サンフレッチェと森保監督に似ている?ラムジーの復活劇
大型補強ができない時期を見越し、アーセナルとヴェンゲル監督は10代の優秀な選手を獲得。自ら”アーセナル・ウェイ”を教え込みながら一流選手を育てる事で、何とかチーム力の維持と健全経営を貫きました。そして、若手選手に対するヴェンゲル監督の指導は特筆すべきものがあります。
特に2008年に18歳で加入したMFラムジー選手(写真)は加入2年目に全治1年近くを必要とする大怪我を負いました。10代で選手生命の危機に瀕する負傷により、肉体以上に精神的に落ち込むラムジー選手。復帰後も元のパフォーマンスに戻るまで1年以上かかり、低調な出来に終始するラムジー選手や彼を重用するヴェンゲル監督はサポーターからも大きな批判を受けました。
それでもラムジー選手を信じたヴェンゲル監督は、「基本に戻ってシンプルにプレーしよう」と成人したばかりの青年のそばに寄り添い、手取り足取りの指導で自信を取り戻させました。そして、2013-2014シーズン、開幕からMFながらも得点を量産するラムジー選手は9月の月間最優秀選手に選出。その隣には彼を信じ続け、同月の全勝により月間最優秀監督に選出されたヴェンゲル監督の姿がありました。
「無いモノねだりの世の中に、今、『何があるのか?』を思い出させることが重要だった」と語ったヴェンゲル監督の重みのある言葉は感動的でした。また、このシーズンに公式戦16ゴールを記録したラムジー選手は、シーズン最後のFAカップ決勝で8年連続無冠に終始を打つ決勝点を挙げ、ヴェンゲル監督に9年ぶりのタイトルをプレゼントした孝行息子となったのです。
浅野選手が過ごしたサンフレッチェ広島の森保一監督もまた、ヴェンゲル監督に似ている部分があります。プロ入りから2年以上経っても無得点だったFWに信頼を置き、「持ち味を思い切って出せ」とアドバイスを受けた浅野選手は、「もう失敗しても何も怖くない」と自慢のスピードを強烈に押し出せる選手となり、2015シーズンに全て途中出場からの得点ながら8ゴールを記録してJリーグのベストヤングプレーヤー賞に輝き、チームの年間優勝に大きく貢献しました。
また、何度もオーバートレーニング症候群で引退の危機に瀕したMF森崎浩司選手には、「浩司、しんどいだろ?でも、しんどい自分を好きになってみたらどうだ?『マイナスなことを考えてしまう自分も好きだ』、『朝起きるのが嫌な自分も好きだ』『ミスをして大きく落ち込む自分も好きだ』そう思ってみるのもいいんじゃない?」そう言われた森崎浩司選手は、「今日も自分が好きですから」と言い、35歳となった現在も現役を続けています。
アーセナルとサンフレッチェを繋ぐ浅野の活躍を応援しよう!
by ひろスポ!
クラブの経営状態に翻弄されながらも理解を示し、主力選手の相次ぐ移籍が頻発しても無いモノねだりをせず、若手や既存の選手を信じて強豪チームであり続ける。
アーセナルとヴェンゲル監督、サンフレッチェ広島と森保監督はすごく似ている気がします。
英国の労働ビザの基準となる『直近2年間の代表戦75%以上の出場』を満たしていないため、浅野選手が新シーズンにアーセナルでプレーするかどうかはわかりません。
しかし、この2つのクラブと2人の監督を繋ぐ存在となる浅野選手の活躍を応援したいと思います。
1 2