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鹿島アントラーズ 王者としての誇りとさらなる夢

佐藤文孝

2018/12/13 07:27

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NEWS

今季、アジアチャンピオンズリーグを制した鹿島アントラーズ。
いよいよFIFAクラブワールドカップUAE2018の初戦を迎える。
国内での戦いでは苦戦が続いた2018年シーズだったが、締め括りは
アジア王者として世界の舞台に挑む。「常勝軍団」復活への第一歩として期待が膨らむ。

■苦しんだ今シーズンの戦い

今年最後のビッグマッチを前に主力の戦線離脱が相次いだ。
MFの三竿健斗が恥骨関連鼡径部痛の悪化、さらに先日行われた天皇杯準決勝浦和戦後、FWの鈴木優馬が
右ハムストリングの負傷と発表された。三竿は日本代表にも選出されボランチとして成長を遂げ、鈴木は今季公式戦で
計17得点を挙げる活躍をみせており、チームの骨格を成す両プレイヤーを欠き、2年振りとなるクラブワールドカップ(CWC)に挑むこととなった。

2018年はアジアチャンピオンに輝いた反面、過密日程の中での戦いの連続だった。
2月14日のACL初戦から始まり、先日の天皇杯までの公式戦試合数はJクラブとして最多の57に上る。

2016年以来となる国内3冠タイトルも届かず、いずれの戦いも苦戦を強いられることに。
リーグ戦では開幕から低迷が続き、年間を通して優勝争いに絡めないまま3位に終わる。ルヴァンカップでは準決勝で横浜F・マリノスに敗れ、
天皇杯でも浦和レッズから勝利を挙げることが出来ず、ここでも決勝を前にしての敗退となった。

満身創痍と言っても大げさではない状態で15日、UAEでのクラブワールドカップ初戦を迎える。

■輝かしい激闘の記憶、そしてリベンジも

その中でも数々の激戦の記憶を思い起こすことで「王者・鹿島」としての誇りを取り戻し、観ているものも含め、
闘志を奮い立たせてきた。

記憶に新しい2年前のCWC。開催国枠で出場したアントラーズは準決勝で南米代表・アトレティコナシオナルを3-0で粉砕、アジア勢として史上初の決勝進出を成し遂げる。
そして迎えた欧州代表・レアルマドリードとのファイナル。柴崎岳(現・ヘタフェ)の2ゴールでリードを奪い、ヨーロッパ王者を追い詰める驚愕とも言える試合展開を繰り広げた。
その後ゲームはもつれ、その年のバロンドールにも選出されたクリスチアーノ・ロナウドのハットトリックなどで結果は2-4で敗れるも、スター軍団に爪痕を刻み込んだ。この試合でゴールを奪う活躍をみせた柴崎は翌年スペインに移籍、今年のロシアワールドカップでも主力として日本代表を支えるまでに飛躍を遂げた。

もう一度、あの舞台で輝くため、そして再びレアルと戦い今度こそ厚い壁をブチ破る為、苦境から鹿島アントラーズは這い上がってくる。鹿島サポーターのみならず、日本のサッカーファンの多くはそう感じているのではないだろうか。

今回は一回戦を勝ち上がれば準決勝で「リベンジ」の場が訪れる。共に2年前からはチーム状態も大きく変わったものの、それでもアントラーズにとっては強大な敵であることに変わりはない。

決勝進出をかけたゲームで欧州王者に立ち向かい、今度こそ「奇跡」を起こすことが出来ればその先には新たな景色が見えてくる気がしてならない。
なぜならば不屈の鹿島アントラーズにとっては世界一の称号を手にすることも決して不可能ではない、これまでの記憶がそう思わせるのだ。

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