本格派ストライカー新潟FWラファエル・シルバ~今季も開幕3戦連発の得点王候補が負傷に悩まされる
やはり、今季も彼が得点王候補なのか?
明治安田生命J1リーグ第1ステージ開幕から3試合連続を含む4得点。その後も第6節のジュビロ磐田戦でも1得点を挙げて出場5試合で5得点。その後は無得点だったものの、今季は8試合出場5得点。
アルビレックス新潟の攻撃の仕掛けと崩しの両方を担うブラジル人FW、本名=ラファエル・ダ・シルバ選手のことです。
瞬発力を生かした抜群のスピードとトリッキーなテクニックを兼備する彼は、相手ゴールまでダイナミックに自らドリブルで持ち込んでフィニッシュまで完結してしまえる本格派のストライカーです。
昨季も得点王候補と思わせながらも、慢性的な負傷に悩まされる
by Jleague.jp
冒頭に「今季も」と付けていたのは、昨季も開幕からゴールを量産していたからです。
しかし、昨季のラファエル・シルバ選手はJ1リーグで7得点に終わりました。複数回に渡って長期離脱をしてしまったためです。彼はスピード系のアタッカーの選手には頻繁に起きてしまうハムストリングを筆頭とした肉離れ(筋断裂)を繰り返してしまうのです。
これは仕方がありません。あの誰もが認める「世界最高の選手」アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ選手でさえ、キャリア初期には1シーズンに複数回こうした負傷離脱を強いられていたのですから。
ただ、キャリアということを考えれば、現在24歳とまだまだ若いとも言えるラファエル・シルバ選手ですが、プロ選手としてのキャリアを始めたのがブラジルのコリチーバFCで20歳になる頃と遅め。当然ながら直ぐに出場機会も得らずにいました。
プロ契約から1年と少し経った2013年の夏、ラファエル・シルバ選手はスイス2部リーグのFCルガーノへ移籍。初年度にプロキャリアとして初めて1シーズン通してレギュラーを務め、26試合の出場で9得点を記録。チームは惜しくも1部昇格プレーオフで敗れるも、翌シーズンもルガーノに残留して開幕から3試合3得点と好調を維持していたいました。
その時に新潟からのオファーが舞い込んだのですが、加入後すぐに負傷を繰り返し、2014年後半戦でのJ1リーグ出場は7試合(1得点)のみに終わりました。
つまり、実質プロとしては4年ほどで、フルシーズン通してプレーしたのも1度だけというのが、現在までのラファエル・シルバ選手の実情です。メッシ選手もデビューから4シーズン目ぐらいまでは負傷を繰り返していたので、やはり仕方ないのです。
再び肉離れで戦線離脱。ただ、本当に痛いのは・・・?
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そんな中、好調だった今季もFWラファエル・シルバ選手は4月30日のJ1第1ステージ第9節・ヴァンフォーレ甲府戦で負傷。腓腹筋肉離れと診断され、再び全治約6週間と戦線を離脱する事が決まりました。
今季から就任した吉田達磨新監督の下、新システム<4-3-3(4-1-4-1)> とポゼッションサッカーを部分採用する新潟にあって、今季のラファエル・シルバ選手は右ウイングという新境地で推進力を発揮し、チームプレーとしての機能性も見せ始めていたところだったので非常に残念です。
とはいえ、開幕9試合で2勝2分5敗の15位と苦しんでいる新潟。今後は従来の2トップに移行して結果を優先させる可能性もあります。その時にラファエル・シルバ選手がいないのも痛い・・・。
ただ、それ以上に痛いのは、あまりにも高いポテンシャルを見せているだけに、彼が夏の移籍市場で成績が優れない強豪クラブへ引き抜かれてしまうことです。
現在も在籍するMFレオ・シルバ選手とDFコルテース選手もかなりの実力者であり、過去にはエジミウソン選手やマルシオ・リシャルデス選手、ペドロ・ジュニオール選手(現・ヴィッセル神戸)など新潟が発掘してきた、あるいは新潟で才能が開花したブラジル人選手は数多くおり、Jリーグの強豪クラブへ引き抜かれ行った歴史があります。特に点取り屋は要注意です。
豪華な攻撃陣を擁しながらも得点力不足に苦しみ、AFCチャンピオンズリーグで未勝利によるグループステージ敗退を喫したガンバ大阪辺りからの視線を感じるのは筆者だけでしょうか?