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浦和レッズ 4バックへの挑戦 | 今までの3バックとの違いとは?

日野遼太郎

2019/04/04 11:56

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NEWS

代表ウィーク明け最初のリーグ戦で、オリヴェイラ監督は彼の代名詞とも言える4バックシステムで試合に挑んだ。
オリヴェイラ監督は去年の4月19日に浦和レッズの監督に就任してから約1年間、3バックを採用し、試合に挑んできた。
彼自身、4バックが好みであるということは隠さないなどの発言をしながらも、なぜ今まで3バックで試合を進めてきたのか。そしてなぜこのタイミングで4バックを採用したのか。
考えてみたいと思う。

オリヴェイラ式3バックは守備重視

オリヴェイラ監督は以前鹿島アントラーズを率いていた時期をご存知の方なら良く分かるように、守備を第一に考える監督である。
浦和レッズに就任してからも、試合中3バックが守備時においては、両WBが最終ラインにまで降りてきて5バックの様な形をとり、ブロックを形成。ミシャ監督の頃よりもWBに守備へのタスクを与え、攻撃ではセットプレーを重要視するなど、下位に沈んでいた中での途中就任ということもあり「負けない」にフォーカスしたサッカーを展開した。
その結果、トーナメントである天皇杯は獲得したものの、ACLに向けて「勝つしかない」状況になったリーグ戦31節G大阪戦や、33節湘南戦を落とすなど、点を取らなければいけないシチュエーションの時に、弱さを見せてしまう点も露呈した。

4バックへの挑戦。得点を取りきれるサッカーを目指して

そして今季、リーグとACLの二冠を目指してシーズンインした浦和レッズは、ゼロックス杯も含めると3試合連続ノーゴールと攻撃において苦しむ。しかしそこからは得意のセットプレーでなんとか勝ち点を積み上げていき、代表ウィークでの中断を迎えた。
そこで流れの中からのゴールがリーグ戦において無かった浦和が採用したのが、今回の4バックである。要の武藤、青木が昨年の天皇杯決勝から復帰し、万全の体制が整ったこともあり、中盤を4人と厚くし、SBを攻撃に参加させてボールを持つ時間を増やすことで、相手を押し込む展開を作ろうという狙いからこのタイミングでの採用となったと思われる。そして4バックでの最初のゲームとなった先日のFC東京戦では、右SBの森脇良太が、左SBの山中のクロスに合わせ、ラストプレーで今季初の流れの中からのゴールを決め、暫定首位だった相手に勝ち点をもぎ取っている。

4バックの4-4-2のシステムを完成させながら、守備ではもうある程度計算できる3バックも、相手やシチュエーションによって使い分けながら戦っていけば、目標であるリーグとACLの二冠も現実味を帯びてくる。
少しずつではあるが、確実に12月に勝者であるための布石をオリヴェイラは打っている。

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