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【JリーグCS】チャンピオンシップはドリブラーに注目!後編

hirobrown

2016/11/23 13:01

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NEWS

 いよいよ始まる明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ(以下CS)。

 集中力が研ぎ澄まされた緊迫感溢れる試合展開が予想される中、拮抗したチーム同士の戦いを左右するのは個人で局面を打開できるドリブラーとなるでしょう。

 前回の記事「【JリーグCS】チャンピオンシップはドリブラーに注目!前編」では、現代サッカーにおけるドリブラーの役割、または現在のJリーグにいるドリブラーの傾向などを説いてきました。

 この後編では実際に今回のCSに出場する浦和レッズ、川崎フロンターレ、鹿島アントラーズに在籍するドリブラー達と彼等を活かすチームのメカニズムについて徹底解析します!

01_%e9%87%91%e5%b4%8e%e5%a4%a2%e7%94%9fトップ下からウイングへ、現在はFWとしてプレーする鹿島・金崎。鋭角ドリブルだけではない多彩なアタッカーに進化した。by livedoor News

【鹿島】4バックの2列目はゲームメイク兼任のドリブラー

 まず今回のCSに登場するチームは、浦和が3バック、川崎が3バックと4バックの併用、鹿島が4バックを採用していて、3チーム共にあまり似ておらず、それぞれに特徴があります。

 その中で4バックを貫く鹿島のMF土居聖真選手や遠藤康選手、中村充孝選手のようなドリブラーは、<4-2-2-2>や<4-2-3-1>の2列目に配置されます。彼等は確かにドリブルで仕掛けられる選手ではあるのですが、サイドで起用されたとしてもボール保持時は中央によってサイドのスペースはサイドバックに使わせるような動きをとります。

 また、サイド攻撃時にはそのサイドバックとの連携で仕掛けたり、中央突破時は中央に密集した距離感をとり、ドリブルやワンツーでフィニッシュに絡む仕事を担います。ドリブラーでもありますが、個人で打開するチャンスメイカーというよりは複数での攻撃の構築によるゲームメイクに絡むプレーメイカーとして起用されるのが、鹿島のドリブラーの特徴と言えるでしょう。

 そんな鹿島で注目のドリブラーはFWに入る(元?)日本代表の金崎夢生選手。

 大分トリニータ時代は若手が多く攻守にハードワークするチームでトップ下を任され、自由を与えられる中で想像力溢れるプレーを披露。組織よりも個で勝負するチームである名古屋グランパスへ移籍後はウイングで起用され、縦への推進力でドリブル突破力を活かし、リーグ優勝にも貢献。ドリブルで相手を抜くプレーにはフェイントのような足技を駆使するか、緩急とコースの変化がありますが、彼のドリブルは後者で、その鋭角ドリブルに魅力があります。

 そんな金崎選手は2012年シーズン限りで名古屋を退団後、約2年間に渡ってドイツとポルトガルでプレー。出場機会に恵まれなかったドイツ時代を経て、ポルトガル移籍後はボールのないところでの動きや1対1の球際の競り合いでの強さに磨きをかけました。そして、持ち味の積極的なドリブル突破は、より得点に直結するように使い、いつしかポジションも1トップも務められるFWになりました。

 球際に強くてハードワークができるドリブラーの選手がブラジルサッカーの影響が濃い鹿島で軸としてプレーする姿は、チームを象徴する選手となっています。

【川崎】三好を筆頭に台頭する新たなドリブラー&3列目からの刺客

02_%e5%a4%a7%e5%b3%b6%e5%83%9a%e5%a4%aa『3列目からの刺客』ボランチの位置からのドリブルという日本サッカー新時代の到来を予感させる川崎・大島(右)by Legends Stadium

 続いて3バックと4バックを併用する川崎には、やはり右のウイングバックにドリブル突破に魅力があるブラジル人DFエウシーニョ選手が入ります。

 左サイドに入るDF車屋紳太郎選手はドリブラーというわけではないですが、3バックのウイングバック起用時には必然的にドリブルの割合は増します。こちらは風間八宏監督が筑波大学の監督時から指導していた事もありますが、「ビルドアップ能力に長けるDF」はドリブルにも非凡なモノを持っている事を証明しており、新時代のサッカーのエッセンスを持っている事を感じさせてくれます。

 新時代と言えば若手のMF三好康児選手やMF中野嘉大選手が、風間監督の就任5年目で完成度の高いパスサッカーが浸透したチームの中で、良いスパイスとなるドリブルを披露しています。特に三好選手は先日のU19日本代表でアジア制覇にも貢献したユース出身の2年目。今季限りで風間監督が退任する事になっても、現在のスタイルを継続したいクラブにとっての期待のホープです。

 そんな川崎で注目のドリブラーは日本代表MF大島僚太選手。ドリブラーよりもパサーのイメージの方が強いかもしれませんが、決してワンタッチでシンプルにプレーするばかりではなく、ボールを持ち出してマーカーを搔い潜るドリブルにも魅力があります。

 ドリブルには「運ぶ」「抜く」「引き付ける」と大まかに分けると3つの種類があります。大島選手は決して「抜く」ドリブルはあまり見せませんが、「運ぶ」や「引き付ける」のようなキープするドリブルで相手を抜いてしまえる今までにいなかったドリブルを見せる選手です。

 また、3列目となるボランチを定位置としながら、ドリブルも多様するプレースタイルという意味でも、日本サッカーの新時代の到来を予感させる選手でもあります。

次ページ:決勝で待ち構える浦和のドリブラーは?

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