新シーズン布陣予想 Vol.2 マンチェスター・ユナイテッド”かつてのライバルを復権の切り札に”

サー・アレックス・ファーガソン元監督が退任して以来3シーズン迷走が続くマンチェスター・ユナイテッド。悩める以前のプレミアの盟主は復権の切り札として、2度チェルシーで指揮を執り、ユナイテッドのライバルとして立ちはだかったジョゼ・モウリーニョ氏を招聘。豊富な資金力を持つ名門の補強を占います。

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前線


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一ヶ月ほどに渡って囁かれているのがズラタン・イブラヒモビッチの加入は6月30日に決定。リーグ・アン昨季30試合で38得点を記録した決定力は依然健在です。ただ、パリ・サンジェルマン(PSG)より周囲のサポートに恵まれないユナイテッドでうまくいくか。フィジカルに衰えが見られる一方、プレミアリーグのフィジカル勝負は熾烈で意外に苦しむ結果になるかもしれません。そもそもイブラを獲得すべきかと言われると微妙なところかもしれません。
そのイブラヒモビッチのサポート役として獲得したのがドルトムントのチャンスメーカー、ヘンリク・ムヒタリアン。サイドアタッカーとしてもちゃんと結果を残しているこのアルメニア代表なら、トップ下でポジションを見つけられずユナイテッドでは失敗に終わった香川真司の二の舞は避けられるでしょう。

守備陣


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既に獲得が決まっているのはビジャレアルのコートジボワール代表DFエリック・バイリー。1994年生まれで将来性はありますが、トップリーグでのレギュラー歴が1年のみだったり、背中に爆弾を抱えていたりと身体能力頼みの守備を含めすぐさまレギュラーを掴み取れるとは言い難いです。モウリーニョとしてはチェルシー第二次政権時のクルト・ズマのように育てたい意向があるのでしょう。1年目は控え扱いと見て良さそうです。
その他の補強候補となると、経験値が高く優秀なDFとなるわけですが、厳しいものがあります。推薦したいのはバレンシアのドイツ代表DFシュコドラン・ムスタフィ。過去にエバートンに所属しており、プレミア経験があるのが強みです。ドイツ代表だとシャルケのベネディクト・ヘーベデスも選択肢としてはアリですが、シャルケ側の徹底抗戦に遭いそう。CL権を保持していないバレンシア所属のムスタフィが最適のように思われます。
サイドバックは左は今季大怪我を負いほとんど出場できなかったルーク・ショーが復活すればあとはルイス・ファン・ハール前監督が育てたユース出身の若手が複数控えており、不満はなさそう。右は1年目微妙な出来に終始したマッテオ・ダルミアンで、モウリーニョが彼をどう評価するかによっては補強ポイントか。補強に動くならベストチョイスはファビーニョ(モナコ/ブラジル代表)。攻撃的ですが守備力も十分で、中盤も出来る多才なサイドバックです。

中盤


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ファン・ハール前監督の下では出場機会の少なかったモルガン・シュナイデルランをモウリーニョが再評価する可能性があります。シュナイデルランのポジションはポール・ポグバ(ユベントス)やブレーズ・マテュイディの獲得が囁かれていますが現実味に乏しいとしか言いようがありません。両者共に既に所属クラブがチャンピオンズリーグ(CL)出場権を確保しており、わざわざCL出場権のないユナイテッドに移籍するでしょうか。疑問が否めません。(追記:史上最高額でポール・ポグバ移籍の合意に至った?とのニュースもあり)


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アンカーにはモウリーニョが古巣チェルシーで重用したネマニャ・マティッチを強奪するとの噂が実しやかに囁かれていますが果たして。司令塔はストライカーから見事な転身を果たした天才ウェイン・ルーニーに託されるか。ウイングにはアンソニー・マルシアルやジェシー・リンガードなど若い選手が揃っており、噂されているアダム・ウナス(ボルドー)を取る必要はないように感じられます。モウリーニョがチェルシー時代に放出したファン・マヌエル・マタはまたもや放出となりそうな報道がなされています。

総括すると、ヨーロッパリーグに比重を置くことはなさそうなため、プレミアに専念すれば昨季逃したCL出場権は獲得できるでしょう。ここ数年は失敗続きのユナイテッドですが、今季の補強は間違いのなさそうなものです。優勝できるかは微妙ですが、争いに加わることは十分に可能だと言えるでしょう。

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