全国各地で女子サポものまね
——先日、川崎フロンターレのイベントでも披露されていましたよね?
(シンディー)もうびっくりでしたね。マネージャーから「なんか川崎フロンターレさんてところから電話があったよ。」ってのんびり言ってたんですけど、私が「えーー!ちょっとそれすごいことですよ!」って。『もしも中島美嘉さんが川崎フロンターレのチャントを歌ったら』という動画を観てくださったことがきっかけだったようでした。
正直恐かったですね。J1だからとかJ2、J3だからじゃないですけど、川崎フロンターレさんの敷地内で他チームのネタをやって受け入れられるのかなとか。一番恐かったのは始まる直前ですよね。どれ位集まってくれているのかな、どうしよう誰もいなかったらと。不安でしたが、「それではシンディーさんどうぞー」って、出て行ったら、前の方からぎっしりサポーターさんがいてくれて。後ろは立ち見になるほどたくさん集まってくださいました。
そしたらなんか変なアドレナリンが出ちゃって。(笑)本当は女子サポーターあるあるネタを一番やらなきゃいけないのに、予定外のことをやり過ぎてしまって時間が足りなくなってしまいました。最後に、『もしも中島美嘉さんが川崎フロンターレのチャントを歌ったら』
をやらせていただいたのですが、シーンとしてしまったんです。あれ?さっきまでの盛り上がりはどこにいったんだろうって、怒ってるのかな、帰っちゃったのかなと思って。ネタ中は前傾姿勢で床を向いているので確認が出来ない。
それでもどうにか歌いきって、ありがとうございましたって顔上げたら、そこで「わぁーっ」って拍手をいただいて、今思い出しても泣けてくるんです。サッカーの絆ってすごいなって。みんなでこの空間を共有しようとか、楽しもうとか、一緒に作ってこうって。これはやっぱりスポーツならではだと思いましたね。
これまでにも、ツエーゲン金沢さんとか、FC町田ゼルビアさんにもステージに上げてもらったことありました。マッチデープログラムにも、シンディーさん来場みたいにしていただいて。その時もやっぱりサポーターさんが集まってくれて、「あなた誰?」「山形の人ですよね?」「サポですよね?」って。それでもみなさん集まってくれて、ものまねを見てくださって拍手してくださる。嬉しいし、もっと頑張ろうと思ったし、何か自分にできることは限られているけど、ものまねを通してサッカーをみなさんと一緒に盛り上げていきたい。
ステージに立たせてもらう度に痛感しますね。
——集大成のような盛り上がりでしたね。山形でもやっていましたよね?
(シンディー)やっぱり地元なので、NDスタジアムに呼んでもらうことは、すごく嬉しいですね。地元の人に観てもらえるし、出身者だからこそ、携われる喜びがあります。また機会があればモンテディオ山形でもやりたいですね。
女子サポを増やすために。
——たくさんの女子サポーターがスタジアムに来るために、どんな事が必要だと思いますか?先日、FC岐阜の取材に行った時に、『スタジアム女子ミーティング』というイベントを開催されました。試合前に50人の女子サポーターを集めて、意見を言ってもらうという企画でしたが、おもしろい意見がたくさんありまして。託児所を設置して欲しいとか、レンタルユニフォームがあったらいいのにとか。
(シンディー)そう!私もずっとそれを思っていて!レンタルユニいいですよね。
——あとはインスタ映えとか。普段持ち歩けるような可愛いグッズが欲しいとか。それよりも、このイベントに50人もの女子サポーターが参加してくれた、この数に驚きましたね。
(シンディー)本当に素晴らしいと思います。私は一人で行っていたので、二人になればより安心できるし、三人になれば、その中の一人がどこかへ行っても一人で待つことはないし、それが4人になれば、何かあっても2―2でも分かれられるし、だから増えていけば増えていくだけ安心する。
周り見たらおじさんですもんね(笑)ゴリゴリに応援しているおじさんで、野次ももちろんあるから、そういうのが恐いとか。だからこそ、女子は多いに越したことはないかな、と。
ただそれは集まりましょうと言って集まった結果であって、結局『集めるには』、ですよね。
——スポーツ観戦を興行としていかに楽しんでもらえるか。特にJ2クラブはこういった企画・イベントに積極的ですし、充実度が高いですよね。ご自身の経験も含めて、どうしたら女子サポーターが増えるでしょうか?
(シンディー)誰からも頼まれていないし、私が勝手に山形のお客さんを増やしたい、そのためにどうしたらいいだろうかを考えています。自分の地元にチームがあることを知ったのは2011年、
ビックリするくらい知らなかったし、まさか地元にJリーグクラブがあるなんて、本当に知りませんでした。だけど知ってしまった以上、なんとか盛り上げたい!みたいな(笑)
みんなからは、何でそんなに頑張るの?って。確かにそうだな、何で頑張ってるんだろうとたまに思うんですけどね。ディーオの被りものを被って、芸人で貧乏していますけど、夜行バスとか安いボロッボロのホテルとか、最悪、夜行バスでとんぼ返りすることもあります。そこまでして山形を応援して。たまに自問自答とかする時も正直あるけど、でもやっぱり自分の生まれ育った街にクラブがあること。
これは別にJリーグだからとかではなくて、カテゴリーに関係なく、ゴール裏にいきなり連れて行かれた時から、きっと応援していたのかな。だって最初、私が応援していた時、山形はJ1だったんですよ。でもその時からJ1だから応援しようという感覚はなかった。というよりカテゴリーも知らなかったから。J1、J2、そんなのあるのって。そのもっと下があることも全然知らなかったので。
正直、選手に対して、もちろんすごいと思うし応援はしていますが、誰々選手が好きみたいな、それは無いんですよ。モンテディオ山形が好き、モンテディオ山形の選手が好き。サッカーを応援している山形県に来るみんなが好き。結果、相手のチームを含めてスタジアムの空気が好き。私のような女子サポが一人でも増えてくれれば、これほど嬉しいことはないですね。
——本日はお忙しい中、ありがとうございました。
シンディー/ものまね芸人/1980年8月5日生まれ山形県酒田市出身 東京都在住 高校卒業後、雑誌の編集者になりたいと上京。ところが、「にしおかすみこさんに似ている」とスカウトされ、ものまね芸人としてスタートする。 現在は黒柳徹子さんのものまねを中心にテレビやライブイベント等で活動中。 モンテディオ山形のサポーター。その好きなサッカー観戦からヒントを得、2014年から「ゴール裏女子サポーターものまね」を作り出しサッカー場にいる女子サポーターの姿を再現している。 「試合終了後DAZNの抜かれ方を知っているセレ女」、「味スタのトイレ待ちで話しかけてくるFC東京お母さんサポーター」や「もしも中島美嘉さんが川崎フロンターレのチャントを歌ったら」など、今も週末はネタ収集の為試合に足を運んでいる。 ラジオ
毎週月曜日 19時30分~20時
「シンディーのThat’s 談 MONDAY」
インターネットから聴けます。ライブ
「事務所ライブ ガブリヨリ」
毎月第三水曜日
会場 新宿バティオス
開場 18時30分
開演 19時
料金 予約1000円/当日1200円
@shindy0805オフィシャルBlog
「Get Smile! Get Goal!」
今回のインタビュアー勝村大輔氏のサイトでインタビュー後記を掲載しておりますので、そちらもご閲覧くださいませ。
1 2