J3で試験導入中。ゴール横の追加副審について
最近、スポーツの世界では、人間の目による判定にとどまらず、映像による微妙な判定を認めるケースが増えています。
既にバレーボールやテニスの世界大会では、主審の判定に対してプレイヤー側からの請求によって映像判定が認められています。
サッカーの世界ではまだ一般的ではありませんが、他のスポーツの傾向を反映して改革は進み始めています。
Jリーグでもその動きが始まり、今年から追加副審という制度が始まりました。
少しご紹介致します。
by ドメサカブログ
基本的な審判体制
サッカーの試合では、主審と二名の副審によって審判員が構成されています。場合によっては第四の審判という四名体制で試合を判定するのが一般的です。Jリーグでは第四の審判を含む四人体制で構成されています。
主審は競技の全ての権限を有しています。副審は競技場のタッチラインの外側に各一名ずつ配置されて、主審を補佐します。主としてスローインとオフサイドを判定します。かつては線審と呼ばれていました。
そして第四の審判は主審と副審が職務続行不可能な場合に代理する審判ですが、選手交代のボードやアディショナルタイムの時間ボードを掲示もしています。
by Wikipedia
追加副審の役割
一般的に四名体制で行われるサッカーの審判員ですが、昨今のサッカーのスピード化や、他の競技の映像判定化を踏まえて、サッカー界にもその必要性が高まっている役割が追加副審です。
特に、ゴールエリアでのゴールの判定に重きを置かれています。つまり、ボールがゴールラインを割って得点になったか否かを厳密に判定する役割です。
主審は副審の位置からは、ボールが厳密にゴールラインを割っているのかどうか、判読ができない場合が多々あるのです。その問題を解消する為に要求されているのが追加副審なのです。
よくあるケースは、ゴール上部の水平なクロスバーにボールが当たってボールが真下に落下し、ゴールラインを割っているのか否かが解りにくい場合です。
ゴールの間近に主審も副審もいないので、微妙な判定にならざるを得ず、今まで判定で揉めたゲームも少なくありません。
そこで両サイドのゴールライン後方に1人ずつ立って主審をサポートするのが追加副審の役割です。
by NAVER
Jリーグの取り組み
余り知られていませんが、今シーズンからはJリーグでも追加副審を導入する事が決まって開始されているんです。
J1ではリーグ戦以外の二つのトーナメントで行われます。これは試験導入ではなく決定導入試合です。
それは、ヤマザキナビスコカップの準決勝4試合と決勝1試合。そしてJリーグチャンピオンシップ全試合(最大5試合)です。
J2では導入されませんが、J3では試験導入が決定されました。対象試合はJ3リーグの各節で1試合の予定です。既に5月22日のG大阪U23対SC相模原戦から開始されました。
ただ人員確保の観点から、今後定着又は拡大されるのかは未定です。
by 朝日新聞
ヨーロッパでの導入実例
追加副審制は以前から世代別の大会で試験的に導入されていましたが、2009年に新たに始まったUEFAヨーロッパリーグ(旧・UEFAカップ)で初めて年代を問わない大会で導入されました。
その後UEFAチャンピオンズリーグでも導入されているので、ご存知の方も多いのではないかと思います。
by SOCCER KING
追加副審の導入によって、ゴールエリア至近距離からの審判が実現することから、微妙な判定の向上が期待されると共に、副審の審判領域とストレスの減少が期待できることから、オフサイドの判定制度の向上も図れると言われています。
J1J2リーグ戦では導入されないので、どれだけ日本のサッカーに貢献されるのかは不透明ですが、世界的な導入傾向は注目する必要があるかと思います。