成績は停滞している状態です。
  
猶本選手だけの責任ではありませんが、やはり中盤からしっかりビルドアップできない状態が停滞の結果を示しているのだと思います。
男子で圧倒的なタレントを誇る浦和レッズの存在は、なでしこリーグで言えばINACであり日テレベレーザが相当するかもしれません。その状況にあって、猶本選手の存在は浦和レッズレディースの中では最も注目に値するタレントです。クラブでも代表でも大活躍が待たれています。
  
その為には、なでしこリーグの闘いの中で、常にその役割を意識してプレイする事が求められます。そしてその次には意識せずともその役割が演じられる様にならなければなりません。現在の猶本選手の最大の課題はそこにあると筆者は観ています。
  
その上で、フィジカルの強さを高める必要もあります。女子アスリートとしては麗しい存在ですが、闘いの現場では強靭なフィジカル能力が必要です。日本代表の長友佑都選手が、小柄ながらセリエAで体格の良い外国人に競り負けないのは、体幹を徹底的に鍛え上げているからです。
  
司令塔の意識改革と体幹の鍛錬を極めて、頭脳面と体力面で遜色なくなれば、猶本選手はなでしこの司令塔として澤二世、宮間二世として輝確実に輝ける存在です。
 
   

by 九鬼家のダッシュ!!

なでしこに最も必要とされるポジションに向けて

過日、アルガルベカップが行われて、なでしこジャパンは6位という結果に終わりました。世界王者経験チームとしては惨敗です。課題は多く復活の道のりは険しいものです。
最大の問題は、くどい様ですが司令塔の不在です。サッカーは同じテンポでゲームを進行するのは危険です。攻め時は果敢に攻撃する必要がありますが、90分の中では相手を引き寄せたり、いらいらさせたり、慌てさせたり、隙を作ったりと、遅攻速攻のテンポをコントロールする事で状況を打開し成果が表れます。
  
しかし今のなでしこジャパンにはそのコントロールができる人材が決定的に欠落しています。先のアルガルベカップの闘い振りはまさにその欠点が露わになっていました。常に同じテンポでボールを回していて、相手の脅威になっていないゲーム展開でした。
司令塔が不在であるが為に、ゲームをコントロールできず、やみくもにボールを追いかけ、回し、蹴るという事に終始していました。これでは結果はなかなか期待できません。そこにこそ猶本選手の力量が期待されるのです。
  
昨年3月、ノルウェーのラ・マンガに於いて6カ国によるU23国際大会が開かれていました。猶本選手はU23代表メンバーとして出場しました。
日本はドイツに1:0、スゥエーデンに2:0、ノルウェーに4:0と、3戦を完封3勝という好結果を残しました。猶本選手はキャプテンとして3試合にスタメン出場し、1ゴールを決めて3連勝に大きく貢献しました。
  
試合後には「身体が大きく、パワー、スピードがある相手に対して、タイミングをずらすなど工夫すること、運動能力、パス、ドリブル、シュートなどの技術、戦術能力を全体的に向上していくことが必要だと感じました。」とコメントを残しています。
  
遅攻速攻、フィジカルと言った筆者の指摘した前述の課題に対して、実践で感じた修正ポイントとして発言しています。司令塔としての役目を意識しながらキャプテンとして大会に臨み、成長した事が感じられるコメントです。
  
U23女子日本代表は、なでしこジャパンの妹分。ラ・マンガ国際大会の経験を踏まえて、猶本選手には一刻も早くなでしこジャパンの司令塔として活躍をして欲しいではないですか!
    


by jfa.jp

アスリートには勝負に勝つという目的の達成が求められますが、一方では結果以外のスター性も求められます。
猶本選手には女子アスリートとしての運動能力だけでなく、才色兼備と言われる程にスター性のある容姿の持ち主でもあります。
これから大活躍するポテンシャルを存分に持っている女子サッカー選手です。
Jリーグのみならず、2017年は浦和レッズレディースと猶本選手に是非注目してみて下さい!


by 株式会社太陽

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