マンチェスター・ユナイテッドで黄金期を築いた元イングランド代表のポール・スコールズ(45歳)が、当時チームメイトだった韓国の英雄、パク・チソン(39歳)を絶賛したと英紙『Metro』が伝えている。
パク・チソンは、京都サンガでもプレーした元韓国代表のMF。日本を離れたあとは欧州に渡り、オランダのPSVを経て2005年からはマンチェスター・Uに所属。ユナイテッドでは7年間で200試合以上に出場し、プレミアリーグを4度も制した。
Ji-sung Park has announced his retirement. All the best for the future Ji and thanks for the memories. #mufc pic.twitter.com/CZ09txSEXo
— Manchester United (@ManUtd) May 14, 2014
2008年にはチャンピオンズリーグ(CL)制覇に大きく貢献するも、準決勝の2試合にフル出場しながら決勝のチェルシー戦ではまさかのベンチ外となかった。後に、アレックス・ファーガソン監督も最大の後悔の1つとしてそのエピソードを挙げている。
そんなパク・チソンについて、クラブTVの番組に出演したスコールズは「悪夢」と語った。「(練習中に)最悪だった対戦相手は誰だと思う? パク・チソンさ。彼は悪夢と呼んでもいいね!」
スコールズは、パク・チソンがアンドレア・ピルロを完全に封じ込めた2010年のミラン戦も回想する。「彼は信じられない選手だった。彼がピルロにやったことを覚えているかい? この世のものとは思えなかったね! 彼は無尽蔵のスタミナを持ち、信じられないほど規律を重んじた。」
その“すっぽんディフェンス”には、スコールズでさえ何度も苦しめられたという。「“鳥かご”の後にポゼッションの練習をやるのだが、“鳥かご”が終わると彼は私の隣に来て、何も言わずに私を見てくるのさ。『あ~あ、またかよ!』って思ったよ。」
「彼は何も言わないのさ。『何か言ってくれよ』と思ったね。でも、ただ黙ったまま『今日はボールを触らせない』という感じで私を見てくるんだ!」
パク・チソンには手を焼いたスコールズだが、彼が試合中にボールを失うことは皆無に等しかった。ボールを失わない秘訣は何だったのか?
「実は子供の頃はセンターフォワードだった。でも、11~12歳の頃にコーチに『君は中盤の選手になる。ポゼッションが全てだ』と言われ、それ以降は先輩選手を見て学んだのさ。」
そうやって技術を磨いたスコールズ。彼がトップレベルを維持できたのは「悪夢」のようなチームメイトと切磋琢磨したからだろう。