社会人サッカー漫画シューカツ~蹴活の魅力について、作者藤川努先生にインタビュー

今回は漫画配信サービスGANMA!で掲載されているサッカー漫画シューカツ~蹴活~(以降シューカツ)の紹介記事を掲載致します。

シューカツは社会人サッカーをテーマとしており、主人公の川島剛が社会人サッカーを通して成長する物語となっています。仕事とサッカーを両立の難しさや様々な魅力的なキャラクター達がいて、非常に面白いサッカー漫画です。シューカツの魅力を作者の藤川努先生にお聞きしました。


(C)藤川努/COMICSMART INC.

「優柔不断な主人公、川島剛は所属していたプロサッカーチームから戦力外通告をされ、会社員として第二の人生を歩み始める。 ある日、高校の同級生である元アイドル、朝花との再会により剛の人生は大きく変わる。社会人×サッカー漫画の挑戦を刮目せよ!」

シューカツ掲載サイト

社会人サッカー漫画シューカツとは

シューカツで主人公達のクラブは社会人リーグに所属しています。プロリーグではなく、JFLのような社会人リーグに着目した理由をお聞かせください。

仕事をしながらサッカー選手として活動するスタイルが素敵だと思ったからです。周りに社会人の友達がいて、みんな仕事に追われながら毎日が終わっていると思います。その中で剛(主人公)は忙しいけど、サッカーを続けたいと思いながらサッカーをやっています。

例えば、むかし音楽をやっていた人であれば、仕事後に音楽をやる「きっかけ」になれば良いなと思ってシューカツを描きました。きっと毎日が楽しくなると思います。そういった感じで仕事後に何かを取り組んでいる人に興味があったので、社会人リーグを作中の舞台にしました。

シューカツのストーリーには、キャラクターの日常があってドラマがあります。だから、選手全員がいろんな職業に就いているということは、いろんなドラマがあると考えています。


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シューカツの主人公達は日々の仕事をしながら、サッカー選手として活躍しています。何故、主人公をプロサッカー選手ではなく、社会人選手に決めたのですか?

プロという枠から戦力外を受けたキャラを描きたかったので、その引退後の姿として社会人に決めました。プロという場所はずっと居続けることは難しい場所だと思うのですが、挫折してから立ち上がることや続けることの工夫をこの漫画を通して僕自身も考えたいと思いました。

プロとして居続けることやプロを目指すことを考えた上で、「主人公達の幸せとはなんなのか?」という考えから僕の中でこうかなと思える答えを持って描いています。それにむかって話は進んでおりますが、作品を描いていくうちにまた答えは変わるかもしれません。


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シューカツは仕事とサッカーを両立している漫画です。先生の体験を踏まえたシーンなどはありますか?

僕自身が描いている漫画なので、自分の抱えている思いや今の状況によりますけど、無意識に自分への「応援漫画」を描いている感じがします。過去の作品もそういった傾向ですね。今回のシューカツは戦力外にされた選手が、もう一度挑戦する話です。僕も漫画家を続けてきて、連載している漫画が連載終了した経験を何度もしています。ただ、そういった辛い経験をすると続けられないかもしれないと、皆が思う気持ちは凄く分かります。

サッカー選手も戦力外にされる選手は凄く多いですし、一般的な社会人も多くの挫折などを経験すると思います。だけど、僕は挫折をしても挑戦し続けている人は、その時点で得していると考えています。僕も挑戦し続けていることにワクワクしています。僕は挫折しても次のステップへ行く時の気持を、主人公達を通して描いています。


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シューカツは香川県を舞台にしています。何故、香川県を舞台にしたのでしょうか?

僕の地元が香川県なので、香川県を舞台にしました。実は、過去の作品も香川県が舞台の作品が多いです。自分の好きなもの、よく知る場所や方言を使うことで作品の強みになると思っています。香川県は海や山と自然が美しいので、主人公達が良いリアクションをしてくれます。

そして、香川県ですごす主人公達が東京や沖縄へ行った際に、東京に住んでいる人は驚かないけど香川県の人がスカイツリーを見たらその高さに驚きます。それが僕が思ういいリアクションと考えています。


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あと、地元のみんなに読んでもらって楽しんで欲しいという気持ちもあります。シューカツの原型は7年前からあってその当時は、地元香川県にプロサッカーチームがありませんでした(現在はJ2にカマタマーレ讃岐があります)。それで、地元にプロチームができたらいいなという想いもあって香川県を舞台にしました。

優柔不断な性格を肯定したい

今までのサッカー漫画の主人公は決断力がある人物が多い傾向にあります。主人公の川島剛はとても優柔不断な性格ですが、優柔不断な性格はどこから着想しましたか?

僕自身が優柔不断なんですね(笑)例えば、電気屋さんでテレビを買う場合、色んな電気屋さんを回ってみたり、ネットでテレビの性能を調べたりと即決することはないんです。だけど、買った後にその時期のテレビに詳しくなっていたりします。それで、即決して買う人は恐らくあまり調べないでテレビを購入するから、他に色んなスペックを知らずに終わると思いました。

優柔な不断なことは悪いことばかりではないし、漫画家をやっている上で知識が増えることは良いことです。そこから、マイナスイメージな性格も度が過ぎれば長所になるんじゃないかと考えています。優柔不断を肯定したくて、主人公の欠点を最大の武器にしました。


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優柔不断な性格は短所に見られることがあります。主人公の優柔不断な性格を長所として見せるのに、どのような工夫をしていますか?

主人公は優柔不断な性格で、それが短所でもあり長所でもあります。普通の人が見える情報が3つぐらいだとして、主人公の剛は常に周りを見ているから100ぐらいの情報を見ています。そのため、情報収集が多すぎて迷っているんです。

だから、迷う時間が長い分キープ力を身につけていますが、ボールキープで傲慢なプレーだと思われることがあり、チームワークを乱す要因となっています。だけど、主人公は100ある情報の中から最適な答えを導き出すので、誰もが思いつかない結果を生み出すのです。

優柔不断な性格はマイナスなイメージがありますが、誰よりも迷いながら物事を考える主人公の努力は無駄にはならないんじゃないのかな?と僕は考えています。


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最後になります。藤川先生、読者へメッセージをお願い致します。

シューカツのキャラ達は挫折をしたり、仕事とサッカーの両立をしたり夢をおいかけることは大変そうです。だけど、シューカツを読んだあとに彼らが楽しそうだな~って思ってくれたらうれしいです♪


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掲載サイト紹介

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作者紹介


(C)藤川努/COMICSMART INC.

藤川努。香川県生まれ、香川県在住。
2004年 「おならっぱ」で漫画家デビュー PN 快晴ノラ僕 名義
2010年 「やきゅん」連載
2011年 「あっほなのツトムくん」連載
2013年 「奇跡のリンゴ」(映画化)
「泳げ!ひなのちゃん」連載
2014年 「シューカツ~蹴活~」連載
2015年現在「シューカツ~蹴活~」連載中
2016年 「水晶玉を見つめるな!」児童書

藤川先生のアメブロ 漫画家 藤川努のブログ
Twitterアカウント @fujikawatsutomu

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