ハードな12月を送ったサンフレッチェ広島のまとめ – クラブワールドカップ編

長いJリーグ34試合を戦い終えた11月。このときはまだ翌月がこんなにもタイトなスケジュールになるとは誰も想定してなかったでしょう。過酷な日程を戦い抜いた王者サンフレッチェ広島の12月を振り返ります。

ハードな12月を送ったサンフレッチェ広島のまとめ – Jリーグチャンピオンシップ編

どんなメンバーでも勝ち切る強さ


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Jリーグチャンピオンに輝いて待っていたのは中4日でのクラブワールドカップ。日程は過酷さを増していきました。リーグ戦を戦い抜いてきた後の初戦は前の試合からスタメン5人を入れ替え試合に臨みます。試合はオセアニア王者を相手に支配率で33%−67%と大きく下回りました。更に野津田岳人と柴崎晃誠が負傷交代と交代カードを有効に使えませんでした。それでも控えメンバーは粘り強く戦い完封で勝ち上がりました。

世界相手に2試合連続完封

準々決勝は主力を戻して挑みました。シュートは倍以上の22本浴びながらも無失点に抑えて乗り切ります。勝利を呼び込んだのはリーグ戦で僅か3試合の出場だった茶島雄介。スタメンに抜擢されると2得点を演出して期待に応えました。森保監督は「持つ力を100%、出してくれました」と絶賛。ケガ人や日程について「タフな状況でこそ、真価を証明できる。次の試合もチームとして少しでもフレッシュな形で臨みたい」と南米王者リバープレートとの一戦に意気込みました。

12月初の敗戦


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しかし選手を使い廻すのは限界を迎えます。中2日の準決勝は、健闘しながらもセットプレーから失点。今月初めての黒星を喫しました。同点に追いつくチャンスも攻めきれず、無得点で力尽きました。2日のチャンピョンシップ1stレグから2週間で5試合。スタメンだけでなく全選手に疲労は見られました。「選手は持てる力を発揮してくれました。我々がサンフレッチェらしく戦って、最後まで戦い抜いてくれたことは、誇りに思います」と森保監督は選手を称えました。スケジュールについて「結果が出てしまっているので、受け止めなければいけないと思います」と言い訳にすることなくスタジアムをあとにしました。

アジア王者を倒して世界3位に


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並のクラブならここで失速してしまいそうなところですが、踏み止まるサンフレッチェの強さを4日後の3位決定戦で見られました。開始早々の4分に失点をして劣勢に立たされますが、持ち味を発揮してゲームを立て直していきます。粘り強い守備からの素早いカウンター。大会の開幕戦以降で最も間隔の空いた時間を利用してサンフレッチェのサッカーは輝きを取り戻しました。全員がよく走り相手ゴールに迫る中で、58分にリーグ戦チーム得点王のドウグラスを投入。エース級の活躍を見せた助っ人が土壇場で2点を叩き込み歓喜を呼び込みました。

世界トップレベルだった層の厚さ


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今季のサンフレッチェのベストゲームは他にあるでしょうが、前の試合を接戦で落としながらも立て直したメンタル、相手は幾多のJリーグのクラブを叩き落とした広州恒大、回復したとはいえハードスケジュールの中で且つケガ人もいる、そういった状況を全て汲みすると、12月20日、世界3位に輝いた一戦でサンフレッチェの強さが最も表れました。森保監督は勝因を「選手が入れ替わっても自分たちのやり方を継続してやった結果」と明かして、グラブの現状を「誰がトップチームに絡んでも同じ絵を描ける」と自慢げに話しました。最後に「総合力で3位を勝ち取った」と大会を締めくくりました。

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