ヴィッセル神戸の外国人2トップのレアンドロ選手とペドロ・ジュニオール選手を紹介させて頂きます。彼らは破壊力があるコンビであり、双方とも役割を理解してプレーしている印象があります。この2人以外にも渡邉千真選手と小川慶治朗選手を含めた強力な攻撃陣も紹介します。
レアンドロ選手のキャリア
相手の裏をつく飛び出し、個人技での単独突破、味方を上手く使うインテリジェンス(サッカーにおける知性)が飛び抜けて優れた選手です。Jリーグクラブでは所属した殆どのクラブ(J初挑戦の大宮は除く)で破竹の活躍を示し、ゴールマシンと評価されています。特にガンバ大阪では、クラブ記録となる公式戦9連続得点(J1リーグ戦では6試合連続得点)をあげるなど、精強な選手であることが分かります。ところが彼は2015年に加入した神戸で不調に苦しみます。今シーズン復調した理由については後述します。
by VISSEL KOBE
ペドロ・ジュニオール選手のキャリア
足元の技術が優れていて、スピードも兼ね備えた選手です。神戸所属前は大宮、新潟、ガンバ大阪に在籍していました。新潟では1シーズン10得点と活躍しましたが、大宮やG大阪は不発に終わりました。単独でディフェンス陣をズタズタにする能力はありましたが、周囲との連携は不得手でした。しかし、神戸入団後は打って変わって活躍します。次の項で、なぜ彼が活躍したのかに言及致します。
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相互補完する2トップ
ネルシーニョ監督が就任してから、レアンドロ選手を獲得して攻撃力を上げる取り組みをしました。しかし、彼は出場すればそれなりに活躍しましたが、怪我やコンディションの不調によって思ったように他の選手と連携が取れませんでした。さらに、監督との不和でマルキーニョス選手が退団。それまで、レアンドロ選手はマルキーニョス選手や渡邉千真選手と2トップを形成していましたが、はっきりとした形ではまることはありませんでした。レアンドロ選手の真価は2トップで発揮されますので(1トップでも強力ですが、サイドに流れることが比較的多い)、マルキーニョス選手の退団は痛手でした。
新シーズンになり、ペドロ・ジュニオール選手と2トップを組んでから変化が起き始めます。それは、ペドロ選手がドリブルで仕掛けて、空いたスペースにレアンドロ選手が顔を出して決めきる形です。ペドロ選手は比較的アシストを好む選手ですので、ゴールゲッターのレアンドロ選手とフィットしたと見受けられます。この2トップは、J1第10節ジュビロ磐田戦で爆発します。レアンドロ選手の2得点とペドロ選手の1得点で磐田を圧倒(試合結果は4-1で神戸勝利)。このブラジル人コンビを警戒していた名波浩監督は、2人にやられたと嘆きました。このコンビは片方が個人技でいけば、片方はデコイ(おとり)の動きをするように、相互補完的な連携が取れている印象があります。更にペドロからのクロスにレアンドロが合わせるように、攻撃のバリエーションが非常に多いのも特徴的です。
2トップ以外の強力な攻撃陣
上記した二人の息があったコンビネーション以外にも、神戸の攻撃陣は強烈です。
スプリントを活かして攻守に貢献する小川慶治朗選手は、神戸のサイドにおいてなくてはならない人物です。彼の印象的なプレーは、第四節ガンバ大阪戦でタッチライン(コーナーエリア付近)からはみ出しそうなボールに追いついて、攻撃に繋げたシーン。彼の熱き闘志は神戸の攻撃を盛り上げます。
主将の渡邉千真選手はFC東京で17得点挙げたストライカーであり、昨シーズンも二桁のゴール(10ゴール)を決めました。チームメイトが慕うキャプテンシー(カリスマ性)と鋭い得点感覚で、神戸の攻撃を牽引します。神戸は外国人に依存しているチームと評価されることがありますが、実際は日本人選手も活躍しています。今後ブラジル人と日本人の連携が向上すれば、上位進出も夢ではないでしょう。
小川慶治朗選手by VISSEL KOBE