見た目のサッカー:内田篤人・岡崎慎司編
ずっとサッカー選手を描いてきたイラストレーターがサッカーを戦術や技術といった視点ではなく、いち視聴者としてプレーヤーの「見た目」から個人的な見解でサッカーを語ります。
内田篤人と青いシャツ
日本サッカー界のアイドルは?と問われたら誰を想像するだろうか。僕の答えは決まっている。それは内田篤人の他においていない。もちろん好みがあるので異論はある方もいるだろうが、このもう2年近くも実戦から遠ざかってる男がその点において未だに他の追随を許さないと僕は感じている。本人が嬉しいかどうかはわからないが。
個人的に内田篤人の人気の秘密はシャルケの青いユニフォームにあると考えている。鹿島時代の内田も同じように美男子として認知されていたが、現在ほどの人気があった印象はない。誤解のないように言っておくが、ここ数年の鹿島アントラーズの赤と紺のユニフォームはJリーグで有数にカッコイイとは思っている。だがどちらかというと戦う男たちのユニフォームという印象で、アイドル性を引き出すではシャツではない。
内田のアイドル性はシャルケへの移籍で青と白のシャツをまとった瞬間爆発したのだ。男の僕ですら「え、こんなカッコ良かったっけ!?」と思った。日本代表のシャツもそれなりには魅力を引き出すがやはりシャルケのシャツほどではない。濃紺や赤ではない。内田には青と白なのだ。シャルケのシャツが最も似合うのはキャプテンのヘーヴェデスでもエースのフンテラールでもなく内田篤人なのだ。と、そろそろ発言が気持ち悪くなってきたのでしめくくるが、逆を言えばシャルケからの移籍によって内田アイドル時代は終焉する可能性は高いかもしれない。それほどの相性のいいユニフォームに内田は出会ったと言える。
強いチームで活躍する選手もいいが、似合うシャツを着れる選手もまた素晴らしいなとイラストレーターとしては思うのだ。
岡崎慎司は復活するのか
先日のW杯予選で代表通算50ゴールを決めた岡崎慎司(30 レスター=イングランド)もまた日本代表のアイドルの一人だ。献身的なプレー、体を投げ出す勇気、ゴールを決めたあとの満面の笑みは愛さずにはいられない。しかし、彼を見る時ファンは少し心配の目を向けているのも一つの事実だ。
「岡崎の生え際をそれとなくチェックする」、日本代表ファンにとっては口には出さないたしなみの一つである。
どんな男性でも頭髪が後退するという恐怖から完全に自由にはなれない。その点において、頭をアップからロングから全方向くまなく全国中継されてしまうサッカー選手は気の毒だとすら思ってしまう。2016年後半にはいよいよ隠しきれないなというところまで来ていた気がしたのだが、年末に所属するレスターの試合を観戦していたところ多少の違和感を覚えた。
髪型が変わっただけなのかもしれないが、違和感を覚えたのは僕だけではないようでまとめサイトなどでは早速取り上げられていた。ルーニー(マンチェスターU)、ディエゴ・ロペス(エスパニョール)、エリクセン(トッテナム)、・・・岡崎は彼らスターに続いたのだろうか。
真実はわからないし追求することもなく、僕は黙って似顔絵の髪型を変えた。鋼のような肉体で献身的にプレーし、泥まみれになりながら笑顔を絶やさない侍は、日本代表のみならず男達の未来をも背負っている。