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ステージ優勝も狙える絶好調のヴィッセル神戸を支えるDF高橋祥平の「前で奪う守備」は攻撃力だ!

hirobrown

2016/10/21 22:01

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NEWS

自身も含めて実力派CBが揃う神戸で”脱皮”

03_%e5%b2%a9%e6%b3%a2%e6%8b%93%e4%b9%9f岩波(写真)や伊野波、北本と実力者が揃うCB陣には、「勝負師」ネルシーニョ監督の下で熾烈なポジション争いがある。by VISSEL KOBE

 高橋祥平選手はもうすぐ25歳になるDFで、主にセンターバックを務めていますが、サイドバックやボランチもこなし、3バックでも4バックにでも対応できるオールラウンドな能力を兼ね備える選手です。

 神戸のCB陣には今夏のリオディジャネイロ五輪メンバーに選出された岩波拓也選手、2014年のFIFAブラジルW杯メンバーにも選出されるなど日本代表経験が豊富な伊野波雅彦選手が在籍。神戸一筋で35歳のDF北本久仁衛選手も含めて実力派CBが揃っています。

 そして高橋祥平選手自身も小学生の頃から在籍する生え抜きだった東京ヴェルディでは、17歳にしてトップチームのレギュラーの地位を確立した実力派。ただし、10代の頃からも負けん気の強さや積極性、ボール際の強さが、そのまま警告や退場処分の多さとなって姿を現す事が多々あるのを問題視されていました。

 2013年にJ1の大宮アルディージャへと完全移籍してからもレギュラーとしてピッチに立ち続けるものの、その課題は変わらず。チームも2014年にJ2降格。在籍2年で神戸への移籍を決断しました。それでも彼は昨季も神戸でレギュラーとしてプレーしていましたが、今季から4年ぶりにジュビロ磐田から復帰加入した伊野波選手にポジションを明け渡していました。

 特に第2ステージに入ってからは第8節に途中出場するまで1度も出番がなく、ベンチからも外れる試合があったほど。それでも伊野波選手の出場停止で先発出場の機会を得た第9節のG大阪戦でアウェイながらも完封勝利に大きく貢献。続く首位・浦和との試合ではこれまでの4バックから3バックに変更して挑む中、左CBとして「前でボールを奪う」積極的な守備で金星に貢献しました。

 ルヴァン杯決勝でも激突した現在のJリーグを代表する2チームに連勝。プロ入り後8年目にして初めて経験する長いベンチ生活の中、あり余るほどの闘争心は熾烈なポジション争いに向け、自らを見つけ直して冷静さを体得。自信と迫力に満ちた高橋祥平選手はレギュラーの地位を奪回しました。今季警告は僅かに1枚に止めてもいる「新・高橋祥平」となって絶好調のチームを支えています。

攻撃に直結させる「前でボールを奪う守備」は海外でこそ活きる!

04_%e9%ab%98%e6%a9%8b%e7%a5%a5%e5%b9%b3首位・浦和に勝利した第10節。相手の司令塔MF柏木からボールを奪いに行く高橋祥平。彼の積極的な守備がそのまま攻撃に直結する事で神戸は大幅に得点力を上げている。by VISSEL KOBE

 もちろん、Jリーグ創世記のヴェルディやブラジルの強豪クラブ、2011年には柏レイソルをJリーグ史上初のJ1昇格初年度のリーグ優勝に導くなど、「勝負師」として就任したチームを多くのタイトルに導いてきたネルシーニョ監督の存在も大きかったはず。そして、高橋祥平選手はそんな外国籍監督に好まれるようなプレースタイルを持っているのも事実です。

 Jリーグの試合では、特に日本人監督のチームでは、どうしても守備ブロックを構築した上で、そのポジションを捨てて「前に出て奪う」守備を選択するリスクを嫌う傾向が強く、逆に日本人のDFも対人能力を含めて「前で奪う」強さに欠けるのも日本人監督がそうした守備戦術を選択する事にも繋がっていると考えられます。

 そんな中、常に前に出てインターセプトを狙う攻撃的な守備を持ち味とする高橋祥平選手は、Jリーグ全体を見渡しても稀なプレースタイルを持つDFです。セットプレーからの得点も多く、流れの中からでも攻撃参加してフィニッシュに持ち込むことが多い選手でもあります。

 ネルシーニョ監督の下、DFラインを押し上げては後方を突かれ、DFラインを下げては単発な攻撃に終始する試行錯誤が続いた神戸でしたが、ここへ来て攻守の歯車が最高のバランスで噛み合って来ました。

 それは高橋祥平選手がスプリント(全速力)してボール奪取する事が多く、その守備から攻撃への切り替えの瞬間に高橋祥平選手自身がドリブルでボールを持ち上がったり、展開力に長けている事で、その「前で奪える」守備力はそのまま攻撃力の強化に直結しているのです。

 彼は現在まで日本代表に選出された事はなく、下部年代の代表でも十分な足跡を残すような活躍はしていません。しかし、より国際的な舞台でこそ彼の「前で奪える守備」は活きるはずで、彼は海外でこそ活きるプレースタイルを持つDFだと考えられます。

 日本代表やJリーグを欧州と比較しがちなヴァヒッド・ハリルホジッチ日本代表監督ですが、それならば、この高橋祥平という身体能力も高い日本人離れした個人守備戦術を持つ稀有なDFを招集するのもアリではないでしょうか?

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