リオ前に突如現れたシンデレラボーイ。富樫敬真とはどんな選手なのか?
リオ五輪代表の親善試合、ガーナA代表戦で五輪代表デビュー&初ゴールを決めた富樫敬真選手。わずか1年足らずの間に大学サッカー部の一選手からオリンピック選手にまで登り詰めようとしている富樫選手について取り上げます。
たまたま隣で練習していたら…
by Kanto Gakuin
富樫選手は1993年8月10日にアメリカのニューヨーク州で生まれました。父親がアメリカ人、母親が日本人のハーフです。ちなみに富樫敬真の「敬真」はケイマン、アルファベット表記するとCaymanと書きますが、これは両親が新婚旅行でケイマン諸島に訪れたのが由来だそうです。小学校の頃に母親の母国・日本の横浜に移り住み、中学時代に横浜F・マリノスのジュニアユースに入団。しかし、ジュニアユースからユースへの昇格は至難の業。富樫選手も昇格を果たせず、日大高校、関東学院大学へと進学していきます。
奇跡の始まりは昨夏のこと。当時、怪我人が続出していたマリノスは紅白戦が出来ないくらいの人数不足に陥ります。仕方なく隣で練習していた関東学院大から選手を借りることに。その選手が富樫選手。その紅白戦でゴールを決めた富樫選手のプレーはエリック・モンバエルツ監督の目に止まり、8月に特別指定選手としてマリノスの一員になります。その後もモンバエルツ監督の評価を上昇させていった富樫選手は9月19日のFC東京戦でJリーグデビュー。デビュー戦で即ゴールを決め、結果を残した富樫選手は今冬、正式にプロ契約。初スタメンとなった今季1stステージ第3節アルビレックス新潟戦では先制点を決め、ついにU-23代表の手倉森誠監督の目にも止まります。そして5月11日、ガーナ戦で代表のユニフォームを纏い、芸術的なループシュートを決めてみせたのです。この活躍が評価されないはずもなく、5月18日から始まるトゥーロン国際大会のメンバーにも選出されました。若手の登竜門であるこの大会では、多くの若手選手がヨーロッパ進出の足がかりを得ています。ここで際立った活躍を見せれば、日本を飛び出す可能性すら秘めているのです。
“ハマのスアレス”は一気にスターダムへ?
大学までチャンスを得られなかった富樫選手。少ないチャンスを確実に活かしてのし上がってきたストライカーは”ハマのスアレス”を目指し−もっともモンバエルツ監督には元スペイン代表のダビド・ビジャ選手を参考にしろと言われたそうですが−、嗅覚を武器に一気にスターとなり、そして絶対的CF不在のマリノスのエースとなれるか。五輪代表にも、マリノスでも大きなチャンスを与えられている今、一時一時が富樫選手にとっては勝負なのでしょう。そのルックスによる女性人気を含め、大きな期待がかかります。