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広島市内に計画されているサンフレッチェの新スタジアムについて

扇ガ谷 道房

2016/03/14 08:31

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今シーズンからガンバ大阪の本拠地は、チーム創設以来の基盤であった万博記念競技場から新設された市立吹田スタジアムに移りました。Shootyでも既に取り上げていますが、従来の日本のサッカー専用スタジアムの概念を変える画期的なスタジアムが誕生しました。

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やっぱりサッカーは陸上競技場ではなくてサッカー専用スタジアムで観戦したいもの。陸上競技用のトラックが無くて、ピッチと観客席が間近なサッカー専用スタジアムは、臨場感が違います。ところがJリーグ各チームの本拠地には、まだまだ陸上競技場が使用されているクラブ少なくありません。

何と昨年のJリーグ優勝クラブであるサンフレッチェ広島もそのひとつ。その広島市内に新スタジアム構想が持ち上がっては消え、遅々として計画が進んでいないようです。どういうことなんでしょうか。

サンフレッチェ新スタジアム1
by Jleague.jp

サッカー専用スタジアム

日本国内においてサッカー専用スタジアムの数は極めて少ないのが現状です。今シーズンのJ1リーグクラブの本拠地で言うと、サッカー専用スタジアムをフランチャイズにしているのは5クラブしかありません。鹿島アントラーズ(茨城県立カシマサッカースタジアム)、浦和レッズ(埼玉スタジアム2002)、大宮アルディージャ(NACK5スタジアム大宮)、柏レイソル(日立柏サッカー場)、そしてガンバ大阪(市立吹田サッカースタジアム)の5ヶ所。意外じゃないですか。

これに順ずるスタジアムとして、サッカー・ラグビー兼用スタジアムという陸上競技用のトラックが無いスタジアムもあります。同じ様に今シーズンのJ1リーグクラブの本拠地でみると、ベガルタ仙台(ユアテックスタジアム仙台)、ジュビロ磐田(ヤマハスタジアム)、名古屋グランパス(豊田スタジアム)、ヴィッセル神戸(ノエビアスタジアム神戸)、サガン鳥栖(ベストアメニティスタジアム)、アビスパ福岡(レベルファイブスタジアム)の6ヶ所。

この合計11クラブの本拠地は、陸上競技用のトラックが無い、ピッチと観客席が近く、サッカー観戦に向いたスタジアムと言えます。これ以外のクラブの本拠地は、依然として陸上競技場をフランチャイズとしており、観客席からピッチが遠いスタジアムということになります。アルビレックス新潟、FC東京、川崎フロンターレ、横浜マリノス、湘南ベルマーレ、ヴァンフォーレ甲府、そしてサンフレッチェ広島のホームスタジアムです。神奈川県の3チームは共に陸上競技場というのはちょっと驚きです。

そして日本最初のサッカー専用スタジアムは現在大宮アルディージャの本拠地になっているNACK5スタジアム大宮です。正式名称は、さいたま市立大宮公園サッカー場と言います。1960年に開設された現存するわが国最古のサッカー専用スタジアムで、1964年の東京オリンピックのサッカー会場としても使われました。

現在我が国にはJリーグが存在して、日本各地ににJリーグのクラブがありますが、本格的なサッカー文化の歴史はまだ浅く、J1リーグのクラブでさえも、未だにサッカー専用スタジアムでない所があるのが現状なんです。

サッカーは、専用スタジアムとそうでない競技場で観戦するのには大きな差があります。何しろ臨場感が全く違うのです。テレビで観戦しているとピッチ上のカメラがアップして追うので分かり難いですが、生のゲームを観戦しに行くとその違いに驚くことでしょう。

サッカーファンを増やして行く為には、サッカー専用スタジアムが全国に広がる事が望まれます。少なく共J1リーグのクラブ要件として、陸上競技場をフランチャイズにしない位のあり方を筆者は求めたいと思っていますが、行政や経営の兼ね合いで、それをまだ義務付けられないのがJリーグの実情でもあります。

サンフレッチェ新スタジアム2
by NACK5 STADIUM OMIYA

広島のサッカーと野球との関係

さて、昨年J1リーグ優勝のサンフレッチェ広島ですが、元々は自動車メーカーのマツダ㈱の前身であった東洋工業㈱サッカー部が発祥のチームです。Jリーグが始まる以前から、国体、天皇杯、日本サッカーリーグ(JSL)の優勝経験チームであり、日本国内では歴史と伝統と実績のある強豪チームでした。そのDNAは現在のクラブにも脈々と受け継がれています。

