東京ヴェルディに初のヨーロッパ人指揮官がやって来た。名門クラブ再建を任されたミゲル・アンヘル・ロティーナ監督

現在J2の東京ヴェルディは、Jリーグ創設時代にはヴェルディ川崎と言うクラブ名で、Jリーグ開始時の10クラブの一つであるオリジナル10に名を連ねている名門クラブです。
現在はJ2に定着してしまっていて、ここ数年は上位に浮上することができずに低迷しています。そのクラブに、スペインで名門クラブを率いていた監督がやって来ました。その人の名前はミゲル・アンヘル・ロティーナ(以降、ロティーナ監督と表記)と言います。

by Zimbio

栄光の歴史を有するクラブ

東京ヴェルディは、Jリーグ創設以前から日本を代表するサッカークラブである読売サッカークラブがその前身です。
1968年の全日本大学サッカー選手権大会で優勝した東京教育大学蹴球部(現在の筑波大学蹴球部)で監督をされていた成田十次郎さんが、1969年に東京教育大学の一部の選手を連れて初代監督に就任してクラブが創設されました。
Jリーグが創設される1993年までに、日本サッカーリーグで5度優勝、天皇杯に3度優勝をするなど、日本サッカーをけん引する名門クラブとして知られていました。
そしてJリーグが開始された1993年、当時10クラブで開始したJリーグのチームの一つとして、クラブ名を読売サッカークラブからヴェルディ川崎と変更してJリーグに臨み、初年度見事にリーグ優勝を成し遂げているのです。
今やお茶目なサッカー解説者としての地位を確立している松木安太郎さんがその時の監督というのは、現在では余り知られていませんが、松木さんはJリーグの初代優勝監督なんです。しかも翌1994年も優勝して二連覇している監督さんなんです。
当時は、現在横浜FCの三浦知良選手、解説者でありタレントの武田修宏さん、ラモス瑠偉さん、解説者であり日本障がい者サッカー連盟会長の北沢豪さん、今シーズンはガイナーレ鳥取の監督だった柱谷哲司さん、解説者の都並敏史さんなど、当時の日本代表選手が勢ぞろいしているスター軍団でした。
しかしその後チーム力は徐々に下がり始め、名門クラブは遂に2006年J2に降格してしまいます。2007年シーズンはJ2で二位になり一年でJ1に復帰を果たしますが、翌2008年シーズンは17位となって再びJ2に降格。そして現在までJ1に復帰することができずに、J2に定着してしまっているのです。

by Jleague.jp

これまでの歴代監督

ヴェルディ川崎の初代監督である松木安太郎さん以降、今シーズンまでに18名の方が監督に就任されて来ました。(代行監督は除く)
1993年1994年と2連覇した後、1995年は現在ヴィッセル神戸を率いるネルシーニョ監督が第2ステージ優勝を果たしますが年間では2位となり、翌1996年はエメルソン・レオン監督となってリーグ戦は7位に後退するも天皇杯を制覇します。
その後、2004年にオズワルド・アルディレス監督時代に天皇杯を制したのがクラブとしての最後の優勝で、これ以降優勝からは遠ざかり、J2に降格してしまいます。
監督の就任期間はとても短いのがこのクラブの特徴と言えます。日本人の監督就任は、クラブのOBの方が大半を占めており、加藤久さん、 川勝良一さん、小見幸隆さん、ラモス瑠偉さん、高木琢也監督(現Vファーレン長崎監督)、 三浦泰年さん、 冨樫剛一さんが監督を勤めてこられました。
外国人監督はブラジル出身監督が多数を占めます。ネルシーニョさん、エメルソン・レオンさん、 バウディール・エスピノーザさん、ニカノール・デ・カルバーリョさん、ロリ・パウロ・サンドリさん、 バドンさんがその例です。
異色なのが、韓国人監督の張外龍さんと、アルゼンチン人監督のオズワルド・アルディレスさんでした。そして来シーズンから、クラブ初のヨーロッパ人監督となるロティーナ監督が就任する事になったのです。

