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フィリピンから世界へ。サッカーフィリピン代表・佐藤大介選手インタビュー

蹴球ふつつか

2016/03/22 22:15

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NEWS

今回、日本で育ち海外の代表で活躍する選手を紹介させて頂きます。佐藤大介選手はフィリピン代表選手であり、フィリピンのグローバルFCに所属しています。現在フィリピン代表は世界中に散らばる移民2世、3世を招集して急速に力をつけつつあります。今回、佐藤大介選手にフィリピン代表やプロ選手生活について取材しました。

佐藤大介1
by Twitter@daisukesato11

フィリピンのクラブで活躍する日本育ちのプレイヤー

佐藤大介選手がフィリピンでプロを目指すきっかけを教えてください。

その当時は、大学1年生(仙台大学)でした。日本でプロを目指していましたが、お父さんが病気にかかりました。お父さんにプロで活躍する姿を見せたくて、場所を問わずプロを目指しました。そして、フィリピンでチャンスを経てプロサッカー選手になりました。

佐藤大介2
フィリピンのプロクラブ・グローバルFCでプロとなった佐藤大介選手。

プロキャリアのスタートが海外となりました。日本では得られない経験があると思われますが、フィリピンでのプロ生活で得た経験はありますか。

僕は浦和レッズのジュニアユース、ユースでトップ昇格を目指していましたが、実力が足りないことを痛感しました。でも、フィリピンでの2年間はサッカーと向き合う時間が増えました。この2年間で自分は変われました。僕はフィリピンで、得た経験は間違いなく自分の人生の中で一番でかいことです。何を得たというよりは、自分が何かを背負ってプレーすることが大事だと思いました。例えば、家族もそうですし、自分の人生をかけてここでプレーしています。代表の経験でもそうですし、常に負けることが許されない緊張感や国際舞台で戦う経験が一番でかい経験だと思います。そして、ブンデスリーガでプレーしたシュレック(ドイツ2部グロイター・フュルト→セレスFC[レンタル移籍中]所属)のようなレベルの高いプレイヤーと一緒にサッカーが出来ることも大きな経験ですね。

佐藤大介3
浦和レッズユース時代の佐藤大介選手

フィリピン代表(AZKALS:アズカルス)での奮闘

佐藤選手は2014年4月11日のネパール戦で代表デビューを飾り、決勝点をアシストしました。佐藤選手がフィリピン代表を選んだ理由を教えてください。

日本にいた時は、日本代表でプレーしたい気持ちもありましたが、フィリピン代表でプレーするチャンスを得ました。僕のお母さんはフィリピン人で、お母さんの祖国で戦うことは最大の親孝行だと考えました。それが一番の理由だと思います。

フィリピン代表では、監督や選手達の国籍やバックグラウンドが異なります。それは、佐藤選手にとって大きな経験になりましたか?代表での話をお聞かせください。

皆フィリピンの血が入ったハーフなのでいい人が多くいますから、障壁とか大変な経験はありませんでした。そのため、チームの雰囲気が凄くよくて、常にリラックスしてプレーが出来ていますね。トーマス・ドゥーリー監督は僕が代表デビューしてから、ずっとスタメンで使い続けていますので、お互いの信頼関係はとても深いです。同じポジションの選手なんですけど、ヨーロッパリーグでドルトムントと対戦したステファン・パーラ(オーストリア1部ヴォルフスベルガーAC所属)のような凄い選手もいます。だけど、僕は負けず嫌いなんで、絶対負けたくないって気迫を込めてプレーしました。結果、ポジション争いに勝って、僕はアズカルズでレギュラーとして活躍出来ています。色んなタイプの選手がいますので、代表で世界を体感出来ることは本当に大きなことです。

近年、ワールドカップ予選でバーレーンやイエメンに勝利し、アウェイの北朝鮮戦でスコアレスドローを演じるなど、アズカルズはアジアでも存在感を示しています。代表で戦う上で大事にしていることはありますか。

僕は試合前に緊張しないんですよ。だから、自分自身で緊張感を作ることに気をつけていますね。大事にしていることは、もちろん国のために戦うことや自分の夢のために戦っています。この一戦で人生が変わると思って常にプレーしています。これは僕にとって大きなモチベーションですし、試合だけじゃなくて一つ一つのプレーが僕の人生を変えると思って全力でプレーしています。国を背負うことは大前提ですけど、将来を考えてプレーしていますね。

今後のフィリピン代表の目標を教えてください。

現時点での目標はアジアカップ出場です。長い目を見て、監督は将来ワールドカップへ出場するチームにしたいと掲げています。ワールドカップ予選では格上のウズベキスタンや北朝鮮と戦う経験が増えましたけど、バーレーンと対戦した時にアジアとの差はそこまで大きくないと感じました(2回対戦して1勝1敗)。北朝鮮とも引き分けたんで、そこまで実力の差は遠くはないと思います。今年開催されるAFFスズキカップ(東南アジア選手権)は優勝しなければいけません。僕の将来やフィリピンサッカーの将来を考えてもスズキカップの優勝は絶対不可欠ですね。

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フィリピン代表で戦う佐藤大介選手by Panay News

東南アジアでは、僕らやタイ代表、ベトナム代表が頭一つ抜けている感じです。アズカルズの最終目標はアジアトップなんで、スズキカップの優勝を足がかりにしていきたいです。最終的には日本代表と戦って勝つことを目標に頑張ります!

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