昨年12月からアーセナルの指揮を執るミケル・アルテタ監督。選手とコミュニケーションをとる際に、ある“能力”を活用しているとイギリスメディア『Daily Mail』が報じている。
アルテタ氏が監督に就任して以降、上昇気流に乗りつつあるアーセナル。プレミアリーグでは2020年に入ってからコロナ禍による中断までで4勝4分けと、全チームの中で唯一黒星がなかった。再開後にはマンチェスター・シティ、ブライトンの前に屈したものの、その後は4試合で3勝1分け。再び調子を取り戻し、来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権確保への望みをつないでいる。
こうした好調の要因の一つとして、指揮官のメッセージが選手に的確に伝わっていることが挙げられるかもしれない。というのも『Daily Mail』によると、アルテタ監督は試合中にベンチから指示を送る際、選手によって話す言語を変えているそうだ。選手たちが素早く戦術を理解するためには、彼らの母語でメッセージを送るのが効果的だとアルテタ監督は考えており、複数の言語を使い分けているという。
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— Arsenal (@Arsenal) July 6, 2020
選手に合わせて言葉を使い分ける
チーム全体に対して話すときは英語を使うそうだが、アルテタ監督の母語はスペイン語。スペイン語圏出身の選手と個別に話すときは、お互いの母語で会話をしているようだ。『Daily Mail』が特にこの恩恵を受けていると指摘しているのがMFダニ・セバージョス。指揮官としっかり意思疎通がとれているからか、ピッチ上で高いパフォーマンスを見せ、今ではアーセナルの中盤に欠かせない選手となっている。
またアルテタ監督はフランス語も使いこなせる模様。現役時代にパリ・サンジェルマンでプレー経験があることが関係していると推測される。現在アーセナルにはFWアレクサンドル・ラカゼットやFWニコラ・ペペといったフランス語のネイティブたちが在籍。さらに指揮官と同じくパリ・サンジェルマンでプレーしていたDFダヴィド・ルイスもフランス語を理解できるようで、彼らとはフランス語でコミュニケーションをとっているそうだ。
なお言語を使い分けることには他の狙いもあるとのこと。様々な言語が飛び交うことで、相手選手や監督を混乱させることも目論んでいるようだ。いずれにせよ、選手が使う言語にまで気を配っているアルテタ監督。もし将来的に日本人選手がチームに加わったら、巧みな日本語を操る指揮官の姿が見られるかもしれない。