【代表戦特集】今夜、日本代表と激突!タイ代表ってどんなチーム?《動画あり》
今夜の21時15分に開催される2018FIFAワールドカップ・アジア3次予選において、アウェイで日本代表はタイ代表と激突します。日本代表とタイ代表が最後に試合をしたのは、2008年6月14日に開催された2010FIFAワールドカップ・アジア3次予選以来です。その際は日本がタイを3-0で圧倒しましたが、現在のタイは強化が進み「東南アジアのバルセロナ」という異名を持っています。代表戦前にタイ代表のベールを剥がしていきます。
「東南アジアのバルセロナ」タイ代表
タイ代表は東南アジア屈指の強豪と言われています。東南アジア選手権(AFFスズキカップ)を4回制覇(東南アジア各国で最多)、2018 FIFAワールドカップ・アジア2次予選ではイラクと2度引き分けてグループ1位で予選突破しました。W杯2002年大会予選以来の最終予選進出であり、東南アジアで唯一最終予選を戦うナショナルチームとなりました。
タイ代表の特徴は、ショートパスを緻密に繋げ合わせた「ポゼッション・フットボール/ティキ・タカ」に近いパスサッカーを展開します。美しいパスワークは「東南アジアのバルセロナ」と賞賛されるほどで、流れるような攻撃で格上のイラクを追いつめました。
タイ代表のパスサッカー
近年はタイにルーツを持つ外国生まれの選手を受け入れたり、タイ・プレミアリーグの競技力向上で代表強化が進んでいます。育成と外部からの補強をバランスよく行っており、チャンスがあれば欧州クラブにステップアップした代表選手もいました。成長期の日本代表に似たものがあり、今後も更なる発展が見込まれています。
主力選手達はJリーグクラブにも関係あり
タイ代表の主力選手達はACLでの対戦や練習参加などで、関わりがある場合があります。以下の3選手はタイ代表のキーマンであり、Jリーグクラブと縁がある選手達です。
ティーラトン・ブンマタン-魔法の左足-
プレースキックの名手であり、左足から蹴り出されるシュートは非常に精度が高いです。去年のACLで対戦したガンバ大阪vsブリーラム・ユナイテッド戦において、彼が放つコーナーキックはガンバ大阪のゴールネットに吸い込まれ、ガンバ大阪のホームでも見事なフリーキックを決めました。その左足のキックは、元日本代表の中村俊輔選手と比較されます。
チャナティップ・ソンクラシン-タイのメッシ-
2012年の東南アジア選手権において、同大会史上最年少記録でMVPに輝いた天才。重心の低いドリブルで駆け上がり、ファイナルサード(ゴール前)で決定的な違いを作るセンスは一級品です。彼は2013年11月には清水エスパルスに練習参加をしました。海外リーグに強い志望を抱いており、将来Jリーグクラブに移籍する可能性があります。
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クルークリット・タウィーカム-小さなグラディエーター-
小柄なレフトウィンガーであり、力強さとアジリティを兼ね備えた選手です。最大の長所は爆発的な加速力と162㎝と小柄ながら、当たり負けしない強靭なフィジカル。くわえて、DFの隙間を縫うようにゴールを決める決定力と縦横無尽に走り回る運動量も備えています。ヴェルディ東京が練習参加のオファーの噂が出たり、今年のACLプレーオフにてFC東京と対戦しました。
これらの選手以外にスペイン1部(2014-2015シーズン当時)UDアルメリアに移籍したFWのティーラシル・ダンダ選手やスイスユース代表でU-17W杯を優勝したシャリル・シャピュイ選手など強力な選手を多数抱えています。
飛ぶ鳥を落とす勢いのタイプレミアリーグ
タイの国内リーグであるタイ・プレミアリーグは、東南アジアでも最も勢いがあるリーグと言われています。特にブリーラム・ユナイテッドの活躍は素晴らしく、2013年のAFCアジアチャンピオンズリーグではベスト8入りを果たしました。同クラブはイングランドの名門アーセナル出身のジェイ・シンプソン選手を補強したり、ベルギー屈指の強豪であるRSCアンデルレヒトで活躍するフランク・アチェンポン選手を輩出しました。他にもムアントン・ユナイテッド、チョンブリー、BECテロ・サーサナなどがリーグ内で覇権を争っています。
現在タイ・プレミアリーグにおいて日本人選手は10人在籍しています(練習生や下部リーグ及びリザーブ登録除く)。清水エスパルスで活躍した青山直晃選手は、2015年にタイの強豪ムアントン・ユナイテッドへ入団。今シーズンはレギュラー出場が多く、リーグ有数のCBと高い評価を受けています。また、ヴィッセル神戸で監督を務めた和田昌裕さんが、今年の9月にシーサケートFCの監督に就任しました。このように日本人と関係が深いリーグであるため、日本人プレイヤーの対応に馴れている可能性が高いです。
今夜の代表戦はどうなる?
日本代表との通算対戦成績は、20試合14勝4引き分け2敗と日本がタイに大きく勝ち越しています。しかし、2008年から対戦していないことを考えると未知数な部分が多いです。実際にW杯2次予選において、格上と目されたイラク代表に2引き分けでグループリーグを首位通過。これらの結果を踏まえるとタイ代表は、以前の弱小国というイメージを払拭しました。長い3次予選において最も勝ち星を計算できそうなタイ代表戦は、絶対に落せない試合になります。日本代表にはタフな戦いが求められますが、W杯出場に向かって頑張って頂きたいです。