アーセナルに会長職(チェアマン)は必要なのか? 変わりゆくクラブで、運営方針が問われている。
アーセナルは先日、サー・チップス・ケズウィック会長(80歳)の引退を発表した。ケズウィック氏は、銀行の頭取などを経て2005年からクラブの役員に就任。2013年からは会長職を務めてきたが、今季終了を待たずしてクラブを去った。
Sir Chips Keswick, chairman of Arsenal Holdings Limited, has retired after seven years at the helm of the club
— Arsenal (@Arsenal) May 28, 2020
当然、後任の話が出ると思われたが、ロンドンのサッカーを扱う情報サイト『football.london』は後任を置かない構えと報じた。アーセナルには会長職が必要ないというのである。というのもアーセナルは2018年夏、筆頭株主だったスタン・クロンケが全株を買い占めて単独オーナーとなり上場を廃止した。
それ以前は、微小ながらサポーターも株を所有しており、毎年のように株主総会で“愛ある厳しい意見”をクラブにぶつけきた。その度に会長がファンをなだめたのだが、上場を廃止したことで株主総会は開かれなくなり、会長職も必要なくなったというのだ。
しかし、アーセナルOBで元イングランド代表DFのマーティン・キーオン(53歳)は、ある人物を後任会長に推している。それは、1996年から2018年までアーセナルを率いたアーセン・ヴェンゲル(70歳)である。
Arsenal urged to hire Arsene Wenger as new club chairman by Martin Keown https://t.co/I7Bdajz9Cb
— MailOnline Sport (@MailSport) June 2, 2020
名将の元で8年ほどプレーしたキーオンは「ヴェンゲルが役員になったら素敵だろうね」と英国ラジオ局『talkSPORT』に語った。「ヴェンゲルがいるとミケル・アルテタ監督に重圧がかかると考える人もいるが、私はそう思わない。成功者は誰が周りにいても気にしないもの。むしろ経験と知識を吸収するものだ。」
しかしキーオンは、ヴェンゲル本人が会長職を望まないとも話す。「(ヴェンゲルが会長に)なる気がしない。彼本人も(役員職に)乗り気ではないことを語ったことがあると思うし、彼は役員のイスに収まるようなタイプじゃないよ。」
果たして、名将ヴェンゲルが古巣に戻る日は来るのだろうか。