ユリアン・ナーゲルスマン、ドイツ人。若干28歳にしてブンデス・リーガのクラブの監督に就任しました。ブンデス・リーガ史上最年少監督の誕生です。
by theWORLD
サッカー選手としての短い経歴
ユリアン・ナーゲルスマン監督(以降ナーゲルスマン監督と記載)は、1987年生まれの現在28歳。本来なら現役サッカー選手として活躍して良いはずの年齢です。この若さでブンデス・リーガの監督なのですが、元々はサッカー選手でした。
アウクスブルクと1860ミュンヘンにユース選手として所属。2006年に1860ミュンヘンの2部チームに昇格するも、負傷により公式戦に出場できませんでした。翌年アウクスブルクの2部チームに移籍しますが再び怪我に悩まされて、20歳で現役を引退してしまいます。
選手を引退しサッカー界からは離れる意向を持っていたものの、当時アウクスブルグの2部チームの監督から、対戦相手のスカウティングの仕事を仰せつかるのです。この経験がサッカー指導者としての道に進むきっかけになりました。その仕事を仕向けた当時2部の監督は、現在のボルシア・ドルトムントの監督であるトーマス・トゥヘル監督だったのです。
トゥヘル監督の下、1年間でとても多くのことを学んだ。トゥヘル監督は自分のキャリア選択に大きく影響した
とナーゲルスマンは述懐しています。サッカー選手として早くに引退したからと言って、サッカー人生が終わるとは限らない一例です。
この逸話はジョゼ・モウリーニョの経歴に似ている気がします。若くしてサッカー選手としての人生に見切りをつけたモウリーニョが、当時スポルティング・リスボンの監督だったボビー・ロブソンも通訳の仕事を始めたのが、指導者の道に進むきっかけになったのです。この事については今年1月16日の記事に執筆していますので、ご参考にされて下さい。
ボルシア・ドルトムントのトーマス・トゥヘル監督by CYCLE
指導者としての始まり
1860ミュンヘンU-17の指導を経て、2010年よりTSG1899ホッフェンハイム(以降ホッフェンハイムと記載)の下部組織を指導し、2013年からはU-19チームの監督に昇格して本格的な指導者の道に進みます。
2013-14シーズンにはU-19のチームでタイトルを獲得します。U-19大会史上最年少監督になりました。バイエルン・ミュンヘンが下部組織の監督として引き抜きに動いた程、その手腕は高く評価されています。
by ゲキサカ
想定外の運命
今年2月11日、ホッフェンハイムはU-19チーム監督のナーゲルスマン監督をトップチームの監督にする発表をしました。元々は2016-2017年の次期シーズンから監督に就任する予定でしたが、フープ・ステフェンス前監督が健康上の理由で退任したことにより、予定よりも早く監督に就任することになりました。そしてブンデスリーガ史上最年少監督となる28歳の監督が誕生したのです。
年齢だけを見ると大抜擢であり、ブンデス・リーガの未来を予感させられますが、筆者が執筆している現在ホッフェンハイムはリーグ最少勝利の2勝に留り勝ち点15で全18チーム中の17位。最下位ハノーバーとは勝ち点差1で最下位を争う立場です。若き指導者の肩には、降格を阻止するという大きな命題が待ち構えています。
ちなみにホッフェンハイムはガンバ大阪の宇佐美貴史選手が所属したことでも知られています。
by SOCCER KING
ブンデス・リーガのみならず、プレミア・リーグ、セリエA、リーガ・エスパニョーラの4大リーグ史上最年少の監督になったナーゲルスマン監督。
グーグルグラスや3D映像を使用したIT技術の導入を積極的に行なっていることでも注目されています。若き監督の新しいサッカーに期待です。