無理もないことだが、既に30年ぶりのリーグ制覇を決めているリヴァプールには少し気の緩みが見られるようだ。クラブOBが指摘している。
15日に行われたアーセナル戦では、守備の要であるDFフィルジル・ファン・ダイクと守護神アリソンにミスがあり2失点を喫して1-2で敗れた。優勝するまで1敗だったチームが、優勝後の5試合で2つ目の黒星を喫したことになる。
Alexandre Lacazette and Reiss Nelson fire Arsenal to their first #PL win over Liverpool since 2015#ARSLIV pic.twitter.com/ulAZuPDrwJ
— Premier League (@premierleague) July 15, 2020
これを受けてリヴァプールのOBであるグレイム・スーネスが英国放送局『Sky Sports』にて気の緩みを指摘。前述のミスもそうだが、象徴的だったのはFWサディオ・マネの態度だという。その試合でマネは、敵DFロブ・ホールディングと口論になりかけた。
「マネがホールディングとやりあったシーンが象徴的だ」とスーネス。「彼はやりあった後に笑みを浮かべていた。普段のマネなら笑みを見せずに敵と“戦争”する。すぐにやり返してやろうとなるはずだ。」
どうやら選手たちは、30年ぶりのリーグ制覇を達成したことで無意識のうちに緊張の糸が切れてしまったようだ。スーネスは「“肘掛け椅子”に座っている証拠だ」と、選手たちが椅子に座ってくつろいでいることを追及。「終始、椅子に座っているとまでは言わないが、時間帯によって気が緩んでいた。」
ちなみにスーネスは「肘掛け椅子」が好きなようで、同日の試合でボーンマスに2-1で辛勝したマンチェスター・シティの選手たちについても「大半の選手たちは肘掛け椅子に座っていた」と2位が確定したシティの気の緩みも指摘していた。
"Most of them were in their armchair tonight"
Graeme Souness believes the City players took it easy
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— Sky Sports Premier League (@SkySportsPL) July 15, 2020
気の緩みはコメンテーターまでも
ただし、気が緩んでいたのは選手たちだけではないようだ。英紙『Liverpool Echo』によると現地実況を担当した大御所コメンテーターのマーティン・タイラー(74歳)にも気の緩みが見られたようで、同氏は試合中に南野拓実がボールを持つたびに「サラー」と呼んでいたという。
結局リヴァプールは、この敗戦でマンチェスター・Cが持つプレミアリーグ最多勝ち点記録(100)を抜くことができなくなった。試合後にユルゲン・クロップ監督も「ああいうミスで失点すれば試合には勝てない」と『BBC』のインタビューでミスを咎めた。その一方で「勝ち点記録にはこだわらないと言っていましたが?」と質問を受けると「今となれば、こだわりたい(笑)」と冗談で返した。
30年ぶりのリーグ制覇を達成したのだから、少しくらいの気の緩みは仕方ないはずだ。