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東京ヴェルディに初のヨーロッパ人指揮官がやって来た。名門クラブ再建を任されたミゲル・アンヘル・ロティーナ監督

扇ガ谷 道房

2016/12/01 20:43

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NEWS

現在J2の東京ヴェルディは、Jリーグ創設時代にはヴェルディ川崎と言うクラブ名で、Jリーグ開始時の10クラブの一つであるオリジナル10に名を連ねている名門クラブです。
現在はJ2に定着してしまっていて、ここ数年は上位に浮上することができずに低迷しています。そのクラブに、スペインで名門クラブを率いていた監督がやって来ました。その人の名前はミゲル・アンヘル・ロティーナ(以降、ロティーナ監督と表記)と言います。

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栄光の歴史を有するクラブ

東京ヴェルディは、Jリーグ創設以前から日本を代表するサッカークラブである読売サッカークラブがその前身です。
1968年の全日本大学サッカー選手権大会で優勝した東京教育大学蹴球部(現在の筑波大学蹴球部)で監督をされていた成田十次郎さんが、1969年に東京教育大学の一部の選手を連れて初代監督に就任してクラブが創設されました。
Jリーグが創設される1993年までに、日本サッカーリーグで5度優勝、天皇杯に3度優勝をするなど、日本サッカーをけん引する名門クラブとして知られていました。
そしてJリーグが開始された1993年、当時10クラブで開始したJリーグのチームの一つとして、クラブ名を読売サッカークラブからヴェルディ川崎と変更してJリーグに臨み、初年度見事にリーグ優勝を成し遂げているのです。
今やお茶目なサッカー解説者としての地位を確立している松木安太郎さんがその時の監督というのは、現在では余り知られていませんが、松木さんはJリーグの初代優勝監督なんです。しかも翌1994年も優勝して二連覇している監督さんなんです。
当時は、現在横浜FCの三浦知良選手、解説者でありタレントの武田修宏さん、ラモス瑠偉さん、解説者であり日本障がい者サッカー連盟会長の北沢豪さん、今シーズンはガイナーレ鳥取の監督だった柱谷哲司さん、解説者の都並敏史さんなど、当時の日本代表選手が勢ぞろいしているスター軍団でした。
しかしその後チーム力は徐々に下がり始め、名門クラブは遂に2006年J2に降格してしまいます。2007年シーズンはJ2で二位になり一年でJ1に復帰を果たしますが、翌2008年シーズンは17位となって再びJ2に降格。そして現在までJ1に復帰することができずに、J2に定着してしまっているのです。

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これまでの歴代監督

ヴェルディ川崎の初代監督である松木安太郎さん以降、今シーズンまでに18名の方が監督に就任されて来ました。(代行監督は除く)
1993年1994年と2連覇した後、1995年は現在ヴィッセル神戸を率いるネルシーニョ監督が第2ステージ優勝を果たしますが年間では2位となり、翌1996年はエメルソン・レオン監督となってリーグ戦は7位に後退するも天皇杯を制覇します。
その後、2004年にオズワルド・アルディレス監督時代に天皇杯を制したのがクラブとしての最後の優勝で、これ以降優勝からは遠ざかり、J2に降格してしまいます。
監督の就任期間はとても短いのがこのクラブの特徴と言えます。日本人の監督就任は、クラブのOBの方が大半を占めており、加藤久さん、 川勝良一さん、小見幸隆さん、ラモス瑠偉さん、高木琢也監督(現Vファーレン長崎監督)、 三浦泰年さん、 冨樫剛一さんが監督を勤めてこられました。
外国人監督はブラジル出身監督が多数を占めます。ネルシーニョさん、エメルソン・レオンさん、 バウディール・エスピノーザさん、ニカノール・デ・カルバーリョさん、ロリ・パウロ・サンドリさん、 バドンさんがその例です。
異色なのが、韓国人監督の張外龍さんと、アルゼンチン人監督のオズワルド・アルディレスさんでした。そして来シーズンから、クラブ初のヨーロッパ人監督となるロティーナ監督が就任する事になったのです。

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