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遂にJ1自動昇格圏内に浮上した清水エスパルス~最強2トップを輝かせる『昇格請負人』小林伸二監督のFW育成術

hirobrown

2016/11/19 20:01

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 先週末、明治安田生命J2リーグは第41節が行われ、長らくJ1への自動昇格圏内となる2位につけていた松本山雅FCが17戦ぶりに敗れたため、見事に8連勝を飾った3位の清水エスパルスが遂に2位に浮上。

 長丁場のJ2リーグも11月20日に行われる最終節を残すのみとなる中、今季からJ2に初めて降格し、序盤戦は二桁順位に低迷していた清水が遂に自動昇格圏内まで浮上して来ました。

 一時は2位以下に二桁の勝点差をつけて首位を独走していた北海道コンサドーレ札幌が第37節から4戦3敗と終盤戦に入って大ブレーキとなり、16戦無敗だった松本も直近の3連勝の前は6勝7分と実は勝点を取りこぼし気味。8連勝で最終節を迎える清水にはJ2優勝の可能性すら残っています。
 
 今季の清水は、第15節にザスパクサツ群馬を相手に8-0で圧勝して以降にチームが固まり始め、そこからの27試合を19勝5分3敗という驚異的な追い上げでここまでやって来ました。

 その原動力はもちろん、J2リーグトップの26得点を挙げている北朝鮮代表FW鄭大世(チョン・テセ)選手と、リーグ3位の18得点を挙げているFW大前元紀選手。2人で44得点を記録している『J2最強2トップ』の得点力であるのは間違いありません。

 また、チーム総得点83はJ2リーグで断トツのトップで、得点数2位の札幌は65と大きく引き離しており、これが得失点差の勝負となった場合に大きなチカラとなっています。

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26得点の鄭大世(左)、18得点の大前(右)、2人で44得点を挙げて来た最強2トップがチーム最大のストロングポイントであるのは間違いない。by J’s GOAL

3クラブを史上初のJ1昇格に導いた『昇格請負人』小林伸二監督

 そんなJ2最強2トップですが、今季の開幕当初はもちろん、昨季もあまり活躍していたとは言えません。

 大前選手は約半年間のドイツ移籍から2013年の夏に古巣・清水に復帰後、昨季は自身初のシーズン二桁得点となる11得点を記録していますが、チャンスメーカーのイメージが強い選手。

 そして、鄭大世は典型的なストライカータイプの本格派FWですが、昨季後半戦から清水に加入して以降は川崎フロンターレ時代の得点を量産する姿は見られませんでした。

 そんな2人を輝かせたのは、今季から清水の監督に就任した小林伸二監督。『J1昇格請負人』の異名通り、これまで大分トリニータ、モンテディオ山形、徳島ヴォルティスをJ1昇格に導いた指揮官です。

 特筆すべきは、上記のJ1昇格に導いた3クラブは全てそれが『クラブ史上初のJ1昇格』だった事で、小林監督の手腕によりサッカーに興味を持つ地方の人々が増えたと言っても過言ではありません。

高松・松橋・豊田・ドウグラスを見出したFW育成術

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今季限りで現役を引退する大分FW高松。彼もまた小林監督に見出されたFWだ。by Twitter@SoccerKingJP

 そうした地方クラブがJ1へ昇格する上で最も重要なのは守備の安定にあるのは間違いなく、Jリーグを長らく見続けているサッカーファンの方々にも「小林監督と言えば組織的な守備」をイメージする方も多いはず。

 ただ、小林監督は守備戦術の構築と共にもう1つ得意なのが、無名FWの育成。大分では高松大樹選手(今季限りで引退)と松橋章太選手(2013年限りで引退)、山形では豊田陽平選手(現・サガン鳥栖)と長谷川悠選手(現・清水)、徳島ではドウグラス選手(現・アルアイン/UAE)と津田知宏選手(現・横浜FC)が小林監督の下で一皮むけたFWへと成長しました。

 1トップや2トップなどシステムは変わりますが、それぞれのクラブで大型FWとスピード系タイプのセカンドトップを組み合わせる補完性が絶妙で、山形では豊田選手と長谷川選手のツインタワーでしたが、長谷川選手の柔軟なポストワークとキープ力はセカンドトップの役割でもあります。

 彼等のような無名だったFWを小林監督が育てられるのは、小林監督自身が現役時代にマツダSC(サンフレッチェ広島の前身)で指導を受けたオランダ人指揮官、ハンス・オフト監督の影響があります。当時はサイドからチャンスメイクするウイングだった小林監督は、オフト氏から「前へボールを持ち出すための個人戦術を叩き込まれた」ようで、ボールを受ける時に浮かす事で”タメ”を作り、その瞬間にスペースにボールを運んでドリブルに持ち込むようになったようです。

 小林監督は指導者に転向してから1年目には広島でFW専門のコーチとなった当時、チームに加入したばかりの無名の長身FW高木琢也選手(現・Vファーレン長崎監督)にポストプレーを教え込む際に、このオフト氏からの教えを発展解釈して指導。すると高木選手は足下にボールを収める技術を身に付け、日本代表にも招集され、『アジアの大砲』の異名をとるストライカーに成長。

 現在、鄭大世選手がポストプレーの際にボールを浮かしながらタメを作ったりするのは、小林監督の指導から来ているとも考えられます。

次ページ:J1優勝目前に迫った2005年のC大阪に近い現在の清水

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