現在所属するドルトムントで絶好調の香川選手。その相棒とも言える選手がFWオーバメヤン選手です。
15日に行われた29節フランクフルト戦こそこのホットラインからのゴールはなかったものの、26節のシャルケとの”ルール・ダービー”では香川のアシストでオーバメヤンがゴール。翌週のハンブルガー戦ではオーバメヤンからのクロスを香川が合わせゴールを決めると、今度はお返しとばかりに香川からのロングパスをオーバメヤンが決め名コンビぶりを発揮しました。(28節バイエルン戦は香川が欠場)
4月1日シャルケ戦(1−1)
後半53分 オーバメヤン(香川)
4月5日ハンブルガー戦(3−0)
前半13分 カストロ
後半81分 香川(オーバメヤン)
後半92分 オーバメヤン(香川)
またオーバメヤンは、現在ブンデスリーガ得点ランキング1位タイ(27試合26得点)、そしてチャンピオンズリーグでも3位タイ(8試合7得点)に付けており、絶対的ストライカーとしてチームに君臨。
今回は、このドルトムントのオーバメヤン選手にスポットを当て紹介します。
夢はガボンのワールドカップ初出場
by sportskeeda
名前:ピエール=エメリク・オーバメヤン(Pierre-Emerick Emiliano François Aubameyang)
国籍:ガボン、フランス、スペイン
年齢:27歳
身長:187cm
体重:80kg
ポジション:センターフォワード、ウィング
オーバメヤンはフランスで、ガボン人の父とスペイン系フランス人の母の間に生まれます。ちなみに父親のピエール・オーバメヤンは、過去にガボン代表で80キャップの出場数を持つディフェンダーでした。
キャリアのスタートは意外にもあのイタリアの名門ACミラン。2007年18歳でミランのユースチームに加わると、同年マレーシアで行われたユース大会で6試合7得点を挙げ世界のスカウトから注目を浴びます。
翌シーズンからはフランスリーグで武者修行、ディジョン→リール→モナコ→サンテティエンヌと4シーズンをレンタル先で過ごします。残念ながらミランに帰還することなく2012年サンテティエンヌへ完全移籍しますが、そのシーズン37試合出場19ゴール8アシストを記録。この結果が認められ2013年にドルトムントへの移籍が決定します。
2013-14シーズン、ブンデスリーガ開幕戦でハットトリックを決める鮮烈なデビューを果たしたオーバメヤン選手。2014-15シーズン、チームの得点源レヴァンドフスキがバイエルンへ移籍するとクロップ監督はオーバメヤンを本格的にセンターフォワードとして起用。
オーバメヤンはこの起用に見事応えゴールを量産、チームに欠かせぬ絶対的エースに成長しました。さらに2015年には、その活躍が認められアフリカ年間最優秀選手にも選ばれています。
代表ではフランス、イタリア、ガボンという選択肢がある中でオーバメヤンが選んだのは父と同じガボン代表。2010年に初招集されると、2012年自国開催のアフリカネイションズカップでは3試合連続ゴールを挙げ自国の予選突破に大きく貢献。現在までに55キャップ23ゴールという数字を残しています。
ちなみにガボンはFIFAランキング84位(日本は44位)、アフリカ内では19位(4月16日現在)と決して強豪と呼ばれるチームではありませんが、父親と同じ道を辿りガボン代表をワールドカップ初出場に導くことが夢であることをオーバメヤン選手は明かしています。
爆発的スピードと決定力を持つ世界屈指のスコアラー
彼のプレースタイルを語る上で外せないのがそのスピード。トレーニング中に30mで3.7秒というタイムを記録したオーバメヤン選手ですが、このタイムが陸上のウサイン・ボルトの3.78秒(世界新記録9.58秒を出した際の30m通過タイム)を上回ったことで話題に。
そのスピードを武器に当初はサイドから裏へ抜け出したり、一瞬のスピードへDFを振り切ってゴールを決める形を得意としていました。
しかしCFとして起用されたオーバメヤンは、スピードだけでなくゴールハンターとしての能力も遺憾なく発揮。優れたポジショニングと嗅覚によりエリア内でワンタッチでゴールを決めるシーンが増加、両足・ヘディング共に高いシュート精度を誇りループシュートのような高度な技術も持ち合わせています。
サイドに流れればスピードを武器に1対1で仕掛けチャンスメイクもこなし、エリア内では決定的な仕事をこなすオーバメヤン選手。DFにとってこれほど嫌な選手はいないでしょう。
ちなみにティエリ・アンリ、ジョージ・ウェア、エルナン・クレスポのファンでもある同選手ですが、ロールモデルとしているのは元ブラジル代表のロナウド。
また、前宙返りのゴールセレブレーションが有名なオーバメヤン選手ですが、これは元ドイツ代表クローゼの真似をしたものだそう。
2度に渡りプーマを怒らせたお騒がせ男
プレースタイルのみならず、ヘアースタイルでも注目を集めるオーバメヤン選手。下記は自身のインスタグラムで投稿した動画で、何と暗くなると星が光るという特殊仕様。
https://www.instagram.com/p/BSG9FiFB0wq/
しかし3月には自身のヘアースタイルが原因で、チームから制裁処分を受けてしまいます。
by faz.net
この時のヘアースタイルは自身のスポンサーであるナイキのロゴを刈り込んだものであり、これがチームのスポンサーであるプーマの逆鱗に触れてしまいます。
さらに前述の4月のシャルケ戦では、ゴール後にナイキがプロモーションで製作したマスクを被り罰金の処分を受ける始末で違う意味でも話題に。
by espnfc
気になる去就
香川選手と好連携を見せるオーバメヤン選手。かつてはこの2人にマルコ・ロイス、ムヒタリヤンを加えた4人の織り成す攻撃は『ファンタスティック4』と呼ばれ世界から賞賛を浴びました。
しかしその一角、ムヒタリヤンはマンチェスター・ユナイテッドへと移籍。そしてオーバメヤンにも移籍の噂が絶えません。
これまでマンチェスター・シティ、リバプール、パリ・サンジェルマン、バイエルン、ACミラン、バルセロナ、レアル・マドリーなど錚々たるビッグクラブの名前が浮上していますが、同じリーグのライバル・バイエルンへの移籍話に関しては「絶対にない」と本人は強く否定。
しかしレアル・マドリーへの移籍を自身の夢であると公言しており、「次のレベルに行きたいと考えるならば、夏にここを出て行く必要がある」と、ステップアップを見据えた今夏の退団を示唆しました。
世界最速ストライカーがリーガ・エスパニョーラでプレーする日はそう遠くはないかもしれません。