外国人大幅入れ替えのヴァンフォーレ甲府。ダヴィの獲得にある”前例”とは?

J1リーグも2ndステージの中盤戦に差し掛かり、残留争いにも現実味が帯びてきました。ヴァンフォーレ甲府は勝点20で15位と、降格圏ギリギリの順位に沈んでいます。さらに、前半戦大活躍のクリスティアーノ選手が退団。リーグ最多失点である守備陣の改善に加え、彼の抜けた穴を埋めることが残留に向けては必要不可欠でしょう。


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想定外だった外国人選手の退団ラッシュ

事の始まりは、今年1月に加入したジウトン選手。鹿島アントラーズやアルビレックス新潟でプレーした経歴を持つサイドバックは、サポーターから期待を抱かれていましたが、シーズンが始まる前にチームを去ってしまいます。

チームはニウソン、クリスティアーノ、ビリー・セレスキーの3選手を開幕前に獲得し、3月中旬にはナイジェリア人ストライカーのチュカ選手の加入を発表。結局4人の新外国人選手を揃えて1stステージを戦いました。


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しかしチーム得点王のクリスティアーノ選手とは対照的に、ニウソン選手はリーグ戦0ゴール、チュカ選手も1得点と全く結果を残せません。

そして6月22日にクリスティアーノ選手が柏レイソルに電撃移籍すると、ここで大きく舵を切ります。7月20日にニウソン選手との契約を解除し、8月3日にはチュカ選手も放出。さらにイ・ヨハン選手の練習参加の影響で、ビリー・セレスキー選手の立場も危うくなっています。つまり、シーズン前に所属していた5人の外国人全員が放出されてしまう可能性もあるのです。

代わりに加入した”お馴染みのメンバー”

彼らの代役として、ここまで3人のブラジル人選手の加入を発表しています。7月頭に元柏のFWドゥドゥ選手を、その後もマルキーニョス・パラナ選手、ダヴィ選手といった甲府でのプレー経験のおある選手を呼び戻しました。「Jリーグを知っている」外国人にチーム再建の命運を託します。

ドゥドゥ選手プロフィール


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名前:ドゥドゥ
生年月日:1990年4月21日(26歳)
ポジション:フォワード
身長:180センチ
J1通算成績(加入前):14試合5得点
特徴:フィジカルが強く、迫力満点のドリブルが持ち味。柏時代はクロスに合わせる形も多く、得点感覚に優れるFW。

マルキーニョス・パラナ選手プロフィール


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名前:マルキーニョス・パラナ
生年月日:1977年7月20日(39歳)
ポジション:ボランチ
身長:172センチ
J1通算成績(加入前):102試合2得点
特徴:これで甲府に3度目の加入となったベテランボランチ。守備力の高さが売りで、競り合いにも強さを見せる。

ダヴィ選手プロフィール


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名前:ダヴィ
生年月日:1984年3月10日(32歳)
ポジション:フォワード
身長:183センチ
J1通算成績:114試合46得点
特徴:パワーあふれるストライカー。相手DFを独力で突破できる強引さが持ち味。

そんなJリーグファンにはお馴染みの3選手ですが、ここまでは明暗がはっきりと分かれています。最もインパクトを残しているのはドゥドゥ選手。鹿島戦のスーパーゴールを含め、ここまで4試合で2得点を挙げています。経験豊富なマルキーニョス・パラナ選手も、すぐに出場機会をガッチリと掴みました。

逆に心配なのはダヴィ選手。加入数日後の川崎戦に途中出場でデビューしましたが、一発退場を命じられるなど散々な結果になりました。コンディションも悪く、本調子とは程遠いパフォーマンスで、サポーターの方も不安が募るプレーとなったはずです。

堅守速攻の甲府は残留を成し遂げられるか

しかし、残り10試合と考えると彼らの獲得は正しい判断だったといえるかもしれません。特にFWの2人はJリーグでの実力は実証済みで、個人技で得点の奪える選手。5-4-1のように完全なブロックを敷いて守備をする甲府にとって、「起点が作れて個人技に長ける」FWは非常に助かります。そのような意味でも、DFのプレッシャーを受けても失わないキープ力、低い位置からでもゴール前まで運べるドリブルを持つ2人の獲得は頷けます。

問題はやはりコンディション面。ダヴィ選手はこれまでも好不調の波が激しいことが課題でしたが、今回も体は絞りきれていません。そこには真夏に加入した影響も少なからずあるはずです。甲府サポにとっても、まさに祈るような気持ちで見守っていることでしょう。

ダヴィを呼び戻した意味 前例が示す浮上への道


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昨年の序盤戦も下位に低迷していた甲府。最終的には途中加入のバレー選手の活躍がチームを残留に導きました。彼も2006年まで甲府に在籍しており、2005年にJ1昇格を果たした時の立役者。そしてダヴィ選手も再昇格を決めた2012年に甲府に在籍し、38試合で32得点の大活躍。J2時代のチームを知る選手を、2年連続で呼び戻したのは単なる偶然でしょうか。

昨年のバレー選手も本調子ではないながらも、チームを引っ張る強い気持ちを前面に出すスタイルで22試合で8得点を記録。ダヴィ選手にはバレー選手の半分ほどしか時間が残されていませんが、チームは幸いにも残留圏内。残された試合でのダヴィ選手の活躍に、期待せずにはいられません。

彼らの引っ張る攻撃陣が覚醒し、主将の山本選手が離脱中の守備陣に安定感が戻れば、甲府は残留に近づくことができるでしょう。今季はずば抜けて勝点の少ないチームがなく、終盤まで3枠を争いながらの戦いとなることが予想されます。

得失点で最も不利なチームは早めに浮上のきっかけを掴めるか、さらには新加入の3選手がどこまで変化をもたらすのか、そして佐久間監督は”残留”というミッションを成功できるか。今後のヴァンフォーレ甲府の戦いぶりに注目しましょう。

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