by LAUGHY

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ブラジルカラーからの脱却

東京ヴェルディに初めてヨーロッパ人監督の就任が決まった事は、ある種驚きの感があります。それは、読売クラブ時代から圧倒的にブラジル色の濃いクラブだったからです。
このクラブの監督就任にはある法則があります。Jリーグが始まった1993年から現在までの24年間を三分割してみるとその傾向が良くわかります。
第一分割期はブラジル人監督が歴任し、第二分割期は試行錯誤し、第三分割期はクラブOBの日本人監督が歴任しています。
外国籍選手もブラジル人選手が圧倒的に多く、それ以外でも三浦知良選手はブラジルでプロになった選手であり、ラモス瑠偉さんはブラジルから日本に帰化しているなど、チームカラ―はブラジル的なクラブと言えます。
そのクラブがヨーロッパ人監督を招聘した事は、何かを変えたいと言う現れに他ありません。現在の低迷状態から、大きく転換を図りたい狙いがあると思われます。

by Middle Edge

守備を重視するロティーナ監督のサッカー

新監督のロティーナ監督はスペインのビスカヤ県出身の59歳のサッカー指導者です。
1976年にCDムンギアというクラブでプロサッカー選手としてのキャリアを開始して、1988年に現役を引退しました。
その後1990年CDログロニェスBで監督業を開始してから現在まで、主としてリーガ・エスパニョーラのクラブを歴任しているキャリアのある監督です。
監督実績としては、RCDエスパニョール監督時代にコパ・デル・レイ(スペイン国王杯と呼ばれるスペイン最古のサッカー大会)で優勝を果たしています。
一方で、2007年レアル・ソシエダ、2011年デポルティーボ・ラ・コルーニャ、2012年ビジャレアルCF監督時代に、合計3回クラブを2部に降格させている事から、スペイン国内では”降格将軍”とも呼ばれているという事実があります。
守備を極端に重視するサッカーを展開する監督として知られ、デポルティーボ・ラ・コルーニャ時代には、スペインでは珍しい5バックを採用して徹底的に守りを固める戦術を採用しましたが、極端に攻撃力に欠けて結局2部に降格したという言われがあります。
低迷する東京ヴェルディを再建する為、先ずは負けないチームを作り上げる目的で、守備重視のロティーナ監督を招聘したと思われますが、スペインでの過去実例からすると、得点力とのバランスを持ったチーム作りができるのか、不安は残ります。
しかし、クラブの意志を感じる事はできます。ブラジルスタイルの東京ヴェルディが、守備重視のスペイン人監督を就任させた意味の真価が、来シーズン問われています。

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うまいのになかなか勝てないジレンマ

ボール保持率はリーグでもトップクラスで、戦術的にはつないでくるスタイル。個々の選手はみんなうまいし、それでいてよく走る。スプリント回数もウチの1.5倍位のデータを残している。警告や退場者数も多いが、それも戦っているという証拠だろう。

こう語るのは、松本山雅の反町監督。格上チームの監督からみた東京ヴェルディ評です。
仰る通りのチームが東京ヴェルディだと筆者も思います。しかし、今シーズンの成績は10勝13分19敗の18位。最下位ギラヴァンツ北九州が8勝14分20敗ですから、東京ヴェルディの戦績は言わずもがなで、決して好成績とは言えません。
悪いチームではないのに成績が伴わない。これが今の東京ヴェルディの最大の課題です。得点への執念、盤石な守備、相手を翻弄する戦術パターンなど、課題は見え隠れしています。
来シーズンから指揮を執るロティーナ監督は、先ずは守備的に戦う事が予想されます。あれもこれもという課題設定での改革よりも、一点に特化する手法がどうはまるのかが見ものです。

by 東京都

Jリーグ創世記に2連覇した華麗なる東京ヴェルディが、どう変わって上位を狙うのか、来シーズンのロティーナ体制が楽しみですね! 

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