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なでしこの得点責任を背負う覚悟を感じる浦和レッズ・レディースのFW菅澤優衣香選手

扇ガ谷 道房

2018/09/08 17:00

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先ごろ閉幕した第18回アジア大会において、なでしこジャパン(サッカー女子日本代表)は2010年広州大会以来二度目の金メダルを獲得しました。
準々決勝からの3ゲームは苦戦の連続で、全て1点差のゲームを勝利し、見事に大会優勝を果たしました。
この大会で4ゴールを決めて日本代表中最多得点した選手は浦和レッズ・レディースのFW菅澤優衣香選手でした。
長らくなでしこジャパンに選出されているFWですが、漸く開花して来た感がある、注目の女子サッカー選手です。

男子と共にサッカーを始めた幼少期

 
千葉県千葉市出身の菅澤選手は、現在27歳、身長168cm、体重63kg、なでしこリーグ1部の浦和レッズ・レディース所属のFWの選手です。小柄な選手が多い日本女子サッカー界において、大型選手と言えます。
菅澤選手がサッカーを始めたきっかけは幼稚園時代にまで遡ります。お兄さんがサッカーをしていた事から、妹である菅澤選手もサッカーを始めていました。ちなみに、菅澤選手のお兄さんはアルビレックス新潟・シンガポールに所属していたのサッカー選手・菅澤孝也元選手です。
  
小学校時代はFC葛西、中学校時代は葛西西中学校サッカー部でサッカーを継続しますが、女子チームが無かった為、男子チームの中で男子と一緒にクラブ活動を続けます。当時からサッカーが好きで仕方がなかったサッカー女子の想いが伝わって来ようというものです。
  
高校時代は、潜在能力のある若手育成の為に、日本サッカー協会が設立したJFAアカデミー福島でエリート教育を受ける為、福島県立富岡高校に進学します。全寮制のJFAアカデミーは、あくまでもサッカーに関する教育機関であり学校教育を行わない為、アカデミー生は寮から学校に通い、放課後Jヴィレッジでサッカーの練習をするというスタイルで若手を養成します。
  
菅澤選手はJFAアカデミーの一期生高校生として、自宅を離れた環境で寮生活を送りながら、学業とサッカーを両立させ、プロ選手になる夢を追い続けました。

アルビレックス新潟Lでなでしこリーグデビュー

JFAアカデミー在籍中の2008年に、なでしこリーグのアルビレックス新潟レディースの強化指定選手としてデビューし、2009年に正式に入団を果たします。ここから女子サッカーのトップリーグであるなでしこリーグでの菅澤選手が正式にスタートします。
  
初年度の個人成績はリーグ戦21ゲーム中出場11ゲーム、得点は2点。チームはリーグ8クラブ中7位。ほろ苦いデビュー初年度という結果でした。
翌2009年度はリーグ戦21ゲーム中出場17ゲーム、得点2点。殆どのゲームに出場を果たしながら、FWとしてはチームに貢献できたとは言いがたい成果でした。しかし、なでしこリーグ以外に吉報が待ち受けていました。
  
年末の日本女子代表のチリ遠征メンバーに初選出されたのです。出場することは叶いませんでしたが、なでしこジャパンの一員になることができたのです。
  
2010年にはU-20女子W杯に選出されます。そして2012年、アルガルヴェ杯の代表に選出されて、デンマーク戦で記念すべき代表初ゴールを決めました。漸く代表FWとしてのスタートラインに立ったのです。

 

なでしこリーグで3クラブに在籍

  
代表に選出され始めた菅澤選手は、なでしこリーグにおいてもアルビレックス新潟Lの主力選手として活躍し、チームの顔としての存在感が備わって来ました。一方、強化指定選手として入団してから5年間在籍したアルビレックス新潟Lから菅澤選手は移籍する選択をします。
  
新天地での飛躍を期して、2013年にジェフユナイテッド市原・千葉レディースに移籍を果たします。初年度は出場11ゲーム、2得点に終わりますが、2014年度は28出場で20ゴールという成績を残し、初のなでしこリーグ得点王の座を獲得するのです。
  
更に2015年も23試合出場で15得点を挙げ、2年連続でなでしこリーグ得点王に輝き、なでしこリーグで菅澤選手は圧倒的存在感を発揮します。
  
この間、2014年9月に韓国で開催された第17回アジア大会に、なでしこジャパンとして出場し、大会通算5ゴールを決め、代表でも存在感を示し始めます。
そして翌年の2015年、カナダで開催されたFIFA女子ワールドカップにも出場を果たし、グループリーグのカメルーン戦でW杯初ゴールを決めました。
  
ジェフユナイテッド市原・千葉L在籍の4年間で44ゴールを決め、名実共になでしこリーグ、なでしこジャパンのストライカーとして、着実に地歩を固めて行きました。
  
そして、更なる飛躍を求めて、2017年に浦和レッズレディースに移籍を果たし、現在に至ります。男子トップチームもレディースもリーグ優勝経験がある、名門クラブへの移籍は、自らを更なる高みに導く為の選択だった筈です。  

アジア大会準々決勝からの大活躍

浦和レッズレディースでの初年度2017年の成績は出場18ゲームで9ゴール。これ自体立派な成績なのですが、2年連続得点王のタイトルホルダーという実績からすると、不本意な成績に見えてしまいます。
  
2018年4月、ヨルダンで開催されたAFCアジアカップは、2019年にフランスで開催されるFIFA女子ワールドカップの出場権がかかった大事な大会でした。菅澤選手はなでしこジャパンのFWとしてこの大会に出場します。チームは見事優勝を果たし、アジアチャンピオンとして2019FIFA女子ワールドカップへの出場権を決定します。
  
そして8月にインドネシアで開催されたアジア大会にもなでしこジャパンとして臨み、AFCアジアカップに続きこの大会も優勝を果たします。
  
大会5ゲームでなでしこジャパンの総得点は14。そのうち4得点が菅澤選手の得点です。特筆すべきは、準々決勝からの3ゲームのチーム得点5ゴール中、菅澤選手のゴールが2得点で、準決勝韓国戦のオウンゴールも菅澤選手がクロスに合わせたヘディングから生まれたものでしたから、実質的には3得点を菅澤選手が決めた様なものでした。代表FWとして得点責任を背負っているかの様な覚悟を感じるゴールの数々でした。
  
代表としてコンスタントにフル出場し、かつ得点することが少なかった菅澤選手が、この大会での出場を通して、開花した感があります。
菅澤選手のプレイスタイルはストライカータイプ。岩淵真奈選手の様なドリブラーではなく、パサーからのあらゆるボールに反応してゴールに繋げるストライカーです。勿論女子としては大型な体格を活かして、相手DFとのフィジカルファイト力や、高さを活かしたヘディング力も持ち合わせている、バランスの良いストライカーです。
  
来年に迫ったW杯の前哨戦として、今年アジアで開催された2大会で、存在感を示した菅澤選手。浦和レッズレディースでの後半戦に更なる得点を重ねて、来年のW杯ではなでしこジャパンの中心的ストライカーとして、大活躍して欲しいものです。
  

女子サッカー選手としては大柄な体格と、男前とも思えるきりりとしたお顔立ちは、頼り甲斐のある大黒柱の風格を持ち合わせています。
お笑いコンビ・北陽の虻ちゃんこと虻川 美穂子さん似とも言われる菅澤選手。お顔立ちに似合わず、キーの高いお声の持ち主でもあります。
沢穂希さん引退後人気に陰りが感じられるなでしこに再び脚光が戻る様に、圧倒的得点力で存在感を示して欲しい選手であります。
是非注目して欲しい選手です。

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