日本のサッカーは古くから、広島県、静岡県、埼玉県の三県が盛んで、現在もJリーグ創設当時からこの三県からJリーグクラブが途絶えた事がありません。そして、Jリーグでも天皇杯でもこの三県から優勝チームが輩出していることでも明らかです。

この様に日本サッカー界に多大な貢献をしている広島県にサッカー専用スタジアムが無いというのは不思議な事です。その一つにはプロ野球チームのある県である事にも原因があるのかもしれません。広島はサッカーのみならず、国民的なスポーツであるプロ野球も盛んで、マツダ㈱はサッカーと同じく東洋工業㈱時代から広島東洋カープの親会社でもあります。ご承知の通り広島東洋カープはセリーグ、日本シリーズ共に優勝経験のあるプロ野球チームです。

つまり広島は、野球もサッカーもプロのチームがあって、更にどちらも自動車会社の東洋工業㈱<現マツダ㈱>がバックアップして運営をしているという特性があります。この地域性は広島特有の環境を生み出しているとも言えるのではないでしょうか。埼玉県と静岡県とは大きな違いがここにあります。

サンフレッチェ新スタジアム3
by Find Travel

サンフレッチェ広島のホームスタジアム変遷

サンフレッチェ広島は1993年のJリーグ創設からのオリジナルクラブ。当時のJリーグ所属クラブはオリジナル10と呼ばれていますので、サンフレッチェ広島もそのメンバーです。Jリーグ開幕時のホームスタジアムは広島県総合グランド、通称広島スタジアムでした。収容人数は約1万5千人のキャパシティでした。

1994年からは現在のエディオンスタジアム広島で年間主催ゲームの半分以上を行う様になり、1996年からは正式にホームスタジアムになりました。正式名称は広島県広域公園陸上競技場で、愛称は広島ビッグアーチ。2013年からは家電量販店のエディオンが命名権を取得して現在の名称になっています。収容人員は5万人となりました。

サンフレッチェ新スタジアム4
by 広島県総合グランド

Jリーグクラブレイセンス制度上の要請

現在のエディオンスタジアム広島は、1992年に開催されたアジア大会のメイン開場として建設され、その後にサンフレッチェ広島のホームスタジアムになりました。従来の広島スタジアムから収容人員は一挙に3万5千人も増加しましたが、次第に問題点が明確化していきました。

その最大の要因は2013年から実施されたJリーグクラブライセンス制度にあります。Jリーグのクラブのクオリティを高める為に実施された制度で、厳しい資格要件が規定された事で、エディオンスタジアム広島の施設基準がこれに充足していない事が明確化してしまったからなのです。サッカー専用競技場ではない事意外に、Jリーグ所属クラブとしての根本的問題が顕在化しています。

中でも問題なのは、トイレと屋根の問題です。基準では収容人員数1000人に対して洋式トイレ5台以上、男性用小便器8台以上の設置が求めれれていますが、エディオンスタジアム広島では個室トイレが全て和式なのです。又屋根ですが、設置基準では観客数の3分の1又は全てを屋根で覆わなければなりませんが、エディオンスタジアム広島の観客席にはほとんど屋根がありません。

トイレと屋根の条件はB等級と呼ばれる基準で、設置基準を満たしていない場合でも、ライセンスを剥奪される事はありませんが、戒告か無観客試合が処分として課せられる可能性がある問題なのです。

こういった事からも、現在のホームスタジアムを改修するか、移転する必要がある訳ですが、様々な理由により対応は二転三転しています。

サンフレッチェ新スタジアム5
by 毎日新聞

移転候補地

先ずエディオンスタジアム広島の改修による対応計画は改修費用の目処が立たない為に断念されました。

次に新設スタジアムの建設と移転計画ですが、立地をどこにするのかで二転三転し結論が出ていませんが、自治体、商工会議所、県サッカー協会はサッカースタジアム検討協議会を設置し、漸く「旧市民球場跡地」と「広島みなと公園」の二ヶ所に絞り込まれました。

しかしながら未だに実施計画が具体化されておらず、いつ実現できるのか不透明な状況は続いています。

サンフレッチェ新スタジアム6
by All For Hiroshima Suppoter Blog

Jリーグの強豪クラブであり、先のCWCでは世界三位になったサンフレッチェ広島のホームスタジアムは、ガンバ大阪に匹敵する近代的なサッカー専用スタジアムとして早く陽の目を観て欲しいものです。

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