下部組織からの育成とレンタルによる実践経験
移籍で他チームから選手を獲得するのと共に、当然ながら忘れてはならないのが、自らの手で少年期から選手を育成してトップチームに引き上げる事です。
昨年までの浦和レッズでは、関根貴大選手や宇賀神友弥選手(※正確には宇賀神選手は大学4年間を経ています。)がその好例です。
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最も成功例は、現在ブンデスリーガのヘルタ・ベルリンに所属し日本代表で活躍を遂げている原口元気選手です。ジュニアユースから浦和レッズに入団して、順調にユースに昇格し、フィンケ監督時代に高校生ながらトップチームに昇格しました。Jリーグで優勝の経験ができなかったものの、ブンデスリーガのヘルタ・ベルリンに移籍し、現在も主力選手として活躍を遂げています。
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一方で、国内で最も高いレベルの選手が集う浦和レッズでは、下部組織から育成されて昇格しても、なかなかゲームに出場できるチャンスが生まれません。そこで、下部組織から育成して将来の浦和レッズを担う有力な若手には、期限付き移籍をさせて、出場の機会を与えて成長を促し、再び呼び戻しています。
今年、二名の選手がレンタル先から復帰しました。これは後段でご紹介致します。そして現在も、湘南ベルマーレにFW山田直輝選手とDF岡本拓也選手、水戸ホーリーホックにMF斎藤翔太選手、モンテディオ山形にDF茂木力也がレンタルされています。
アカデミーでの育成と、他チームへのレンタル移籍で実践経験を踏ませるという両面で、将来の浦和レッズを担う逸材の成長を促しています。
by サッカー情報
背番号10を背負った4人が集結
さて、今シーズンの浦和レッズの新戦力ですが、今年は例年になく特徴のある選手補強が為されました。
一つは、他チームで活躍していた得点力のある外国人選手を獲得した点。アルビレックス新潟からFWラファエル・シルバ選手を獲得しました。ブラジル・コリンチャンスの下部組織出身で、昨シーズンは11ゴールを決めています。久しぶりに得点能力が期待できる外国人FWを獲得しました。
二つ目は、他チームで活躍していた日本人選手を獲得した点。横浜F・マリノスからGK榎本哲也選手を獲得しました。榎本選手は文字通り横浜F・マリノスの正GK。今シーズンはACLの出場と国内リーグ、カップ戦、日本代表の正GKとして西川選手の出場試合数が大幅に増える事が予想されますから、ターンオーバーするGKとして横浜F・マリノスの正GKを獲得できたのは大きな事です。
三つめは、大きな話題になっていますが、他チームの背番号10を4人も入団させた事です。湘南ベルマーレからMF菊池大介選手、ファジアーノ岡山からMF矢島慎也、ジェフ千葉からMF長沢和輝選手、そして前述のラファエル・シルバ選手の4名です。
矢島選手と長澤選手はレンタル移籍からの復帰ですが、この4人は全員前所属チームでは背番号10というエースナンバーを付けていた選手なのです。
ご承知の通り、サッカーにおける背番号10というのは、そのチームのエースが付ける番号です。所属先の力量は様々とはいえ、チームの顔と言える背番号10の選手を4人も移籍入団させるというのは、珍しく且つ成果が期待できるというものです。
更にご承知の通り、浦和レッズの背番号10はMF柏木選手。元背番号10の4人が、柏木選手から背番号10を奪う様な、活躍を期待したいですね!
昨シーズン惜しくもJリーグの年間チャンピオンの称号を手に入れる事ができなかった年間勝ち点1位の浦和レッズ。
ミシャ監督就任6年目の今シーズンは、是が非でもタイトルを手に入れるという宿願の達成に燃えています。
前クラブで背番号10を背負った4人の新戦力も含めて、新旧の総合力で2017年Jリーグを盛り上げてくれる筈です。
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